今朝(5/27)の朝日新聞オピニオン面に掲載されている豊永郁子の「政治季評」は良い文章だ。
朝日はこれを有料記事にしている。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12958132.html
(政治季評)世代交代とイデオロギー教育 独裁制への変化は唐突に 豊永郁子
2017年5月27日05時00分
森友学園問題について考えた。これは政治家の口利きで政府が一民間事業者に国有地の払い下げについて利便をはかるという、よくある政官民癒着の話ではないか。だが、それだけでは割り切れない何かを感じた人が多かったのだろう。首相夫人の関与に世間の注目が集まり、夫人が公人か私人かという論点が国会で大真面目に論じ…
(朝日新聞デジタルより)
以下は有料記事なので、引用ではなく要点を箇条書きにする(括弧内はコラムを読んで私が連想したこと)。
- 森友学園の異様さは、業者から政治家への見返りが金銭ではなく個人崇拝だったことだ(テレビで映像が流された塚本幼稚園の「安倍首相、頑張れ」の異様さを想起せよ)。
- 世代交代は油断がならない(10年前にあれほど日本国民に馬鹿にされた安倍晋三が、今や加計学園問題が噴出したあとの朝日新聞の世論調査(5/24,25)でもわずか1ポイントの支持率低下の47%もの内閣支持率がある)。
- 政治体制の変化は唐突だ。民主制があっという間に独裁制へと変わる可能性に注意した方が良い。
豊永氏のコラムは、最後の部分のみ同意できなかった。なぜなら、日本では民主主義はもはや機能しておらず、いま見る安倍晋三の政治は「独裁制」そのものだと私はみなしているからだ。つまり、「変わる可能性」などではなく、既に変わってしまっている。同意できなかったというのはそういう意味だ。
それ以外は本当にその通りだと思った。かつて教育の重要性を指摘したのは森嶋通夫であって、この日記にも取り上げたことがある。今の極右政治家たちの考え方や行動様式にも「戦後教育」が反映されている。しかし、これからは「育鵬社」だかの極右教科書を学んだ生徒たちが次々と成人してくる。現に、世論調査でも若い世代ほど自民党や安倍晋三に対する支持が多く、安倍支持はすっかり「岩盤」と化してしまった。今後、一見リベラルな主張をする若者の中にも、育鵬社の教科書の悪影響が残っている例が見られるようになる可能性が高い。
もう今は「独裁制」の真っ只中であって、「崩壊の時代」は既に5年目に入っている。既に垂れ流されたその害毒だけでも、今後の日本に与えるであろうダメージは決して小さくない。