kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

理研の組織的関与こそ検証が必要

理研による「STAP細胞」の検証の件、朝日新聞(4/2)の社説「理研の責任は重い」より引用する。

(前略)
 国は今月、研究開発を先導する特定国立研究開発法人を指定する方針だった。理研はその最有力候補だった。それをにらんで結論を急いだ面はないか。
 そして、責任を小保方氏個人に集中させていないか。共著者のベテラン研究者らは何をし、何をしなかったのか。実験やデータ、試料の管理のどこに問題があったか−−。
 理研は内部調査で済ますのでなく、第三者に調査を委ねて結果を公表すべきだ。それなくして信頼は取り戻せないだろう。
朝日新聞 2014年4月2日付社説「理研の責任は重い」より)

以前、この件を佐村河内守の偽作事件と同列に論じるのには違和感があると書いたが、今では同列に論じられてしかるべきであり、この両方の騒動にはある共通点があると思うに至っている。私は、佐村河内守なり小保方晴子なりはいわば「御輿」であって、それを担いだ人間は「御輿」よりももっと罪深いのではないかと、同じ "O" の頭文字を持つ某政治屋を連想しながら思うのである。否、某政治屋の方が総理大臣をリモコンしていることを堂々と誇示していただけまだマシかもしれない。

佐村河内守からは「黒幕」を庇っているかのような気配が感じられたが、週刊文春はそこには突っ込まなかった。一方、理研は早々に幕引きを図り、小保方晴子はついに激しく反発するに至った。これは、朝日の社説が書く通り、第三者が調査すべきだ。

それから、いつか書きたいとずっと思っていたことだが、野依良治という科学者には以前から何かと悪評がつきまとっている。野依の前年、2000年に同じノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士が人格者として尊敬されているのとは対照的に、野依は「ノーベル化学賞も平和賞や経済学賞と同様に『政治力』で獲れることを証明した」などと陰口を叩かれ、当時から悪評ふんぷんだったのである。その後の野依で思い出されるのがスパコンの演算速度世界一達成のための研究費が「事業仕分け」されそうになった時のコメントだが、これにも全く感心しなかった。あの件では蓮舫がさんざん叩かれ、今も蓮舫といえば「2番じゃダメなんですか」という発言が引き合いに出されるが、実は蓮舫と野依の意見の対立に関しては、明らかに蓮舫に分があったのである。ためしに「蓮舫 2番 野依」を検索語にググってみられたい。科学者の多くが「スパコンの演算速度世界一」なんかには何の意味も見出していなかったことがすぐに理解されるであろう。

とにかくこのSTAP細胞の件、いい加減な幕引きで終わらせてはならない。

最後に、同じ朝日新聞2面に浅井文和編集委員が書いたコラム「論文不正疑う声 ネットから拡散」の末尾を引用する。浅井記者は、ネットによる検証の意義を認めつつ、最後に下記のように書いた。

 ただ、ネット上で指摘できるのは画像や文章の酷似など論文の外見でわかる疑問だ。改ざんなどの不正を認定するには大学や研究機関による綿密な調査が必要になる。
朝日新聞 2014年4月2日付2面掲載記事「論文不正疑う声 ネットから拡散」(浅井文和編集委員署名記事)より)

その通りである。小保方晴子がちゃらんぽらんな科学者であり、博士号授与が妥当だったかさえ疑われることはもう十分わかった。もうお腹いっぱいだ。私が知りたいのはそれ以上のことである。