kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

またまた小池百合子と小池を増長させた有象無象について

「玄関開けたら」 - Living, Loving, Thinking, Again(2016年8月4日)経由で知った記事から。

小池百合子に関して、都知事選の少し前に増田寛也を「ほとばしる無能」とこき下ろした保守・新自由主義系の「アルファブロガー山本一郎氏が、小池百合子の極右ぶりを批判する記事を書いている。以下、「訂正とお詫び」及びその原因をなった部分を削除して引用する。

小池百合子「都庁に着いたら5分で極右」の衝撃(訂正とお詫びあり)(山本一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

小池百合子「都庁に着いたら5分で極右」の衝撃(訂正とお詫びあり)
山本一郎 | 個人投資家・ブロガー
2016年8月3日 13時55分配信


山本一郎です。朝からアイスコーヒー飲み過ぎてゲリラ豪雨気味です。

ところで、大都知事選を勝利して昨日初登庁だった小池百合子女史、どうも手荒な歓迎を受けたようです。

小池百合子知事の初登庁も、都議会自民党らが通例を破ってまさかの「出迎え拒否」!(おときた駿 16/8/2)

小池都知事、改革本部設置を表明 五輪費用検証へ共同通信 16/8/2)

小池氏あいさつ回り 自民はドン不在…わずか30秒スポーツニッポン 16/8/3)

小池百合子氏が都庁に初登庁 千人の職員、拍手で出迎え グリーンの服を着た支持者も 午後に会見や幹部会議産経新聞 16/8/2)

ザ・大本営の地位を確立した産経新聞が2日朝に報じた内容と、自称「スキャンダル男」であり「トラブルメーカー」であり「炎上芸人」である小池百合子陣営の秘蔵っ子音喜多駿さん(北区)の記事の間にずいぶんな落差が感じられるわけですが、関係者筋からは小池百合子女史は「日本会議方面の関係は解消する」「サイエントロジーその他、問題となっている関係先とのお付き合いは見合わせる」という軌道修正をしつつ、官邸からの自由民主党との関係改善の橋渡しには応じる雰囲気もあるため、この手の対決姿勢を見せ付けるような茶番がどこまで続くのかは興味深く見守っていきたいとは思っていたところでした。

ところが、就任当初はおとなしくしているであろうと見込んでいた小池百合子女史のバランス感覚に荘厳な疑問符を投げかける事案が出来し、困惑を隠せません。どういうことなの…

小池都知事の特別秘書に元都議時事通信 16/8/2)

小池知事 特別秘書に野田氏を任命 /東京毎日新聞 16/8/3)

最初、一報で出た「政務担当特別秘書に野田数元都議が就任」というニュースを見て、目を疑った人たちも多かったと思いますが、その後、大手全国紙も報じたため、これはもう大川隆法さんにいかりや長介を呼び出していただいて「だめだこりゃ」と宣言を賜る必要があるぐらいの衝撃が広がりました。

というのも、この野田数さん、もともとは小池百合子女史と関係が深い、まあ簡単にいってしまえばカバン持ち的な方だったんですけれども、要するに極右の民族主義者で、石原慎太郎都知事から政治的安定性を抜いて煮詰めたようなウルトラナショナリスト的言動を繰り返してこられた方です。もちろん、世に出るためにある程度派手なことをいい、耳目を惹くことは手法としてあり得ることですが、野田さんの場合は都議時代に石原慎太郎さんの手がけた尖閣諸島買取基金問題に絡んで結成された、いわゆる「尖閣議連」の急先鋒だった御仁であります。

その野田数さんは、自民党から離党した後、結成した東京都議会新会派「東京維新の会」として、都議会で現行の日本国憲法を無効とし、戦前の「大日本帝国憲法」の復活を求めるという香ばしいの請願を代表として率先して賛成し、振り切れた民族主義っぷりを披露し話題になっておりました。

請願 番号24 件名第8号 「日本国憲法」(占領憲法)と「皇室典範」(占領典範)に関する請願しんぶん赤旗

南出喜久治国体護持塾長(京都市)らが12年6月に都議会に提出した「我々臣民としては、国民主権という傲慢(ごうまん)な思想を直ちに放棄」して、日本国憲法を無効とし、大日本帝国憲法は現存するとの都議会決議を求める請願は、10月4日の都議会本会議で、東京維新の野田数(かずさ)都議が紹介議員になり、一人会派・平成維新の会土屋敬之議員と東京維新の3人(民主党を離党した栗下善行・柳ヶ瀬裕文両都議と自民党を離党した野田数都議の3人、2012年9月に東京都議会に新会派「東京維新の会」として設立)が賛成したのみで、民主党自民党公明党日本共産党生活者ネット・みらいなどの反対で不採択となった。

その後、連携していた大阪維新の会橋下徹さんに途中で「大日本帝国憲法の復活なんて一部の特定のマニアの中だけでやっておく話だ」と梯子を外され、真っ逆さまに落ちて都議選でも落選した野田数さんですが、さすがにちょっといわくつきの人物すぎて、まさかこういう形で政治の表舞台に帰ってこられるとは思ってもいませんでした。

まあ、民主主義の世の中ですし、ダイバーシティ的な多様性の中でこのような極右で民族主義的な言説も自身の責任の範囲内で一定の幅で許容されるとは思いますが、ここで政務担当特別秘書とかいう都知事ダイレクトの要職で起用されるとなると、例えば警視庁で外国人犯罪の問題について都知事の政見を確認するとき間に挟まった政務秘書が素敵な対応をされる可能性も考えられます。

その野田数さんは、日本有数の高品質時事問題取扱週刊誌である週刊プレイボーイのインタビューで、次のようなお話をされております。

民主が中国寄り、自民が韓国・北朝鮮寄りな理由とは?週刊プレイボーイ 12/9/13)

自民党の正体は、保守の皮を被った“偽装保守政党”なんですよ。そもそも、領土問題を放置し続けてきたのは自民党政権です。私は以前に都議会で、拉致問題が解決していないのだから朝鮮学校への補助金は凍結すべきと主張しました。その際も自民党から妨害を受けました。さらに都立高校の自虐的で反日的な内容の歴史教材を変えるための活動にも圧力がかかりました」(野田氏)

久しぶりに野田数さんの芸術作品を読んでいて鼻水が出てしまったわけですが、プレジデントでも尖閣諸島問題に関する石原慎太郎都知事(当時)のインタビューでダイナミックな表現力をいかんなく発揮。まあ、要するにそういう人なわけです。

石原慎太郎都知事 独占インタビュー  尖閣侵犯再び!「日本は戦争の覚悟を示せ」(プレジデント 12/9/17)

少なくとも、増田寛也さんや、鳥越俊太郎さんといった候補者よりは、バランス感覚の取れた、国政も見てきて政治の世界を熟知した女性であると見込んで都知事に投票してみたところ、いきなり人事で極右を起用とかマジでドン引きであります。大丈夫なのでありましょうか。有象無象というレベルではなく、明らかに間違ったメッセージを各方面に熨斗つけてご送達申し上げる事案です。ヤバいと思います。

50億かけて都知事選びなおしたのに、ケチな寸借詐欺気味のハゲをどけてみたら側近人事で民族主義者が出てくるなんて悲しすぎるじゃないですか。都民である私たちが可哀想。あんまりだあんまりだ。玄関でた直後にドブに落ちるとか、そういうレベルですよこれは。助けて。

東京03のコントじゃないですが「ちょうどいい奴いねえのか!!」という気持ちでいっぱいです。

また年内に都知事選とかほんとやめて欲しいので、みんなもっと冷静に、うまく立ち回って、健全で安定した都政を目指して取り組んでいただきたいと願う次第であります。

増田寛也さんや、鳥越俊太郎さんといった候補者よりは、バランス感覚の取れた、国政も見てきて政治の世界を熟知した女性であると見込んで都知事に投票してみたところ」って山本一郎氏ご自身の話ですかね。だとしたら、あまりにも軽率。小池百合子が極右である証拠など、私でも山ほど実例を知っていたわけだから「アルファブロガー」の山本氏がそれらの情報を知らなかったはずはないのだから。

とはいえ、もともと保守であり、新自由主義という方向性に関しては小池百合子とマッチングしている山本氏なら止むを得ないかもしれない。むしろ極右ぶり満開の小池の危険性に気づいて警鐘を発したことは、氏の立ち位置を考えればそれなりに評価すべきかもしれないとも思う。

問題は、左翼・左派・リベラル方面で、小池百合子に投票したり、そこまで行かずとも「小池氏は支持しないし鳥越氏に投票したけれども、増田氏も(鳥越氏ほどではないが)惨敗して石原伸晃が赤っ恥をかかされた、ざまあ」などと言っている向きにある。彼らとて、もともと軽薄な小物に過ぎない石原伸晃をあざ笑っている場合ではないことをいい加減痛感しているのではないかと想像はするが。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160803/1470180667#c1470285805

id:kemou 2016/08/04 13:43

>前回の都知事選で宇都宮健児に投票した人は、同じ共同通信の調査で29%が小池百合子に投票している。

絶句するような数字ですね。ただ、このゾッとするような数字で覆い隠されていますが、「共産党支持者の17%、社民党支持者の18%がそれぞれ小池百合子に投票」なども大概酷いと思います。

出口調査の数字ではっきりと見て取れるのが、民進・共産などの野党支持者のどの層も小池>>増田となっている点ですが、ここから野党支持者が昔からずっと抱えている根源的な問題も見えてきますね。「自民党の看板さえ背負ってなければ、たとえ政策的には自分の理想と著しく遠い候補者でも平気で投票対象にしてしまう」、こうした悪癖の積み重ねが左派を自壊させてきた側面も大いにあったでしょう。その思想や政策を見れば、小池なんて増田よりも遥かに酷いわけですから。大阪における維新の伸長だって、そうした経緯で野党支持層が流れ込むことで生まれた面は間違いなくあったでしょうし、左派・リベラル寄りの人間がそうしたことをくり返してしまう限り、社会はどんどん右側に寄っていくことでしょう。綱引きで右側に引っ張られる前に、自分達から右側にホイホイと寄って行ってしまうのですから。


また、同じkemouさんのコメントから、この日記に引用した『日本がアブナイ!』の文章*1について。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160802/1470092664#c1470287090

kemou 2016/08/04 14:04

>東京都連が推薦して全力で支援して来た候補が敗れたこと自体には、
>かなり喜びを覚えているところがあって。(ざまあ、と申しましょうか?)

愚かとしか言いようがないですね。自身のブログで維新と小池の類似性を指摘しておきながら、このようなことを書けてしまう神経が理解できません。

例のブログ主は小池と東京自民が喧嘩することを暗に望んでいる節がありますが、もし本当に小池と東京自民が喧嘩を続け、小池がそこで一定の支持を得た場合、その先に何があるかを考えてないのでしょうね。そこにあるのは東京の大阪化でしかないのですけどね。

大阪は維新が権力が持っていること自体も悲惨ではありますが、それ以上に政治の選択肢が「維新か自民か」の二択になってしまったことが悲惨なのですよね。自民と喧嘩する政党として維新がアピールをするほどに民進党支持者などの非自民支持層が維新になだれこみ、一方で維新に対抗するために他の野党も自民を支援することで「維新か自民か」の二極化が進んで、多少なりとも左派色のある勢力が弱体化していく、小池が東京自民と喧嘩をすればするほど、この状態へと少しずつ近づいていくのであって、そのことに対する危機感が例のブログ主に微塵もないというのが信じられません。反維新という視点で見ると大阪自民にシンパシーを多少なりとも持ってしまいますが、大阪自民だって所詮は自民でしかないのですから。

今の大阪の地方議会の勢力図を一度見てみればいいのです。大阪府議会は共産3、民進1で他は全て維新・自民・公明、大阪市議会は共産が9でそこそこ確保しているものの民進は0です。「非自民右翼」の伸長が何よりもたらすものは自民の崩壊などではなく、左派勢力の崩壊ですからね。

まあ、2013年頃には「立憲主義を理解している橋下くんを『アブナイ自民党改憲案』」を批判する勢力として活用したい、とかなんかおっしゃっていたことのあるお方ですから。

ただ、何度も書くように、2005年の小泉郵政選挙に危機感を持って選挙の4日後にブログを始めた(これは大いに評価すべきだと思う。私も小泉郵政選挙には危機感を持ったが、ブログの開設は翌2006年4月、ブログで政治について書き始めたのは2006年6月だった)ほどの人でも、このていたらくになってしまうのか、と暗澹たる気持ちにはなります。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160804/1470265502#c1470316872

id:axfxzo 2016/08/04 22:21

タブロイドなんて何割引きして読まないと…とはいえ、過去形で示していたので。
寝ようと思ってこれだもんね(笑)。
小池百合子が特別秘書官に筋金入りどころではない極右を登用。
数年前に、東京維新の会なる紛いものの右翼がいたが、あの大日本帝国憲法を復活させようと都議会で唱えた奴を特別秘書官にすえたとのことだ。バイ、ニッカンゲンダイ

…さすがはダイバーシティー(笑)。
活力あるぜ!
てか、これでベルリンオリンピックリターンズってか?
都議会のドン爺が気にくわないとか
マスコミさんよ、話を逸らすのか?
平和の祭典、ジエンド(笑)。
大日本帝国憲法を復活とか叫んで全都議会党派から拒否られた奴をって
…。
憲法なんて都政に関係ないとか、さんざん鳥越陣営をバカにしていた奴等に言ってやりたい。
早速、関係ないとか言っていた小池百合子側が、憲法破壊活動をやり始めたじゃんよ。どーこーが、無関係だって!

この「都議会のドン爺」内田氏でしたっけ。小泉郵政選挙の頃でいえば「抵抗勢力!」ってことなんでしょうね。「都議会のドン」内田氏と「戦う」小池百合子に拍手喝采するのって、「抵抗勢力」と「戦う」小泉純一郎に拍手喝采するのとどこが違うのかさっぱりわかりません。

かつて「リベラル」は小泉純一郎に叩きのめされた「抵抗勢力」のうち、こともあろうに平沼赳夫城内実といった極右を「『右』も『左』もない」とかいうスローガンを掲げながら応援した過去もありますが、まさか城内や平沼が自民党に復党した反省から「抵抗勢力」叩きに再び身をやつすようになったのか、と言えばあまりに意地悪過ぎるんでしょうかね。

などなど、結局8月第1週はろくでもない小池百合子の話題に埋め尽くされて終わってしまった。

やっぱり「踏ん張れ舛添!」と俺が書いたのは正しかっただろ?、と最後っ屁を放つ今日この頃なのであった。