kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「江川事件」リターンズ。33年前は読売の横暴に怒り、今回はナベツネの耄碌を嗤うw

「歴史は繰り返す」という言葉を思い出した。


http://mainichi.jp/enta/sports/baseball/pro/news/20111111k0000e050086000c.html

巨人:清武代表が渡辺会長を告発「人事介入は人権侵害」


 プロ野球・巨人の清武英利球団代表兼ゼネラルマネジャー(GM)は11日、文部科学省内で会見し、巨人軍の渡辺恒雄球団会長(読売新聞グループ本社会長・主筆)が球団人事に介入し「球界で生きる選手、コーチ、監督の基本的人権をないがしろにした」として内部告発した。

 清武代表によると、岡崎郁1軍ヘッドコーチとの契約が内定しているにもかかわらず、今月9日、渡辺会長から「1軍ヘッドコーチは江川卓氏とし、岡崎コーチは降格させる」と告げられたという。

 清武氏は会見趣旨を説明する文書の中で「巨人にもコンプライアンス(法令順守)が要求される。それを破るのが、渡辺氏のような最高権力者であっては断じてならない」と痛烈に批判した。

毎日新聞 2011年11月11日 14時19分(最終更新 11月11日 16時06分)


オールドファンなら誰しも、このニュースを知って33年前の「江川事件」を思い出したことだろう。野球協約の抜け穴と称する「空白の一日」を利用して読売が勝手に江川卓投手の入団を発表した件だ。1978年11月21日のことだった。当時大騒ぎになり、読売と江川はさんざんに批判されたが、1か月後にコミッショナーが読売寄りの介入をして、ドラフトで江川を指名した球団と読売との三角トレードを解決案として示した。ドラフトで江川を1位指名してくじ引きに勝ったのは阪神だったが、2リーグ分裂の際にもパシフィックリーグの各球団を裏切って読売側についた阪神は、この時にもそのDNA(笑)を遺憾なく発揮して、三角トレードを拒否するかに見せかけて期限最終日に裏切って阪神・江川と読売・小林繁のトレードを成立させた。当時、読売と江川に加えて、阪神も激しく非難される対象に加わった。

だが、あの件は江川や阪神にも問題はあったが、何といっても諸悪の根源は読売だった。次いで悪質だったのは読売寄りの解決策を提示した日本プロ野球機構のコミッショナーだったといえるだろう。あれは、読売の横暴を非難すべき事件だった。


今回は違う。なんと読売の内紛なのだ。33年前と同様に学生野球選手を囲い込もうとしてドラフトで他球団に指名されたことに怒り狂っている読売球団の代表に「コンプライアンス」などと言われても「お前が言うな」という気もするけれども、その相手がナベツネとくれば、「盗人にも三分の理あり」かなと思ってしまう。

ナベツネが何を考えたかはわかり切っている。2年連続でリーグ優勝を逃して人気も下落の一方である読売球団の人気を盛り返す手段として、テレビ番組で好き勝手なことを言って人気を博している江川を取り込むことを思いついたのだ。

江川自身にとってはいい迷惑だろう。せっかく口八丁手八丁で楽して大儲けさせてもらっているのに、わざわざ読売のコーチなんかになってマスコミやファンの批判を受けたくもあるまい。事実、江川は「読売コーチ就任は難しい」とコメントしている。

今回は、ナベツネの耄碌を嗤うべき事件だったといえよう。まさしく、「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」という諺通りだ。


なお、今回の騒動について、「野ダメ」こと首相・野田佳彦がTPP参加を表明をした日にぶつけて批判を逸らせようとする読売の陰謀だとする「陰謀論」をささやく向きもあるが、「小沢信者」の「陰謀論脳」には呆れて言葉もない。そんなことを言っている暇があったら、小沢がTPPについて態度をはっきりさせないことを批判すべきだろう。