kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

選挙制度も新自由主義も知らなかった「小沢信者」

「小沢信者」の中にも、やっとこさ今頃になって一昨年の醜態を反省した人間がいるようだ。

https://twitter.com/sensouhantai/status/533237715064463360

明月社 山岸飛鳥 No War !
@sensouhantai

2012年選挙のとき、野田民主党憎さのあまり自民党という本当の敵を見失ったことは痛恨の極み。今また、財務省憎さのあまり、新自由主義という本当の敵を見失わないようにしなければならない。

4:39 - 2014年11月14日


ツイートの後半には異論があるが、大半の「信者」が自らの誤りを認めもしないで消えてしまったり、自らの行いを「黒歴史」にしてしまったりしていることを思えば、自らの誤りを認めただけでも評価はできる。

異論というのは、財務省新自由主義というのは必ずしも敵対関係にはないからだ。新自由主義を「市場原理至上主義」として捉えると、それは確かに財務省と敵対関係になるが、新自由主義デヴィッド・ハーヴェイが言うような「階級権力再生のためのプロジェクト」として捉えるなら、財務省こそ新自由主義陣営の筆頭格といえる。

つまり、国債の債権者は、家計でいえば富裕層であり、それよりも圧倒的なシェアを占めるのが機関投資家である。

機関投資家│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券 より

機関投資家 (きかんとうしか)

機関投資家とは、生命保険会社、損害保険会社、信託銀行、普通銀行、信用金庫、年金基金、共済組合、農協、政府系金融機関など、大量の資金を使って株式や債券で運用を行う大口投資家のことをいいます。


つまり、財政再建とは、政府が富裕層や機関投資家からの借金を返すことであって、間違っても不況期にとるべき政策ではない。それは、たとえば80年代後半のバブル期のような時期にとるべき政策であった。しかし、現実に当時の自民党政権(中曽根政権の末期から、特に竹下政権)のやったことは、増えた税収にウハウハしてさらなる「バラマキ」を行い、バブル景気を過熱させることだった。竹下政権(に限らず当時の自民党政権)は、福祉や社会保障に税収を使おうとは全くしなかった一方で、金持ち減税には異様なまでに熱心だった。ハーヴェイの定義に当てはめれば、竹下登小泉純一郎中曽根康弘に一歩も引けを取らない、過激な新自由主義者であったといえる。「金竹小」と呼ばれて金丸信とともに竹下登と一括りにされた小沢一郎は、当時は名実ともに新自由主義の闘士と目されていた。当時の竹下政権の責任が大して追及されないことについて、私は以前から強い不満を持っている。日本の財政危機を招いた元凶(いわばA級戦犯)の一人は竹下登なのだ。

再び日本政府が財政再建に取り組める条件は、景気の回復である。景気を本当に回復させるためには、80年代から現在に至るまでの間に拡大した格差を縮小して、多くの国民が消費できるようにすることが必要不可欠である。しかるに安倍晋三は「株価の投機騰貴は賃金の上昇よりも経済効果が大きい」とほざき、甘利明は「なんとかのミクスの基調が頓挫したということではないが、トリクルダウンがまだ弱い」などと妄言を炸裂させる。安倍晋三甘利明も、ともに度し難い新自由主義者と言うほかない。政権が今の政策を続ける限り、いつまで経っても財政再建に取り組める日は来ない。政策の理念が根本的に間違っているからである。

ここで突然「小沢信者」の勘違いの原点に戻る。つぶやきの主は、「2012年選挙のとき、野田民主党憎さのあまり自民党という本当の敵を見失ったことは痛恨の極み」と言うのだが、これはその頃に彼らの教祖様が言っていた、「選挙になったら、民主党はほぼ全滅する。かといって、自民党過半数を得られない」という予言を盲信してしまったせいだろう。当時、私はこのニセ教祖のトンデモ予言を的確に批判していた。

「マヤ暦」を持ち出した小沢一郎。終末が近いのはあんたの方だ - kojitakenの日記(2012年1月9日)より

 小沢の政局展望もめちゃくちゃだ。

そんな時に選挙になったら、民主党はほぼ全滅ですよ。かといって、自民党過半数を得られない。


 何言ってんだこの馬鹿。今の小選挙区制で民主党がほぼ全滅したら、自民党が前回総選挙の民主党並みに圧勝するに決まってるじゃないか。それとも、「みんなの党」が2003年総選挙における民主党と同程度の議席数を確保するとでも言ってるのだろうか。そうでもなければ「民主党ほぼ全滅」と「自民党過半数確保ならず」という事態は同時には起こり得ない。それとも、「維新の会」の国政進出か何かか?

 ネットのブログ記事などを見ていると、いわゆる「小沢信者」のみならず、必ずしもそうではない人たちも含めて、この「小沢予言」のおかしさを誰も指摘しないが、いったいどうしてなのだろうか。

 一つだけ確かに予言できることは、世界が「カオス」になるよりも先に、こんな支離滅裂な「予言」をする教祖様の方が滅亡してしまうだろうということだ。


この時私が書いたことは、小選挙区制の性質を、先入観なしに考えてみれば誰にだってたどりつける結論に過ぎない。政治経済を勉強している高校生、いや中学校の生徒や小学校高学年の児童にさえわかることではなかろうか。私が人生で最初に小選挙区制について学んだのは、小学校高学年の頃だった。小沢一郎の師匠でもあり、のちに小沢に裏切られた田中角栄の「カクマンダー」が批判され、廃案に追い込まれた時だ。

要するに、小沢一郎は小学生にもわかる大嘘を平然とつき、それに「信者」がまんまと騙されてしまったということだ。いや、小沢一郎本人も自分自身が発した虚言に騙されていたのかもしれない。

「世間の常識は学生・生徒・児童の非常識」なのである。