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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

田中龍作のドント式比例代表制批判、反論になってない(呆)

「非拘束名簿式比例代表制」のわかりづらさ - Melting Pot が出てからかなりの時間が経ったが、ようやく昨日(7/29)になって、田中龍作が「反論」らしき記事を公開した。但し、自らが受けた批判については何も書いていない。

しかも、田中龍作の記事はあまりにもひどい。目が点になってしまった。


田中龍作ジャーナル | 大政党ほど有利 「比例していない比例選挙」とは…

大政党ほど有利 「比例していない比例選挙」とは…
2013年7月29日 13:14


 1980年代初頭、参院選挙の全国区に『ドント式』による比例制度が導入されることが決まった時、世間の多くは首を傾げた。50代未満の方は、当時の政治的、社会的動揺を御存知ないだろう。

 ドント式とは各政党の得票を先ず1で割り、次に2で割り、3で割り、4、5、6、7…で割っていき商の多い順に当選議席を割り振って行く方法だ。大政党に有利になる仕掛けである。

 当然小政党は異議を唱えた。政治権力に最も近いNHKでさえニュース解説で「ドント式は大政党ほど有利となり小政党には不利となる…」として問題が残る制度であることを説いていた。「ええっ!? NHKがお上の決めたことに異論を唱えていいの?」筆者は驚いた。

 銭湯の女将さん、一膳飯屋のオヤジ…極端に言えば町の行く先々で「なぜ大政党ほど有利になるのか?」と聞かれた。

 筆者は上述したドント式のシステムを図示しながら説明した。彼らの怪訝そうな顔が今でもまぶたに残っている。「なんでこんなことするんやろ?」顔にそう書いてあった。50代以上の記者であれば身をもって体験しているはずだ。

 今回の参院選挙を見てみよう。比例区で18人が当選した自民党は、総得票数を当選者の数で割ると1,025,578票。5人当選の共産党は1,030,811票。1人しか当選しなかった社民党は1,255,235票。

 自民党の場合102万票で1人を当選させることができるが、社民党は125万票を必要とする。大政党ほど有利となる証左だ。

 ドント式による比例選挙が「比例していない比例選挙」と言われるゆえんでもある。

 総務省選挙課にドント式を導入した経緯を聞くと「政党政治を推進するのが目的だった」という答えが返ってきた。

 当時、社会党社民党の前身)が衆院に100議席以上を有しており、「自・社対決」などと持てはやされた頃でもあった。「自・公」なんて概念さえなかった政治状況だった。

 当時2大政党だった「自民党社会党が、自分たちに有利になるような選挙制度を持ち込んだ」−『ドント式』導入をめぐって憶測が飛んだ。20代でまだ駆け出しの筆者は、真相を確かめることができないままだった。

 魅力ある候補者でも弱小政党から出ると勝ち目がない。逆に言えば、社会の批判を浴びている候補者でも大政党から出れば当選する。今回の参院選自民党の総得票数の75%以上が政党名で投票しているのだ。緑の党は53%弱だ。

 有権者にとっては制度以前の問題として釈然としない。


まず、赤字ボールドの部分が間違いである。社民党が1議席を得るためには125万票も必要ではなかった。田中龍作は、相変わらず大嘘を平気で書き散らすゴロツキの自称「ジャーナリスト」であるらしい。

田中が言っているのは、単にドント式が端数切り捨て方式の計算方法に拠っているから、1議席とか2議席を獲得できるかどうかの小政党にとって不利になるだけのことである。1議席をギリギリで獲得する政党が2議席目を得るためには、それまでに獲得した得票と同じだけの得票を必要とするが、10議席を獲得した政党が11議席目を獲得するためには、10分の1を上積みすれば良い。単にそれだけの話であり、1議席を積み増すために必要な得票数は、大政党でも小政党でも同じなのである。ドント式が「小政党に不利」といわれるのは、ドント式が「端数切り捨て」の計算方法を採用していることが、四捨五入など「他の比例代表制の計算方法と比較して」小政党に不利だという話に過ぎない。もちろん比例代表制議席計算方法としては、ドント式のような切り捨てではない方式もあるが、その場合でも生活の党が(山岡賢次の)1議席を獲得するかもしれないが三宅雪子は落選するし、45万票の得票だった緑の党三宅洋平は相変わらず落選なのである。それとも田中龍作は得票数の対数で議席数を決めろとでも言うのだろうか。

それよりも何よりも、比例代表制小選挙区制や中選挙区制と比較して大政党の議席が少なくなる制度であることについて、田中は一言も書いていない。論外もいいところだ。

呆れたのは、この田中龍作の記事の歓呼の雄叫びをあげる「メダカの行列」あるいは「金魚の糞」どものTwitterの一群だった。
http://tanakaryusaku.jp/2013/07/0007625 - Twitter Search


田中龍作という権威にすがりたがる人たち。自分の頭で物事を考えようとしない人間がこんなにも大勢いるのかと、頭痛がしてきた。