kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「みんなの党」を追放された柿沢未途の狙いは「橋下との野合」だ

http://www.asahi.com/politics/update/0823/TKY201308230096.html

みんな・柿沢議員が離党届 「代表が『出て行け』と」


 みんなの党柿沢未途衆院議員は23日、党本部に離党届を提出した。自身のツイッターで明らかにした。同日午後に国会内で記者会見を開く。

 柿沢氏は23日昼過ぎ、ツイッターで「渡辺喜美代表から『党から出ていってくれ』とのお言葉を頂き、先ほど、みんなの党に離党届を提出いたしました」と書き込んだ。

 柿沢氏は今月7日に同党幹事長を更迭された江田憲司衆院議員に近い。

朝日新聞デジタル 2013年8月23日13時47分)


柿沢未途は、故柿沢弘治の倅、つまり世襲政治家で、かつて民主党籍を持つ都議だったが、酒気帯び運転で自損事故を起こし、議員辞職に追い込まれた。それにもかかわらず、2009年の「政権交代選挙」にみんなの党公認で東京15区から立候補し、オスプレイを絶賛したことで悪名高い民主党(当時)の東祥三*1に敗れたが比例復活当選。つまり焼け太りした呆れるばかりの政治家だ。さらに昨年の衆院選でも自民党の秋元司を破って、今度は選挙区で当選した*2

その柿沢が渡辺喜美に追放されたと言われれば、誰しも「ああ、柿沢は橋下とくっつきたいんだろ」と思うだろう。事実そうだった。

http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20130824(2013年8月24日)経由で知ったが、産経にこんな記事が出ている。


http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130823/waf13082321130023-n1.htm

「渡辺代表と一緒にやりたい人は少ない」 橋下氏、みんな・柿沢氏の離党を歓迎


 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は23日、みんなの党柿沢未途衆院議員が渡辺喜美代表と対立し離党届を提出したことを受け、「野党再編の起爆剤になる」と歓迎する一方、「渡辺代表と一緒にやっていこうという政治家は極めて少ないと思う」と批判した。大阪市役所で記者団に語った。

 橋下氏は「柿沢さんを中心に、維新の会のメンバーも追随して民主党の同志をまとめ、二大政党制の一翼を担う政党をつくることを期待している」と述べた。 柿沢氏は同党幹事長を更迭された江田憲司氏に近いとされ、同日、ツイッターで離党届を提出したことを明らかにしていた。

MSN産経ニュース 2013.8.23 21:11)


朝日新聞(8/24)4面掲載記事によると、橋下は

23日、大阪市役所で「柿沢さんこそが政治家の行動だ。新党の中心人物になられる方だ。政界再編の起爆剤になるだろう」と記者団に語った。

とのこと。柿沢は、まぎれもない橋下一派の人間になったというべきだろう。少し前に、「みんなの党」の東京都議団が分裂し、その一方の旗頭が柿沢の新婚の妻、野上幸絵だったが、それも「みんなの党」を割って出て橋下とくっつこうとする勢力(=江田憲司一派)と、「みんなの党」にとどまろうとする勢力(=渡辺喜美一派)の抗争だったのかもしれない。

選挙制度政党政治にあり方については、橋下は上記産経の記事にあるように、二大政党制論者で、強烈な小選挙区制論者でもある。その点で橋下は小沢一郎に似ている。

現時点で橋下が念頭に置いている対抗勢力は自民党である。もともと自公に担がれて大阪府知事になった橋下が、自民党に対抗する勢力のトップになることを熱望していることも、自民党幹事長を務めた大権力者だった小沢一郎が、自民党と対抗する二大政党のトップをつとめて政権交代を実現させたことになぞらえられる。
橋下は、昨年自民党で干されていた安倍晋三を一本釣りしようとして失敗した。その失敗を受けて、今度は江田憲司や、表立ってはあまり出てこないが確実に政界再編をにらんで水面下で動いているに違いない前原誠司とつるんで、新たな二大政党のトップの座をつけ狙っている。これも小沢一郎とそっくりな行動様式である。小沢自身も「橋下+江田・柿沢+前原」の勢力に加わりたくてうずうずしていると私は推測しているが、今となっては小沢は「行くところ票を激減させる貧乏神」に落ちぶれてしまったから、仲間に入れてもらえないに違いない。

しかし、橋下と小沢の関係の現状はどうあれ、橋下は一貫して「小沢一郎の直系」と言っても過言ではない行動様式を示し続けている。

参院選で自らが党首を務める政党の全候補者が落選するというぶざまな大惨敗を喫した小沢一郎だが、小沢を慕う「信者」は、ネットに今なお多数棲息している。山本太郎を支持する「脱原発派」が柿沢未途にエールを送ったというのも、それと無縁ではないかもしれない。たとえば「緑の党」から立候補して落選した三宅洋平も、選挙演説でマルクス剰余価値説やカントに言及するかたわら、「小沢一郎さんの考えと同じ」などと吼えていたという。そのことに関連してネット検索をかけてみたところ、「Marxの資本論小沢一郎氏のファン」なる人物の存在が検索に引っかかった。かと思えば、ここ数日来、Twitterで強烈な反共系「小沢信者」と菅直人支持者が激しいバトルを展開しているのを目撃したりもした。いずれの場合においても、「小沢信者」に現実を直視する能力が著しく欠けていることは一目瞭然である。

行動様式において明らかな小沢のエピゴーネンである橋下を打倒するためにも、「小沢一郎的なるもの」の総括が欠かせないと改めて思った次第。例えば、恥ずかしながら私は小沢の『日本改造計画』をこれまで読まずに批判してきた。ここらで一度まともに読んで徹底的に小沢を批判してみようかと思った今日この頃である。

今思いついた標語。

「橋下打倒の第一歩は、『小沢一郎』の総括にあり」

*1:東祥三はのち国民の生活が第一日本未来の党、生活の党で、昨年の衆院選、今年の参院選でともに落選。

*2:統一協会とつながりを持つ秋元司も比例復活当選した。