kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ナベツネ最新状況「数十メートルの距離でも歩かせるのは難しい」(週刊ポスト)

プロ野球交流戦で恐れていた事態が起きた。交流戦前、セントラル・リーグ(読売リーグ)で首位を走っていた広島が4勝12敗と失速し(現在6連敗中)、読売が同リーグの首位に立ったのだ。広島は、オリックスソフトバンクパシフィック・リーグ1位2位に8戦全敗。同じ相手と8試合を戦った阪神は3勝5敗、4試合を戦った読売は2勝2敗と、広島のライバル球団もそんなに勝っているわけではないが、広島がひど過ぎた。なお、ヤクルトはオリックスソフトバンクと敵地で4試合を戦って2勝1敗1引き分けと、今のところ勝ち越している(笑)。

交流戦での読売リーグ球団の大失速といえば、2005年の中日と2006年の読売が思い出されるが、今年の広島は、2005年の中日に近い極端な失速で*1交流戦前あれだけ勢いのあったチームとは信じられないほどボロボロの戦いぶりを見せている。2005年の中日は、リーグ戦再開後も勢いを取り戻せず2位に終わったが、広島もリーグ戦再開後立て直せる雰囲気は感じられない。パ・リーグ2強との対戦を終えた今後の交流戦8試合で少しでも挽回しておかなければ、今年もまた読売に優勝をさらわれてしまう恐れが強い。いただけなかったのは開幕戦直前のカープOBたち(たとえば大野豊)のコメントだ。やれカープ交流戦は苦手だ、最初に当たるソフトバンクとは特に相性が悪いなどと、暗示にかけるようなことばかり言っていたら、本当にその通りの結果になってしまった。なお大野豊は選手としては一流だったが、広島の投手コーチとしては結果を出しておらず、指導者としての実績は皆無に近い。

さて、上記は実は前振りで、本題は広島を逆転して首位に立った読売のドン・ナベツネ渡邉恒雄)の話である。昨日発売の『週刊ポスト』を立ち読みしたところ、今年に入ってナベツネの衰えが著しいのだという。

http://m.news-postseven.com/archives/20140609_260047.html

渡辺恒雄氏最新状況「数10mの距離でも歩かせるのは難しい」
2014.06.09 07:00

 6月5日、東京地裁706号法廷。この日、原告側の証人として現われた読売新聞グループ本社会長兼主筆渡辺恒雄氏(88歳)の姿を見た傍聴人に少なからぬ動揺が拡がった。開廷後、数分遅れて杖をつきながら入廷した渡辺氏は、法廷の入口でよろめき、あやうく転倒しそうになるほど足元がおぼつかない。こけた頬が目立つ不機嫌そうな面持ちで、関係者に椅子を引いてもらってやっと証人席に腰を下ろした。

 その後の渡辺氏の挙動に傍聴人は息を飲んだ。法廷の会話が聞き取れないのか、両耳に補聴器を付けようとする。だが、手が震え、何度も機器を床に落としてしまう。そのたびに自分では拾わず、関係者に拾わせる。証人尋問も噛み合わないやりとりが続く。

「清武君は私との日常的な会話まですべて録音し、反逆の材料にした。清武君は卑怯」
「二重人格だ」

 弁護人の質問を無視し、“暴走”して被告を非難し続ける渡辺氏を、たびたび弁護士が「余計な話をしないで」「質問に答えてください」と諭す場面も見られた。しかも、「記憶にない」「場合による」を連発する渡辺氏の声音にかつてのような迫力はなかった──。

 2011年、プロ野球巨人軍の清武英利・元球団代表が渡辺氏の球団人事への「不当介入」を告発したことに端を発した「清武の乱」。騒動の責任を問われ、渡辺氏から球団代表を解任された清武氏は、球団と渡辺氏に対して計6000万円の賠償請求を提訴。それに対し、巨人側も清武氏に1億円を請求する訴訟の応酬になった。この日の公判は清武氏と渡辺氏の「直接対決」として注目された。

ナベツネさんのことだから、東京地裁の表門前で車を降り、報道陣の前を意気揚々と通るパフォーマンスを見せて法廷に乗り込むものと思われていた。だが、実際は建物内の駐車場まで送られ、ほとんど歩かなかった。“よろけて転倒し、骨でも折りかねない。数十メートルの距離でも歩かせるのは難しい”という読売の判断だったようだ」(司法担当記者)

週刊ポスト2014年6月20日

上記は記事のほんの一部である。

2009年の政権交代後、週刊誌を買うことはほとんどなくなったので、上記の記事も立ち読みなのだが、このナベツネの衰退で思い出したのは、16年前、1998年にナベツネ前立腺癌の手術を受けたことだ。ナベツネの野郎、だいぶ前に癌の手術をやったくせに未だにピンピンしてやがるとずっと思っていたのだが、週刊誌に載っていたナベツネの写真を見ると、本当にげっそりやせこけていた。ナベツネもやはり人の子であった。

実は、しばらく前から、もはやナベツネは読売の紙面をコントロールできていないだろうなという印象を持っていた。週刊誌の記事では、読売の論説委員長に、政治部ではなく外報部の出身記者が就任したことを、ナベツネの衰えの表れと見ていた。

また、昨年後半以降、ナベツネ安倍晋三の関係が良くないことも書かれていた。理由は2つあって、ナベツネが反対していた今年4月の消費税率引き上げを安倍晋三が決断したことと、安倍晋三が年末に靖国神社を参拝したことだ。

靖国参拝については、ナベツネは、第1次安倍内閣発足前に、「靖国神社に参拝しないことが安倍政権支持の条件だ」と言って安倍を脅し、それが効いたのか、安倍は第1次内閣時代には一度も靖国を参拝しなかったのだ。私はそれを覚えていたから、当日記には書いたことがなかったかもしれないが、昨年末に安倍が靖国を参拝した時、安倍は中韓アメリカだけでなく、ナベツネの虎の尾を踏んだが、ナベツネはどう出てくるのだろうと思った。

実際、安倍の靖国参拝直後には、読売は安倍を批判する記事を載せたようだが、その後は安倍晋三の足を引っ張るような記事が影を潜めたのを見て、ナベツネの影響力の衰えを感じていたところであった。だから、ナベツネの衰えが著しいと聞いても、やはりそうだったのかという感想だ。

事態は何か、中曽根康弘をコントロールするつもりでいた田中角栄が、1985年に竹下登一派(小沢一郎を含む)の反乱に遭って、やけ酒をあおっているうちにほどなくして倒れ、以後1987年の政権退陣までの間、中曽根のやりたい放題が続いたことを思い出した。その時中曽根と一緒になって自民党政治をコントロールしていたのが、他ならぬナベツネだったのだが、ナベツネのほとんど唯一の取り柄ともいえる靖国批判の脅威も衰え、安倍晋三のやりたい放題はますます続く。今や、前原誠司以下民主党の半分前後の政治家たちも、野党側から安倍晋三に加担しようとしているありさまである。

最後に蛇足。

ナベツネの衰退でもう一つ思い出したのは、星野仙一楽天監督休養である。この件については記事を書く機を逸していた。星野はナベツネに取り入った人間で、ナベツネも星野を気に入っていた。なんでも、星野は胸椎の黄色靱帯骨化症という国指定の難病を患っていて復帰は困難とのことだ。

誰しもいつ重病になるかわからないのだし、ナベツネだろうが星野仙一だろうが、人の病気を喜ぶ趣味はない。星野には、せめて今年楽天を最下位に終わらせるという結果を出すまで監督を続けてもらいたかったが、山井、もとい病がそれを許さなかったようだ。

*1:2005年の中日は、設立初年度の楽天に本拠地で3連敗するなど交流戦で大失速した。「降竜戦」という新聞の見出しが印象に残っている。