仄聞するところによると、大阪の寝屋川市議選、同守口市議選と東京の江東区議選が、日本共産党の凋落が特に顕著だった選挙だったようだ。江東区議選の場合、共産党は現職の7議席に対して1議席増の8議席を獲得可能と考えて8人の候補を立てたところ、5人が落選してわずか3議席獲得にとどまり、区議会での勢力が半分未満になった。自党の党勢を過大評価して自滅したとしかいいようがない。もちろん最初から1議席減の6候補を立てていれば1議席減で済んだところだろう。
大阪の守口市議選では4議席からわずか1議席に転落、寝屋川市議選では5議席から2議席に議席を減らしたが、これも党勢の衰退をきっちり把握して候補を1人ずつ減らしていれば、それぞれ1議席減で済ませることができたと思われる。
ところで、寝屋川といえば大阪12区に含まれることは皆様お気づきだろう。そう、あの「小沢と共産との共闘」に共産党支持層の少なくない割合の人たちが逃げ出してしまった衆院補選の選挙区だ。あの補選での執行部の動きが寝屋川市議選での共産党候補の得票に悪影響を与えた可能性がある。しかし同党執行部は補選で示された民意を直視するつもりは全くないようだ。
「小沢と共産との共闘」といえば、今回の東京・板橋区議選に立候補せず引退した松崎いたる区議(元共産党→無所属)が下記のツイートを発信していた。
偏見ではなく私が実際に経験した事実です。共産党はナノ銀除染というニセ科学を政策化してしまった自由党と連携するために、科学的事実を無視してしまいました。ナノ銀除染を批判した、当時現職の党議員だった私まで除籍して追放しました。科学の真実より政治的思惑を優先したのです。
— 松崎いたる・板橋区 (@itallmatuzaki) April 24, 2019
これは「ナノ純銀除染」なるニセ科学の信者である平野貞夫という小沢一郎の側近の圧力に共産党が屈した恥ずべき一件のことだ。これでは党勢が衰退するのも当たり前だ。なお自由党は今回の統一地方選で1議席も得られなかったので、もはやこれ以上衰退しようもない。そんな泡沫政党の党首に引きずり回される日本共産党執行部は誰がどう考えても異常の一語に尽きる。
党員は民主集中制の縛りによって表立って批判できないから、選挙に棄権したり、皮肉あるいは執行部への抗議を込めてでなければ投票できなかったであろう新自由主義系右派の無所属候補者(樽床伸二)に投票するなどして意思表示をするしかない。ここは党籍を持たない支持者たちに声を挙げてもらいたいと思うが、下記の一連のツイートはその好例だ。こういう発言をする人たちがもっともっと増えてほしい。
2014年衆議院選 吉井芳子 (共産)立候補者4人 得票率10.61%
— tonton42 (@ton_ton_42) April 23, 2019
2017年衆議院選 松尾正利 (共産)立候補者3人 得票率14.4%
2019年衆院補選 宮本岳志 (共闘)立候補者4人 得票率 8.9%
立候補者数の違いを考慮しなければならないが、「共闘」したら1+1が1未満になっちゃったという結論にはなるだろう。
さて、そもそも「共闘」しなければならない要因は、今の選挙制度が悪いからである。普通なら比例代表制を中心とした選挙制度見直しの議論が起こってもおかしくなかった。ところが「共闘」の主導者には、小選挙区制推進者の小沢一郎氏や山口二郎氏がいる。この辺りと関係を断つことが求められるだろう。
— tonton42 (@ton_ton_42) April 23, 2019
そう、共産党は小沢一郎らとの腐れ縁を断ち切り、仮に「共闘」を継続するにしても選挙制度の再改変を目標の一つに織り込んだあり方を追求しなければならないのだ。