kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

景気のよいときに再配分とか社会保障の強化をせず、バラマキ、減税、欲だけの不急の公共事業に使ってしまうから、景気が悪くなったときに首が回らなくて公務員バッシングして、役所が質の高い仕事できなくなる社会になる。庶民は大量の現金を抱えて、自前でサービスを探さなくてはならない。(黒川滋氏のX)

 黒川滋氏が玉木雄一郎を批判している。

 

 

 

 これは黒川氏を支持するほかない。何も社民主義によらずとも、修正資本主義的立場に立ってもこの政策になるはずだ。それをやらずに「景気のよいときに再配分とか社会保障の強化をせず、バラマキ、減税、欲だけの不急の公共事業に使ってしま」い、その結果バブルの過熱と崩壊を招いたのが竹下登政権だったが、その総括が今の「反緊縮派」からはなされていない*1というのが私の意見だ。

 (日本版)MMTという仮説もあるが、以前いただいたコメントによると本家アメリカでも経済の実態と合っていないところからこの流儀は廃れつつあるようだ。それを日本式に改変した理論は、軍拡を求める右派にも好都合なので山本太郎元号新選組の支持層には右派がかなり乗っかっている。だから昨日見たように室井佑月とのバトルで日の丸アイコンを掲げた新選組支持者が現れるわけだ。日本版MMTを山本らは物理法則であるかのように主張しているが、そうではなく単なる仮説だ。そんなものには軽々しく乗っかれないから、今までのところもっとも妥当とされてきた教科書式の政策をとるしかないと思うのだが、黒川氏のXはそれに則った教科書的な主張だといえる。

 人文・社会科学は自然科学や工業技術の世界とは異なって実験ができないところに難しさがある。だからすぐに宗教論争みたいになってしまう。

 不思議なのは、大平正芳と同郷で宏池会への憧れが強いはずの玉木が、大平正芳よりもはるかに竹下登に近いような考え方をしているらしいことだ。そもそも玉木は大蔵官僚出身だから教科書的な考え方など熟知しているはずなのに、政界を遊泳しているうちにああなってしまったのだろう。口では「政局より政策」と言う玉木だが、彼こそ誰よりも政局に翻弄されて醜態を晒しているようにしか私には見えない。

*1:一方、緊縮派は不況下でも均衡財政を求める誤りを平気で犯す。