kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ロシアのクリミア編入と「小沢信者」

ロシアのクリミア編入は許されない暴挙である。欧米諸国も、しぶしぶとはいえ安倍政権も、自民党共産党も、朝日新聞産経新聞もすべてロシアを非難しているが、当然である。クリミアにロシア系住民が多いことや、ウクライナの暫定政権に極右勢力が入り込んでいることなどは、何らロシアのクリミア編入を正当化する理由にはならない。前者は「現在クリミアにロシア系住民が多いのは何故か」という疑問をまず持ち、クリミアにおける少数民族の立場に思いを致すべきだし、後者については、ウクライナの極右勢力とプーチンの両方を非難すべきだろう。

クリミアは古くから戦争の地だった。その歴史には対立する民族や宗教の激しいせめぎ合いが刻み込まれている。また、前世紀の歴史を振り返っても、なぜフルシチョフがクリミアをウクライナ領に編入したかというと、それは前任者のスターリンという、他にヒトラー毛沢東ポル・ポトなどごく少数の人間しか比較の対象が思いつかない世紀の大量虐殺犯がなした悪行の反省の上に立ってのことだった。

Wikipedia「クリミア・タタール人追放」の項を以下に引用する。

クリミア・タタール人追放 (クリミア・タタール語: Sürgünlik)とは、クリミア・タタール人トルコ人が、第二次世界大戦中にソビエト連邦の最高指導者スターリンによって独ソ戦での対独協力の嫌疑をかけられ、クリミア半島から追放された出来事を言う。

1944年5月17日、Sürgünは全てのクリミアの住民に対して開始された。32,000人以上の内務人民委員部兵士が参加し、確認されているだけで193,865人のクリミアの住民が強制追放された。追放先の内訳は、

残りはロシア・ソビエト連邦社会主義共和国の各州に追放された。

1944年5月から11月までにウズベクソビエト社会主義共和国に追放されたものの7%にあたる10,105人が餓死し、内務人民委員部の資料ではその年のうちに半数が死亡した。多くのクリミア・タタール人がグラグでの強制労働を強いられ、今日ではジェノサイドとみなされている。

なお、スターリンによるこのクリミア・タタール人追放は、クリミア・タタール人によって蒸気機関でシンボル化されている。

こうした悪行をフルシチョフでさえ反省した。しかし、安倍晋三とウマが合うKGB上がりのプーチンは、それさえ踏みにじったのである。

ところが始末に負えないのは「小沢信者」である。彼らはプーチンのクリミア編入を正当化するが、その動機は例によって「敵の敵は味方」という信者お得意の論法である。「小沢一郎が『虎(アメリカ)の尾を踏んだ』ために失脚した」というのが彼らの教義であり、安倍晋三が小沢なんかとは比較にならないほど激しく「虎」の尾を踏みまくっている*1のにいっこうに失脚する気配もない事実をも直視することができない。

彼らのブログから悪例を2つ挙げておく。

特に後者には、「小沢信者」の思考回路が露骨に出ていて笑える。

プーチンのクリミア編入を正当化する者にとっては、北方四島がロシア領であることは自明でなければならないし、彼らは、日本が中国や韓国に対して戦争を起こすこと及び起こされることのいずれをも非難する資格を持たないことを最後に指摘しておく。

*1:それどころか私は小沢一郎が「反米的」であったことなど一度もないと考えている。