kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「比例区だから票は分断されない。死に票が増えるというなら、野党統一名簿作りを。」(Twitterより)

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比例区だから票は分断されない。死に票が増えるというなら、野党統一名簿作りを。

無党派層への訴求力のない野党が「票を分断する」とは笑わせる - kojitakenの日記 (id:kojitaken)


そうなんだよね。それに尽きる。

今回の「国民の怒りの声」に対する民進党及び共産党の支持者の反応を見て思ったことは、彼ら、すなわち民進党支持者も共産党支持者も、立憲主義を全然理解していないし、比例代表制小選挙区制に対する優位性も全然理解していない、ということだ。忌憚なく言わせてもらえば、あの支持者にしてこの不人気政党(民進党共産党)ありってことだ。

たとえば私が某所で見た共産党支持者は、小林節は「反米右派」の票をあてにしていると書いていたが、欧州の伝統的な政治哲学に基づく立憲主義と、民族的な情念が先に立つ印象の強い「反米右派」の相性が良いとは私には信じがたい。立憲主義とは欧州で生まれた保守思想だから、相性が良いのは「反米右派」ではなくて「親欧保守」だろう(「米」がついて「親欧米保守」といえるかどうかはやや微妙)。小林節が「反米右派」の票をあてにしていると邪推していることだけでも、件の共産党支持者が立憲主義を全く理解していないことは容易に想像できる。

結局、昨年の「反安保法案」の政治戦において、「立憲主義」は単なるスローガンとして消費されただけだったのだろう。だから、憲法学者や法律家たちが「立憲主義が国民に浸透した」と言って喜んでいたのは、いささか過大評価であって、その実体は、「単なるスローガンとして立憲主義という言葉を知っている」人が増えただけの話ではないかと思う。だから安保法が成立してから時間が経つにつれ、立憲主義に対する人々の関心や言及が急速に減衰していったのだ。

これは何も、比較的最近になって立憲主義を強調するようになった共産党の支持者に限った話ではなく、民主党時代の昔から(たとえば枝野幸男などが)「立憲主義」の言葉を持ち出すことが比較的多かった民進党の支持者についても同じだろうと思う。枝野幸男は以前から立憲主義を意識していたとしても、民主党の支持者の大部分にとっては立憲主義などどうでも良かったに違いない。

実際、民進党支持者の態度は共産党支持者に輪をかけてひどい。私は日頃「日刊ゲンダイ」が大嫌いなのだが、その「ゲンダイ」が珍しく共感できる見出しを掲げていた。

野党に問われる覚悟 小林節氏をピエロにしていいのか|日刊ゲンダイDIGITAL

野党に問われる覚悟 小林節氏をピエロにしていいのか
2016年5月11日

 憲法学者小林節・慶大名誉教授(67)が政治団体「国民怒りの声」を立ち上げることに、民進党が強く反発している。

「安倍政権は世界のどこでも戦争のできる法律を成立させてしまった。立憲主義の危機だ」

 小林教授は記者会見で…

「この記事は会員限定です。日刊ゲンダイDIGITALに会員登録すると続きをお読みいただけます」などと書いてあるが、「渇しても盗泉の水を飲まず」のことわざの教えを守って、登録なんかしてやらないことはいうまでもない。その代わりに、紙面をスキャンしたブログ記事にリンクを張っておく。

小林節をピエロにしていいのか、覚悟が問われる腰抜け野党(民進党)〜日刊ゲンダイ - acaluliaのブログ - Yahoo!ブログ(2016年5月11日)より

民進党は「小沢一郎は嫌いだ」「共産党とは一緒にやれない」「小林節名誉教授は裏切り者だ」などと同じ野党陣営をバカにし、毛嫌いし、少しも歩み寄ろうとしないが...
日刊ゲンダイ)pic.twitter.com/SP5Z4AAFGH

小沢一郎は私も嫌いだし、ブログ記事にスキャンされている「日刊ゲンダイ」の記事でも、小沢に対する相変わらずの過大評価には鼻をつまむ。しかしそれでも同紙の民進党批判の見出しには共感できる。

民進党びいきのブログのコメント欄にも、こんな意見があった。
http://mewrun7.exblog.jp/23651467/

Commented by B4 at 2016-05-10 20:46 x

「国民怒りの声」についてはどのような候補者になるかにかかっていますが、比例代表選への立候補だけといっているので野党共闘を邪魔する方向ではなく、うまくいけば多少は無党派層を掘り起こし参議院選挙の投票率を高め、野党に有利となる可能性がありますね。SEALDsよりは既存の政治を打ち破る可能性を秘めていると思うので、今後の推移を見守りたいと思います。
衆議院の解散については、(今後突発的な大災害が起こらない限り)今月のサミットの状況にもよると思いますが、5月末から6月初旬に消費税増税延期の発表をするか否かで決まると考えています。発表したら解散して衆参同日選挙になるでしょう。「解散のかの字も考えていない」とマスコミに答えること自体がそれを物語っています。(後略)

そうなんだよなあ。宮武嶺さんのブログのコメント欄などを見ていても、こんなのがあった。下記は、共産でも民進でもなく社民か生活の支持者だと思われる。

http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/b179108daa35d851ebbae51be1759451#comment-list

Unknown (ラッキー)
2016-05-09 20:36:53

脱原発を掲げながら、票が割れ、結局、脱原発つぶしの自民党政権になった、2012年12月の衆院選を思い出しました。

比例も、各ブロックごとの上位票なので、結局自民党が一番得をします。

一番影響が出るのが、社民党と、生活の党でしょう。
小政党つぶし。
とにかく、どれか野党から出た方がいい。

いや違うって。産院の比例代表は定数48の全国一区ですよ。
件のコメントに対して、ブログ主の宮武嶺さんが反論している。

潰しが目的ではないと思うんですが (ray miyatake)
2016-05-09 20:45:47

社民と生活はそれでなくても1議席確保も難しいと思うので、参院比例区は怒りの声と統一名簿にしたらいいと思います。


もうそれしかあの2つの政党が生き残る道はないと私も思う。本当は、民主党が維新の党を吸収合併した時、社民や生活も吸収すべきだったと私は思っていたのだが、民主党側の「アレルギー」とやらと、小政党側の変なプライドの両方があって実現しなかった。コアな社民党支持者の中には、多数の改憲勢力と一緒にやってられるかという思いもあるとは思うが、私は2010年の鳩山由紀夫退陣の時の政局で、社民党小沢一郎衛星政党に堕していたのを見て取ったのを機に、社民党を見限った。つまり、社民党はもうずっと前から改憲派小沢一郎出先機関みたいになってたじゃん、それなら統一名簿を拒否する理由なんかないんじゃない、と思うわけだ。また生活に至ってはもともと民主党にいたわけだし、2014年の衆院選では、生活の党の看板では勝てないことを熟知していた小沢一郎が、所属議員を民主党や維新の党に引き取ってもらうべく動いた(小沢は自分自身を民主や維新に売り込もうとはしなかった)、結局民主党鈴木克昌小宮山泰子しか引き取らず、初鹿明博木内孝胤や愛知の極右議員(名前をど忘れした)らは維新の党が引き取った。私の見るところ、あの頃既に小沢一郎は政治生活の幕引きを意識して行動していたが、配下の議員や支持者の中にはなお負けるに決まっている戦い(いわゆる「玉砕」というやつ)をやりたがる人間が多かったし、それには「撃ちてし止まんなんてバカバカしいじゃん」と私は思ったけれども、生活側に玉砕指向の者が多かったばかりではなく、民主党側も彼らに対してつれない対応をした。つまりどの政治勢力も、反安倍、反自民の力を合わせるという発想は持たずにきた。それでいて新規の勢力が参入しようとすると「票が割れる」「票が逃げる」などと言い出す。参入者が「死に票」をなくすべく、「統一名簿方式」の提案をしており、かつ選挙区では「野党共闘」のあと押しをしてくれるというのに。みんな、その反応はあまりに後ろ向きに過ぎるのではないかと、声を大にして言いたい。

小林節は、「統一名簿方式」が理解されないと言ったが、それは取りも直さず比例代表制小選挙区制に対する優位性が理解されていないことを意味する。投票率を考慮すれば、有権者の1コンマ何パーセントの票を獲得すれば1議席を獲得できる。前回の参院選では、生活の党と緑の党が統一名簿を作っていれば1議席を獲得できたところだ。生活の党と社民党が統一名簿に加わり、それに在野の訴求力のある候補が加われば、数議席を獲得できるかもしれない。統一名簿に尻込みする向きは、それを「票を福島瑞穂や(今回も出馬するのか、それさえはっきりしていないが)谷亮子やその他の有名人にとられてしまうから嫌だ」などと後ろ向きに考えるのかもしれないけれど、「福島瑞穂(や谷亮子ら)の個人票に加えて社民や生活の支持者に回してもらった票で当選できるかもしれない」となぜ前向きに考えないのだろうか。私は小沢一郎は相変わらず嫌いだし、2010年にその小沢の衛星政党と化していた時点で見限った社民党をいまだ再評価していないけれども、両党が統一名簿に加わって、小林節が投じた起爆剤を活かしていく道を模索すべきだと強く訴える今日この頃なのである。