kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

共同通信調査で安倍内閣支持率が42%に上昇(怒)

共同通信調査で安倍内閣の支持率が上昇してしまった。

https://this.kiji.is/353080549101028449

「佐川氏証言納得できず」72%
内閣支持42%、共同世論調査

 共同通信社が3月31日、4月1日の両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で証人喚問を受けた佐川宣寿前国税庁長官の証言に関し「納得できない」との回答が72.6%に上った。納得できるは19.5%。改ざん問題で「安倍晋三首相に責任があると思う」は65.0%で、3月17、18両日の前回調査(66.1%)と横ばい。内閣支持率は42.4%で、前回から3.7ポイント増。不支持は47.5%で、支持を上回る逆転状態は続いた。

 森友問題に絡み、改ざんについて「首相に責任はない」は27.5%だった。

共同通信 2018/4/1 17:03)


共同通信の前回調査が3月17,18日であることに注目されたい。

というのは、読売新聞の世論調査では安倍内閣支持率は下がっているからだ。但し、読売と共同とでは前回の調査日が違う。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180401-OYT1T50094.html

内閣支持42%、不支持50%…読売世論調査

 読売新聞社は3月31日〜4月1日、全国世論調査を実施した。

 内閣支持率は42%となり、前回調査(3月9〜11日)の48%から6ポイント低下し、2回連続で下落した。不支持率は50%(前回42%)に上がり、支持率と逆転した。不支持率が支持率を上回るのは、昨年10月の衆院選公示直前(7〜8日)以来だ。

 今回調査は、学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書改ざんを巡る佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問と、2018年度予算成立を受けて実施した。内閣支持率は改ざんが表面化する前の2月10〜11日調査(54%)と比べると12ポイント下がった。2012年12月の第2次安倍内閣発足以降で最低だった昨年7月調査の36%よりは高いが、不支持の理由では「首相が信頼できない」が54%に上り、昨年8月と並んで第2次内閣以降で最高だった。

(読売新聞 2018年04月02日 06時00分)


共同通信と読売新聞の調査の結果は一件相反するように見えるが、3月9〜11日と17,18日との間に何があったかを思い出せば、その理由は簡単にわかる。

3月12日に、財務省森友学園問題に関する公文書の改竄*1を認めたのだ。改竄前の文書には安倍昭恵の実名まで記されており、こんなにひどいとは、と多くの人が呆れたために内閣支持率が急落した。

読売の前回調査は、この公文書改竄の詳細が明らかになる前であり、共同の前回調査は明らかになったあとだった。つまり、安倍内閣は一度急落したあと、佐川宣寿の証人喚問における野党の無策や、その後またぞろ民進党希望の党とが合併への妄動を再開するなどしたので、そんな野党に比べればまだ安倍政権の方がましだとばかり、一部の人たちが政権支持に戻ってしまったのだ。

野党、とりわけ民進党希望の党の責任はきわめて重い。希望の党は論外だが、民進党大塚耕平増子輝彦は何をやっているのか。この2人を筆頭とする民進党は、常に安倍政権をアシストすることしかやっていないように私には見える。小池百合子前原誠司とをくっつけようとした妄動の責任を未だにとっていない小沢一郎とその配下の自由党ともども、腹が立ってならない。希望の党は最初から敵方だが、民進党自由党こそ安倍政権の補完勢力そのものだ。

さて、世論調査の精緻な分析に定評のあるはる氏が、安倍内閣不支持層が岩盤化してきたとの興味深い指摘をしている。

https://note.mu/miraisyakai/n/n1d2c33259d68(2018年3月30日)

上記リンク先の記事から、その結論部分だけを以下に引用する。

固い内閣不支持層の形成

以上で見てきた日テレ、読売、朝日によるいずれの調査でも、2017年8月までの数か月間で内閣不支持率の理由別構成が大きく変わっていたことがわかりました。

ご存知の通り、この時期には森友学園加計学園が大きな問題として持ち上がっていました。組織的犯罪処罰法改正案の国会審議と採決、自衛隊のPKO日報問題、豊田議員による暴行の報道、都議選での安倍首相の「こんな人たち」発言や自民党の敗北なども同時期におきています。

こういった状況の中で不支持率が上昇していったことについて、よく失言やスキャンダルをマスコミが取り上げたからだという説明がされます。しかし単なる失言やスキャンダルのせいにするのも報道におしつけるのも一面的でしかなく、実際は「問題そのもの」と「問題に向き合う安倍政権の姿勢」の両方が不支持率を上昇させ続けることになったのではないでしょうか。その問題と向き合うべき安倍首相の姿勢に批判の目が向いたからこそ、不支持率にしめる首相の人柄や信頼の割合がこんなにも増えたのではないでしょうか。

この時期、固い政権批判層が急激に形成されたとみて良いと思われます。そしてこのとき跳ね上がった「人柄」を理由とする不支持層は、その後も解消されずに段差として残ることになったのです。

(はる/みらい選挙プロジェクト「去年の夏、内閣不支持層に激変があった」 2018/03/30 19:39 より)


この分析には強い説得力がある。

しかし、その一方で、2009〜12年の民主党政権の失敗、特に東日本大震災/東電原発事故そっちのけの激しい党内抗争をきっかけに、当時の民主党やその流れを汲む諸政党や諸勢力(民進党希望の党立憲民主党自由党、連合など)に対する不信も岩盤化してきたし、安倍政権が5年も続いているのでその支持層もまた岩盤化してきたことも忘れてはならない。

つまり、政権支持層、政権不支持層とも岩盤化しつつあり、前者の中には政権交代のあった2009年頃には民主党に期待したものの裏切られた思いから今では安倍政権支持層になってしまった人たちが、牡蠣のように岩(安倍政権や自民党)にこびりついてしまっているように私には見えるのだ。たとえば、共同通信の調査で

森友問題に絡み、改ざんについて「首相に責任はない」は27.5%だった。

と答えているのは岩盤化した支持層だろう。その数字(およそ3割)が岩盤化した支持層を表している。これまでの内閣支持率を思い出しても、下がっても3割を少し切る程度だった*2

政権支持層、不支持層ともに岩盤化しつつあるのなら、内閣支持率の変動は小さくあってしかるべきだと思われる。実際、支持率がとんでもない高さから急落した鳩山内閣菅内閣のような現象は見られていない。しかしその一方で支持率の変動は、ある決まった範囲内ではあるが結構激しい。それは、支持層、不支持層がともに岩盤化し、強い信念を持って政権を支持または不支持しているために、その間にいる動きやすい人たちが、より説得力のある方に引っ張られやすくなっているからではないか。

よく用いられる言葉で言えば、「分断」が進んでいるともいえる。

それだけに、ちょっと証人喚問で無策を露呈したり、野党第一党の座を狙って野合を策動したりしただけで、てきめんに内閣支持率が跳ね上がるのだ。先週の民進党希望の党の動きはその典型的な例だし、立憲民主党にしても代表の枝野幸男は例によって野合に加わる意思がないことを明言したものの、構成議員の中には再結集志向の者がいるなど信頼できる政党とは到底いえない*3

「崩壊の時代」は簡単には終わらない、と思い知らされた新年度のスタートなのだった。

*1:当初財務省は「書き換え」と言っていたが、実際には「改竄」そのものだった。安倍晋三が国会の答弁で「改竄」との表現を用いるようになると、慌てて「書き換え」と書き続けていた保守系メディアも「改ざん」と書くようになった。

*2:今回はもう少し下がってくれるかと期待したが、どうやら甘かったようだ。

*3:私自身の感想を言えば、それ以前に蓮舫山尾志桜里なんかを入党させた時点で、立憲民主党に対する懐疑心が強くなってしまっているが。