日本の政治においては、なんだかんだ言って総理大臣に絶大な権力がある。2009年、与謝野馨は麻生太郎を降ろそうとして降ろせなかった。古くは、1976年に田中角栄と福田赳夫と大平正芳が束になってかかっても、三木武夫を降ろせなかった。
解散権を持っているのは野田佳彦(「野ダメ」)である。「野ダメ」は解散総選挙を行っても民主党は敗北する運命にあるが、9月の代表選で「国民的人気」があるらしい前原誠司が勝って、そのまま解散総選挙を行えば、民主党が勝つとまではいえないが選挙はどうなるかわからない。
こんな時、「野ダメ」ならずとも多くの人間が考えることは、「(同じ党の)あいつに手柄を持って行かれるくらいなら、敵対する党を勝たせた方がマシだ」ということだ。昨年、菅直人を降ろすために小沢一郎と鳩山由紀夫が内閣不信任案提出を自民党に焚き付けたのも、同じ心理機構による。
だから私は半ば確信している。「野ダメ」は、民主党代表選より前に衆議院を解散すると。解散はおそらく、通常国会の会期末だろう。総選挙では自民党が単独過半数を制する。