kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

新潟県知事選の敗因に関する立憲民主党「幹部」の分析は完全な誤りだ

新潟県知事選に関する立憲民主党「幹部」の発言を報じるニュースを知って、この幹部氏は大いなる勘違いをしているのではないかと思った。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018061101016&g=pol

野党共闘へ課題山積=参院選一本化、調整難航も

 立憲民主、共産など5野党・1会派は新潟県知事選に共闘態勢で臨んだものの、自民、公明両党が支援した候補に約3万7000票差で敗れた。連携の必要性を改めて認識しつつも、自民票の切り崩しや無党派層への浸透が不十分だったとの課題も残った。戦い方への思惑の違いも浮き彫りになり、参院選1人区の候補者調整が難航する可能性もある。
 立憲の辻元清美国対委員長は11日、東京都内の会合で「負けてがっかりしたが、僅差だ。50万(票)取ったわけだ」と善戦を強調。国民民主党玉木雄一郎共同代表も記者会見で「野党が結束すれば与党と互角に戦えるということを示した」と前向きに評価した。
 ただ、中央政界での森友・加計学園問題を持ち込む戦術には「中央は中央、地方は地方」と野党内にも異論があった。また、「与党の原発隠し戦略」(玉木氏)で、原発問題を十分に争点化できなかったことも響いた。
 野党各党は知事選敗北を受け、参院選1人区では候補を一本化して与党と戦わないと勝負にならないとの思いを一層強くしている。玉木氏は「各党で実務者を決め、候補者調整を早めに始めていくことが必要だ」と述べ、一本化協議を急ぐ考えを強調した。
 一方、立憲は知事選で「共産が前に出すぎた」(幹部)ことが支持の広がりを欠いた要因とみている。参院選では共産と適度な距離感を保つ考えで、共産に自主的な候補取り下げを促し、水面下での支援を期待する。
 これに対し、共産は野党協力の強化を図る方針。志位和夫委員長は11日の党中央委員会総会で、「全国でも共闘をさらに発展させるために全力を挙げる」と表明した。野党間で相互推薦・支援の態勢を求める共産は、一方的な候補取り下げを否定しており、野党間の温度差は残ったままだ。

時事通信 2018/06/11-20:16)


赤字ボールドにした部分からは、なんとなく福山哲郎あたりの顔がちらつくが、この敗因分析は完全な誤りだ。

「共産が前に出すぎた」のではなく、小泉純一郎の応援をその共産や立民の最高幹部が大歓迎したことに象徴される「新自由主義色が出過ぎた」ことが真の敗因だろう。

今後立憲民主党がかつての民主党のような新自由主義色を強めることがないかどうか、厳しい監視と批判が必要だ。

既に立民が新自由主義色を強める気配は出ている。たとえば、「働かせ方改革」法案に絡めて同党が出した労働基本法改正案は、同党よりさらに右の国民民主党案と変わり映えがせず、同党の支持者や、現在は「失脚」中のこたつぬこ(木下ちがや)氏(共産系とされている)が「民進クラスタ」と揶揄した論客からも「共産案の方がすぐれている」(=立民案は大企業経営者側に寄り過ぎている)との評価が下される代物だった。

なお、今回の新潟県知事選において新潟市中央区で花角候補が圧勝したが、これは新潟県内の富裕層が新潟市中央区に集中しているからではないかと思うのだが違うだろうか。最近の選挙では、東京都でも都心の港区、中央区千代田区自民党が滅茶苦茶に強い。

こういった最近の選挙結果を見ると、富裕層によるそれ以下の階級への挑戦という、デヴィッド・ハーヴェイが名著『新自由主義』で規定した新自由主義の定義を思わせるものがあって背筋が凍る。そんな時代の流れにあって、立憲民主党新自由主義色を強めることは、同党の党勢に下降線をたどらせる元凶となるばかりか、富裕層以外の人間にとって最悪の時代を招く恐れがきわめて強い。

強く警告しておく。