kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

カジノ法案、衆院委員会で強行可決。小沢一郎長年の宿願の実現近づく

今週はまた仕事に謀殺、もとい忙殺され、働かせ改革法案を初めとして米朝首脳会談だの東電の福島第二原発廃炉だの本田圭佑がむかつくだのヤクルトスワローズ交流戦優勝が怪しくなった*1だのについて何も触れられなかったが、まずこのふざけた国会の動きから取り上げる。

カジノ法案の採決を強行 与党など、衆院内閣委で:朝日新聞デジタル

カジノ法案の採決を強行 与党など、衆院内閣委で
2018年6月15日15時25分

 カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案が15日午後の衆院内閣委員会で、自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決された。立憲民主党など野党は採決に反対し、審議継続を訴えたが、山際大志郎委員長(自民党)が職権で強行した。与党は19日に衆院を通過させる方針。20日までの会期を延長し、今国会中に成立させる構えだ。

 カジノ実施法案は、カジノを含むIRの設置基準などを定めた。カジノは刑法で厳格に規制されている賭博罪に当たるが、法案ではカジノ管理委員会の免許を受けた民間事業者を適用除外とする。ギャンブル依存症マネーロンダリングへの対策も盛り込まれている。

 カジノ利用者が条件付きで事業者から借金できる制度などもあり、野党側は依存症対策などが不十分だと批判。衆院内閣委で50時間の審議を求めていたが、与党が応じず、18時間10分にとどまった。

朝日新聞デジタルより)


小沢一郎の長年の念願がようや実現する運びだ。下記は5年前(2013年)の産経新聞記事。第2次安倍内閣が発足して1年ほど経った頃の話だ。

自民、維新、生活の3党がカジノ法案提出 - 産経ニュース

自民、維新、生活の3党がカジノ法案提出

 自民党日本維新の会生活の党の3党は5日、カジノを中心とした統合型リゾート(IR)の整備を政府に促す推進法案を衆院に提出した。来年の通常国会での成立を目指す。

 推進法案のとりまとめを行った超党派の「国際観光産業振興議員連盟(カジノ議連)」は、議連参加者のいる公明党民主党みんなの党にも共同提出を働きかけてきたが、慎重論が根強く3党による提出となった。

 推進法案は議員立法で、IR施設の整備を進めるための推進本部を内閣に設置すると規定。推進法成立から1年以内に政府が施設整備のための関連法を定めることも義務付けている。

(産経ニュース 2013.12.6 08:25更新)


そもそも小沢一郎はカジノ推進議連の最高顧問だ。
「カジノ議連」の名簿に「最高顧問・小沢一郎」の名が(呆) - kojitakenの日記(2016年12月3日)より

カジノ推進法案には朝日・毎日ばかりか読売や産経までもが反対や慎重な審議を求める社説を出したようだし、過去しばしば行われたマスメディアの世論調査でも反対の意見が常に6割かそれ以上あった。

それがなぜろくすっぽ国会の審議も行わずに強行採決されるのか。安倍晋三自民党の極悪な独裁政治はエスカレートする一方だ。

ところで、その安倍と自民の暴走に手を貸した国会議員は少なくない。中でもその親玉ともいうべき極悪政治家、それはおなじみ小沢一郎である。

下記は「カジノゲーム、海外のカジノ、日本のカジノ動向をわかりやすく説明」と銘打たれたサイト「カジノル」に掲載された2014年の記事。

http://casinolu.com/who/

カジノ合法化を目指してるのは誰?
2014/10/14(2015/01/25更新)

ここ最近、カジノ解禁に関する記事(主に反対する記事)が多く出てきています。いろいろな意見が出てきていますが、そもそもなんでカジノ合法化しようとしているのか?

まずカジノ解禁の議論が進む前に、いまカジノ合法化を目指す人たち、反対する人たちは誰なのか、おさらいしておきましょう。


カジノ合法化を目指す人たち

国際観光産業振興議員連盟(IR議連 通称:カジノ議連)

IR議連は、カジノを含む統合型リゾート(IR)を観光産業振興のために日本に作ることを目指しています。現在、継続審議となっているIR推進法案を作成し提出しました。この議連の最高顧問には、安倍晋三総理、麻生太郎副総理、石原慎太郎議員、小沢一郎議員が就いています。

安倍総理は、最高顧問を辞任する意向を表明。麻生副総理は、顧問からは外れる意向を示していますが、現状は継続しているようです。(後略)


(中略)

「IR推進議連」のメンバーの中には、当時東京10区選出議員だった小池百合子の名前もあったし、今年の民進党代表選に出馬した前原誠司玉木雄一郎の名前もあった。(後略)


ところが今国会では国民民主党(国民党)も自由党カジノ法案に反対した。しかし、党代表の玉木雄一郎がIR推進議連に名を連ねている国民党は当初反対をためらっていたようだ。

その国民党の尻を叩いたのがカジノ議連最高顧問の小沢だったというから呆れるほかない。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018061201166&g=pol

国民民主に苦言=自由・小沢氏

 自由党小沢一郎代表は12日の記者会見で、カジノを中核とする統合型リゾート(IR)実施法案をめぐる国会対応に関し、国民民主党を念頭に「法案に賛成だか反対だか、どちらだか分からないようでは野党としては困る。きちっと足並みをそろえて反対し、国民に分かるように言動をはっきりすることが大事だ」と苦言を呈した。同法案をめぐり国民民主党には賛否両論あったが、今月になって幹部がようやく反対を表明した。

時事通信 2018/06/12-19:23)


小沢はマッチポンプもいいところだ。今回の強行採決についても、口では批判しつつ、内心では舌を出しているのではないか。

こんな小沢と「共闘」する共産党も、かつてカジノ法案を批判するのに「賭博は持統天皇以来禁止」などと言っていたことがあった(2016年12月*2)。天皇制を前提とした言い方だ。共産党議員によるこの発言の前年(2015年)に同党は「野党共闘」路線へと舵を切り、翌年、つまり「持統天皇」発言のあった同じ年の年初に行われた、天皇臨席の通常国会開会式に共産党議員が初めて出席した。

こうして日本の政治勢力全体が大きく右傾する中で、マッチポンプを働いた詐欺師が当初思い描いた通り、カジノ法案が成立へと突き進んで行く。

*1:小川淳司監督といえば2011年のシーズン終盤に大失速して中日に逆転優勝をさらわれた印象(というかトラウマ)が強く、またあの逆転負けを再現するのかと戦々恐々としている(笑)。

*2:https://mainichi.jp/articles/20161203/k00/00m/010/061000c