kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「MMTの論客」であるらしい池戸万作の2次元ダイアグラムは理解不能

 池戸万作と名乗る人がいて、山本太郎に影響を与えたとかいないとかいう話を聞いたのは先月だったが(そもそもこの人のTwitterサイトが開設されたのは先月のようだ)、この人のツイートを見てぶっ飛んでしまった。

 

 

 上記ツイートに示された2次元ダイアグラムで、左上が「緊縮リベラル派」の括りにされていて、そのすぐ下に「北欧至上主義者 高福祉高負担社会」とある。

 ここがそもそも理解不能だ。

 私はずっとこの日記で、「『緊縮』って『緊縮財政』の略語だよね?」と書いてきた。それへの反応はほとんどいただいていないが、要するにこの主張に対する反論は全くいただいていないということだ。「反論がなければ合意」だと私は勝手に考えている。

 しかるに池戸万作は「高福祉」は「緊縮」なのだという。「高福祉」社会では、福祉や社会保障への政府支出が増えるから、私の理解によればそれは「緊縮」ではない。「高福祉」の財政政策は「大きな政府」に該当するから、それは緊縮ではあり得ない。

 現在の問題は、その財源が消費税に偏重してしまうと、消費を冷やして「高福祉」の効果を相殺してしまうことにある。だから、「累進制の緩和や租税特別措置の濫用によって抜け穴だらけになってしまった直接税の税収をまずは是正して、直接税の税収を増やせ。間接税(消費税)の話はそれからだ」という論法で、安倍自民党が公約している今年10月からの消費税増税に反対している。

 しかし、池戸万作の意見は全くそうではないらしい。「高福祉高負担」社会が「緊縮」だとするなら、池戸は「小さな政府」を理想としているらしいことが推測される。だとすれば、池戸は私の分類によれば「新自由主義者」のカテゴリに属する。

 困ったことに、ネットではこのような主張に手放しで追随する向きが多いらしい。

 MMT派の全部が池戸のような主張をしているとは私は思わない。おそらく「MMT右派」と「MMT左派」とが存在し、池戸は「MMT右派」に属するのではないか。私は少なくとも「MMT右派」は全く支持しないし、もし山本太郎がそれにかぶれているとすれば、早く離れた方が良い。私がこの界隈の議論を覗く機会は少ないが、直観的にそう思う。

 各種メディアの世論調査では、山本党の予測議席朝日新聞の「中心値1議席・最大2議席」が最多で、他は「最大1議席」、中には「中心値0議席」と予想するメディアも複数ある。私はできれば同党に2議席とってもらいたいが山本候補自身は落選してほしいと先日書いた。その意見は今も変わらない。

 その理由の一つとして、この池戸万作のような、私を含む世間一般の人間には全く理解できない議論が狂熱的に語られてその一部が暴走していくのに乗っかりかねない危うさが山本候補に感じられることが挙げられる*1

 一時の熱狂が政治や社会に限りなく大きな悪影響を与えることは、ナチスドイツや大日本帝国の歴史が示す通りだ。

*1:他には山本候補に右翼民族主義的な傾向が若干あることが懸念される。これも毎度書いている通り。