kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

安倍晋三が天皇に「内奏」した映像が公開された(怒)

 先日(5/14)、安倍晋三天皇に「内奏」を行った映像が公開された。

 

 

 過去に公開された例は、前天皇明仁時代の2013年にあった。第2次安倍内閣時代のことだ。

 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019051500947&g=pol

 

内奏公開に疑問の声=「政治利用」批判も-野党

2019年05月15日16時33分

 天皇陛下に対する安倍晋三首相の内奏の様子が公開されたことについて、野党側から15日、疑問を呈する声が相次いだ。異例の対応とあって、国民民主党宮内庁の担当者を国会に呼び、「天皇の政治利用」に当たらないかただした。

 内奏は首相らが国政の課題などについて説明するもの。陛下は14日に皇居で、即位後初めて首相の内奏を受けられたが、宮内庁はこの際の写真や映像を公開した。内奏の様子が明らかにされたのは2013年に続き2回目。

 国民民主の玉木雄一郎代表は15日の記者会見で、「どういう経緯で出したのか、首相官邸の指示だったのか、説明責任を果たさないと『政治利用』の批判は免れない」と指摘。共産党穀田恵二国対委員長は会見で「ああいうやり方は政治利用で、許されざることだ」と批判した。

 一方、国民民主による聴取の場に出席した宮内庁の担当者は「官邸の指示」を否定。「陛下の国事行為を広く知ってもらう広報活動の一環だ」と説明した。

 

時事通信より)

 

 玉木雄一郎憲法記念日護憲派集会で元号を使って発言し、「レイワって言うな」との野次を浴びたそうだが、同じ国民民主党でも小沢一郎は何かコメントしたのだろうか。新元号が発表されるや、発足させた自らの政治団体元号名を冠した山本太郎など、むろんコメントするはずもない。また立憲民主党枝野幸男も何かコメントしたのだろうか。なぜ共産党志位和夫ではなく穀田恵二がコメントしたのか。等々、疑問は尽きない。

 それもこれも、前の元号の30年間で保守層のみならず「リベラル」層にまで天皇の神格化が進んで、天皇天皇制に対する批判が忌避されるようになった(タブー化した)悪しき風潮の反映なのではないか。

 なお前天皇も、即日公開ではなかったらしいが内奏の公開を許したことは世の人々に正しく認識されるべきだろう。一部で現天皇を批判する人々にあってさえ前天皇を神棚に祭ってしまうとんでもない傾向があるので、これを批判しておく。具体的に例を挙げれば、「世に倦む日日」氏の言説などがその最たるものだ。

 それから穀田恵二本人の発言なのか毎日新聞記者が天皇に敬意を表して書いたのかはわからないが、毎日新聞の記事*1によれば、穀田恵二は「天皇代わられた段階で、このように示すやり方は政治利用ではないか」と言ったという。敬語を使ったのが穀田恵二自身であれば、これも批判されるべきだ。一般的な話ではなく、天皇制の強化につながることだから、敬語など用いるべきではない。

 なお、田中角栄政権時代の1973年に当時の防衛庁長官・増原敬吉が昭和天皇への「内奏」の内容を漏らして批判され、辞任に追い込まれたことがあった。私は当時小学生だったが新聞記事を読んだ記憶があるし、のちに1978年頃に高校の政治経済の授業で教師が取り上げて批判していたため、この件は強く印象づけられた。しかし、今回の安倍晋三の「内奏」公開を検索記事で目についたのは、下記4月8日付の日経新聞記事くらいのもので、朝日だの毎日だの中日(東京新聞)だの、先日「仁徳天皇陵」と書いた記事を配信した共同通信(最近はこの会社の右傾化が著しいのではないかと警戒する機会が多い)だのは記事を出したんだろうかと訝る。それらの新聞社や通信社が記事にしていたのであれば「ごめんなさい」と謝るほかないけれども。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43474390Y9A400C1PP8000/

 

内奏とは

2019/4/8 19:30

 

▼内奏 国務大臣天皇陛下に国内外の情勢などを報告すること。対象はあくまでも天皇陛下で、皇太子さまへの報告は内奏と呼ばない。皇居内の宮殿の一室を使い、陛下に仕える侍従らは同席しない。

内奏の内容の公開は「天皇の政治利用につながる」との懸念があるため、首相や閣僚は口外しないのが原則だ。1973年には当時の増原恵吉防衛庁長官昭和天皇への内奏の内容を漏らしたことの責任を問われ、辞任に追い込まれた。

 

日本経済新聞より)

 

 

天皇が代わられた段階で、このように示すやり方は政治利用ではないか