昨年12月をピークに立憲民主党(立民)の政党支持率が急落へと転じた。また、日本維新の会は参院選後ずっと政党支持率が低下傾向だったが、それがさらに悪化して立民以上の急落になった。
以下、三春充希氏のツイートより。
立憲と維新の支持率が大きく落ちていますが、年末年始で世論調査の頻度が落ちていたため、グラフには直近のJNNの調査が強く反映されています。今後の調査を待たないと細かいことは分かりません。ただ下落は揺るがないと思います。https://t.co/QAq2szK1pv
— 三春充希(はる)⭐未来社会プロジェクト (@miraisyakai) 2023年1月9日
立憲民主党と日本維新の会の支持率は、やはり急落が示唆されます。https://t.co/DEJrXvKOe7
— 三春充希(はる)⭐未来社会プロジェクト (@miraisyakai) 2023年1月10日
一方、年末から年始にかけての自民党の支持率はやや持ち直しているように見える。
政党支持率の平均
— 三春充希(はる)⭐未来社会プロジェクト (@miraisyakai) 2023年1月10日
1月7~8日に実施されたJNNの世論調査と、1月7~9日に実施されたNHKの世論調査を反映しました。各社世論調査の平均は、無党派層36.7%、自民35.1%、立憲7.1%、維新4.9%、公明3.4%、共産3.1%、国民1.8%、れいわ1.3%、参政0.9%、社民0.5%、NHK党0.3%です。 pic.twitter.com/97UfnFWjy2
一般に年の初めに内閣支持率が持ち直すことはよくあるのは確かだ。私も経験的にそのことは感じている。それを三春氏は「お屠蘇効果」と呼んでいる。とはいえ岸田内閣支持率は昨年夏の参院選の頃から比較すると25ポイントほども下落したのに対し、1ポイントちょっと回復した程度だ。
年末年始で世論調査が減っていたので、平均のグラフもやや安定性に欠けています。一般的に言って、内閣支持率はお正月を挟むと回復することが多いです(お屠蘇効果)。https://t.co/tbIYPxN7hw
— 三春充希(はる)⭐未来社会プロジェクト (@miraisyakai) 2023年1月9日
昨年5〜6月頃を底に、立民の政党支持率はゆるやかな回復傾向にあったが、6%程度の支持率は8%程度まで、つまり2ポイント程度回復したに過ぎなかった。
しかし立民支持層の中には「立民と維新との連携は、立民にとってメリットしかない」などとホルホルしている連中がいた。私は彼らのツイートを見ながら、なんて浅はかな、と内心馬鹿にしながらも腹を立てていたので、現在の立民と維新との共倒れのトレンドには、正直言って「ざまあみろ、それ見たことか」と思っている。
昨年の安倍晋三殺害とともに噴出した統一教会と自民党との癒着の問題や、岸田が安倍の国葬を強行したこと、それに軍事費(防衛費)の倍増や敵基地攻撃能力(政権側の言葉でいえば「反撃能力」)保有等の軍事大国志向の政策などは、野党第一党がもう少し政権との対決姿勢を打ち出していたならもっと政党支持率が上がる要因だったはずだが、立民の泉執行部はその間維新との連携にかまけ、国葬反対も当初なかなか打ち出せなかったし、軍事費の大幅増や敵基地攻撃能力に関しては、なんとあからさまな容認の姿勢を打ち出した。特に最後に挙げた軍事大国化志向容認の影響が大きく、それに失望した「左」側の支持が大きく剥がれたとみるべきではないか。
ところが、秋までの政党支持率回復で図に乗った泉は、乃木神社への初詣をツイートで大々的にアピールし、批判されると「息苦しい」などと逆ギレまでしてみせたのだった。
立民の支持率回復傾向の時期に、立民の政党支持率は上がる一方で維新は下落傾向だった。前述の「立民にとってメリットしかない」とホルホルしていた連中のツイート群には、暗に維新の政党支持率低下を喜んでいる節もあった。私が「なんて浅はかな」と思ったのはそのせいでもある。なぜなら、政党同士の連携はwin-winでなければ長続きするはずがないからだ。但しこれには例外があって、自民党と公明党との連携は自民党にとってメリットが大きい一方、公明党には党勢の長期低落というデメリットがある。それは連携の相手が政権政党である場合、それに(コバンザメのように)くっついた政党には権力のおこぼれにあずかることができるという短期的な利益があるためそれについつい目が眩んでしまうためであろう。しかしそういう効果がない野党同士の連携の場合は、双方にメリットがなければうまくいかないのだ。案の定彼らのぬか喜びは長続きせず、現在は立民と維新との連携は両党にlose-loseの逆効果をもたらしているようにさえ見える。
今回、維新の政党支持率が立民以上に大きく下落していることは、立民の維新のすり寄り路線に維新支持層が強く反発している理由が考えられるから、維新は現在の路線を見直さざるを得なくなるのではないか、などと私にとって都合の良い期待をする今日この頃なのである。いや、これは希望的観測に過ぎないけれども(笑)
一つだけ確かにいえるのは、立民の泉執行部の路線が早晩行き詰まるであろうことだ。
例のなんとかるるさんが自民党に転じた件は、国会議員でもなかったことでもあり立民の政党支持率下落にはほとんど影響してはいないだろうが、逆に一昨年の衆院選後から昨年の参院選までの短期間に立民から民進が離れていったことに身勝手な若手政治家志望者が焦った結果起きた騒動だったといえるのではなかろうか。つまりあの件は立民の支持率低下の原因ではなく結果ではないかと思う次第。この件に関して、東濃(岐阜県東部)・岐阜5区在住の友人をお持ちの方から興味深いコメントをいただいたので以下に紹介する。
「大きな与党」は2つも3つも要らないんですよね。維新が大阪で躍進できたのも、中央の自民党に対する対抗勢力という虚像を実像であるかのように(大阪やその近辺の自治体の)人々に信じ込ませたからこそであって、それが自民党へのすり寄り姿勢を強めている中央の野党第一党と野合しようとしたら支持層の反発を受けるのは当たり前でしょう。それを、すり寄ったらこっちの支持率が上がって相手の支持率が下がってるぞ、こりゃメリットしかないとぬか喜びしていた連中はアホ丸出しでした。政権与党の亜流の政党にいるくらいだったら政権与党に移ってしまった方がマシだという考えが身勝手極まりないのは確かですけど、ごく普通に思いつくことでもあると思います。
なお、立民が連合とともに自民党に合流してしまったら、現在の衆院選は小選挙区制度をとっているために日本の政治はどうしようもない状態になってしまいますよ。共産党は社民党ともども衆議院で1議席確保がやっとということになるんじゃないですかね。現在の共産党執行部の志位和夫・小池晃両氏らの硬直した姿勢にも疑問を感じます。私が危惧するような翼賛体制の国会になってしまえば、山本太郎も政治家稼業を投げ出すことでしょう。山本氏が政治家を辞めるのはともかく(そうなれば私はむしろ歓迎します)、そんなどうしようもない国会になってもらいたくないから、自分では支持してもいない政党の右傾した党首を日々批判し続ける次第です。
友人が今井氏の選挙区在住ですが、家族内で「立民でさえなければねぇ」と話していたと衆院選後に聞きました(友人はいわゆる「表現の自由」シンパの中道〜保守で自民・国民支持者)。所詮N=1で普遍性には欠けますが、保守の牙城の岐阜ですから地元では似たような声が多かったのではないでしょうか。そういう意味で驚きはなかったですし、今の国民から「左派政党」らしきもの(私は立民を左派政党と思ったことはないですが、世間的な認識として)が全然必要とされていない(だからこそ貴兄の言われるように宗教右翼の後にネオリベ右翼が台頭する)現状の再確認となりました。泉代表の「変節」(というより「地金の露出」と言ったほうが近いかもしれませんが)はそうした現状に迎合しようという計算も働いてのことでしょうが、そうであるならば図らずも今井氏が示したように「自民でいい」(或いは「維新でいい」)わけで、立民は左右どちらに向かおうが衰退の道しかないのではないかと感じるところです。私は左派勢力が本格的に再結集するためにも、いっそ立民は連合と共に自民に合流してくれないかと思っています。