kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

江東区の立憲民主党は4月3日までの時点で支部長無し、都議無し、区議ひとり。これでどう独力で戦えというのだろうか。勝てても負けても共闘陣営の他のメンバーに責任をなすり付けようとする人ほど現場をよく見ていないというに尽きる。(東京12区在住の立民学生党員さんのnoteより)

 noteに衆院東京15区補選の戦記を連載している立民の20代の学生党員の方がいるが、その方はXもやっているらしい。下記Xに注目した。

 

 

 それはうらやましい。私など「かつや」という文字列を見ると、反射的にある人物を思い出して背筋がぞわわわーっとなってしまう。その人物は2018年の晩秋にアル中に起因する病気で死んだ。なお上記Xの「かつや」(忌まわしい2文字が変換候補に出てきた)は岡田克也、「かづや」は榛葉賀津也を指す。

 この立民学生党員さんは東京15区ではなく東京12区(北区など)の方。公明と共産が一騎打ちする選挙区として知られているが、前回2021年の衆院選では維新が候補を立て、共産候補を抜いて2位になった。

 その東京12区から来られて2週間酒井菜摘候補陣営で活動された。北区も江東区に似てこれまで立民が候補者を立てたこともない、立民が弱い選挙区とのことで、noteを読むと、似た者同士として当地の事情を実によくご理解していただいていた。やはり実際に選挙活動をやっておられた方は、何人かの政治家から話を聞いただけで適当な記事をでっち上げてしまう大濱崎卓真だの安積明子だのとは全然違うなあと感心した。

 だから、氏が下記Xでぶち上げた室井佑月に対する憤怒には強く共感した。

 

 

 

 昨日も書いたが、本多正直の件については私もうっかり乗っかってしまい、その後も事実関係がわからないため放置して今に至る人間だ。この件に関して下記のコメントをいただいている。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 魔の山

こんにちは。考え方が近いのでたまに寄らせていただいております。
本多平直の件に関しては三春充希(はる)さんのブログがよく整理されていると思います。https://note.com/miraisyakai/n/nfe61d3c812a0
北原みのりら過激フェミが福山哲郎らに圧力をかけ、表現自由派の本多平直の処分を迫りそれに津田大介荻上チキが加担したという構図です。
事実関係が明確ではないのにかかわらず、衆議院選挙のために辞職に追い込みました。
これ以来立憲民主党を見切りました。
室井佑月は擁護の論陣を張り、北原みのりフェミニストと激しくやり合いました。
ぼく自身はどちらかというと上野千鶴子らのフェミニストは好きですが過激フェミニストの醜悪さを知った思いでした。
なお、井戸まさえさんはぼくも注目している人で政治家には珍しく知的な人だと思います。こうした人物を重用できない政党に期待はできません。

 

 井戸氏は希望の党から声が掛かれば行くつもりだったのが、「東京は小池百合子が決めているので民進党の人は無理だ。希望の党はきれいどころを揃えています」などと暴言を吐かれたために以後希望の党にはアクセスせず旧立民を選んだ。この経緯から、小池のみならず、希望の党の在籍歴を持つ泉健太の心証も良くなかった可能性が高い。

 なお酒井議員は28歳の時(2014年か15年)に癌に罹患し、その後不妊治療を受けた。手元に酒井氏のチラシがあるので以下に引用する。

 

若者も含めた多くのがん患者の皆さんが、抗がん剤治療で外見が変わったり、仕事を辞めたりと闘っているのに、公的なサポートを身近に感じることができない。これはおかしいと思いました。がんの闘病には年間100万円を超える医療費がかかり、20代の私にとって経済的な負担は大きかったです。

 

 この話は、たぶん酒井氏が2019年の区議選に最初に立候補した時からチラシに書かれていたのではないだろうか。少なくとも昨年の区長選にチラシには書かれていた。実際、区長選のチラシから転載したものであることが衆院補選のチラシに明記されている。闘病や不妊治療を経て政治家になろうと思ったというのは非常に印象に残る話であって、私は二度の都議選では他党の候補に投票したにも関わらず酒井氏の結果も気にしていたのは、この経緯を知ったためだろう。

 この闘病経験が、その2,3年前に持っていたことが過去のXからうかがわれる、酒井氏がそれまで持っていた新自由主義的な考え方を変えたであろうことは疑いない。昨日も書いた、自らの介護の経験でそれまでの新自由主義的な意見を変えた(と思われる)舛添要一と同じである。私が組織内権力と個人の権力行使/被行使についてやたらとうるさく、これでもかこれでもかと書き続けるのも、井戸まさえ氏の事例から思い出さずにはいられないような理不尽な人事権の行使を私も受けた経験があるからだ。このように、人生における大きな経験は人の考え方を大きく変える。

 

 立民学生党員さんのXに戻る。

 

 

 必ずしも立民支持者とは言い難い(考え方はむしろ社民党に近い)私から見ると、上記リストには大きな抜けがある。

 それは立民支持層内部からの酒井氏批判だ。兵庫県在住の立民支持者・ぷろもはん氏も下記のXをポストしている。

 

 

 勢力的には立民支持層内部からの批判が最多ではないか。「表自戦士」の一部も立民支持層に含まれると思われるが、こちらについては私は詳しくない。新選組支持者も少なくないだろうが、立民支持層右派からよりも多いとは思えない。彼らが支持する山本太郎新選組自体が室井佑月から酒井氏に対するよりもずっと激しく攻撃されていて(何しろ少し前までは仲間だったのだから近親憎悪は実にすさまじい。室井は山本太郎を「太郎」「おまえ」呼ばわりだもんね)、室井にはうっかり乗れないはずだからだ。保守党支持者は右側内部での抗争の方に主な関心があると思われ、酒井氏が過去にネオリベだったかなどは彼らにとってはどうでも良いことだ。

 実際、立民学生党員さん自身が何人かの例を挙げている。

 

 

 ここで党員さんが批判している相手は、党員さんと同じ東京12区の立民支持者だ。プロフィールに明記してある。

 

 

 ここで批判されているXは下記。

 

 

 弊ブログも取り上げた政治おじいちゃんお化け氏のXに反論している。

 この人は共産党県議にブロックされたことを示す下記Xがトップページの一番上に来るようにしている。一時的なものだそうだが。

 

 

 どうも2021年の横浜市長選をめぐって、野党共闘で当選した現市長に対する反対派をやっている横浜市民の方のようだが、この横浜市長選をめぐるリベラル・左派側内部の対立構造についても私はよく知らない、というより全然知らない。

 この方自身の支持政党はよくわからないが、立民であってもおかしくない。

 

 

 ここで批判されているのも立民支持者。

 

 

 ああ、そういうことを言ってたわけね。

 

 なお弊ブログは補選等開票日の翌日に下記記事を公開した。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 上記記事からリンクした下記の嘘八百のXは今なお削除されずにそのまま残っている。

 

 

 酒井氏は実際には、区長選の3万4千票、得票率21.0%から衆院補選の4万9千、得票率29.0%へと大きく票を伸ばしている。だから上記のXは事実に反する真っ赤な嘘だ。

 この人はその後下記のようなXもポストしているから、ほぼ間違いなく立民右派支持層と判断して良いだろう。

 

 

 なお、本多平直氏の一件を理由としての酒井氏批判は、前記記事を書くためにネット検索をかけた党開票日の翌日には既に行われていた。

 「表自戦士」云々の方はよく知らないのだけれど、私が気になるのは、立民支持層内で酒井氏に対してネガティブな人に多いのが、東京15区でやった立民と共産の選挙協力を嫌う人であることだ。酒井氏が癌に罹患する前のネオリベバリバリのXや本多正直氏の件は、そのためのダシに使われているのであって、特にネオリベ云々の話は、立民支持層右派内で立民と維新との提携に肯定的だったり、東京だと都ファに神話的だったりするなど、現時点で比較すれば彼らの方がよほどネオリベに親和性が高いとしか私には思われない。

 弊ブログは、東京15区のように従来立民がきわめて弱かった地域では、今回の補選のように共産党との共闘を選ぶしかなかったと何度も書いた。

 この指摘を裏づける話を前記立民の学生党員さんがnoteに書かれているので、以下に引用する。

 

note.com

 

 ここで、野党共闘について振り返りたい。

 

 今回の3補選では、東京、島根、長崎で立憲民主党共産党が候補者調整を行い、いずれも立憲民主党の候補に一本化した。

 

 共産党がそれほど前面に出ていなかった島根と長崎とは異なり、東京では共産党も、そして社民や諸派の皆さん、市民連合やフェミブリッジの皆さんもかなりはっきりと酒井なつみさんの宣伝活動を行った。既に第11節において述べたように、本人無し街宣や独自の宣伝活動をかなり活発に行い、妨害の影響で日程公表がかなわない中でも酒井なつみの名前を江東区のいたるところに響かせてくれた。時には、酒井なつみさんが妨害を受けたときに、そうした市民の皆様が身を挺して止めてくださったこともあると聞く。街宣のみならず、電話かけや支持者、有権者への呼びかけ、ポスター貼りにおいても共闘陣営の皆さんの影響が大きかった。共産党ポスターの横に酒井なつみポスターが貼ってあるのを何軒も目の当りにした。「今回は共産党出てないから選挙いかない」と言っていた方を投票所まで連れ出すことに成功したこともあった。こうした収穫があってなお些細なことで共闘陣営を論う向きがあるのは残念なことであるし、何より一本化に向けて尽力した地元の多方面に対する冒涜侮辱と言わざるを得ない。江東区立憲民主党は4月3日までの時点で支部長無し、都議無し、区議ひとり。これでどう独力で戦えというのだろうか。勝てても負けても共闘陣営の他のメンバーに責任をなすり付けようとする人ほど現場をよく見ていないというに尽きる。中には、党内のある中堅議員が東京のこうした明確な共闘について「まあ東京は共産党の票がないと勝てないからな」と半ば嘲笑うように発言したこともあったが、その議員もまた希望の党に入党して臨んだ2017年の衆議院選では小選挙区議席を落としており、次の選挙で共産党との一本化で選挙区の議席を回復しているのである。

 

URL: https://note.com/rikken_jugend/n/n2e6e7a714022

 

 2021年衆院選に出馬した都連の他の候補は、参院選に転じることが決まっていた東京16区の水野素子氏(現参院議員)を除いて全員が総支部長に再任されたのに、自分だけ再任されなかったと井戸まさえ氏は書いている。このように都連からも、そしておそらくは泉執行部からも半ば見放されていたのが東京15区であり、あっさり新選組に差し出された14区ともども、あるいは公共対決の舞台に半ば固定されてしまった12区もそれに加えて良いかもしれないが、立民という政党の東京下町に対する冷淡さをよく示している。しかしそんな地域から、敵失(もとは柿沢未途がやらかした買収)をきっかけにししたとはいえ政局を左右する選挙結果から出た。しかも、敵のラスボスともいうべき小池百合子に昨年12月の区長選で完敗しながらそれを衆院補選で倍返しするという形で。少し前までは立民候補がおよそ当選するとは思えなかったという点では、島根1区と十分張り合えるのではないかと思った。あの保守的な四国からやってきた私でも(とはいえ香川1区の小川淳也は、野党議員としては同2区の玉木雄一郎に次いで強かったけど)驚くほどのリベラル不毛の地、それが東京下町の江東区だった。

 だから私は今回の補選に地元民として熱狂したのであって、幸か不幸か私は立民支持者でもないので(はっきり言って同党の右半分を嫌っている)、これまでこの地域をさんざん冷遇してくれた立民の都連や執行部に対しても「ざまあみろ」と思った。

 しかしそんな地域から送り出した代表であるだけに、敵からのみならず味方からも叩かれやすい。それはこういう形で当選した人の宿命だとしかいいようがない。

 なお、上記引用文中の最後に書かれた「まあ東京は共産党の票がないと勝てないからな」と言った人物が誰かはわからなかった。2021年衆院選の東京選挙区の結果を見てみたが該当者はいなかった。この人物が「まあ東京は」と言っているくらいだから東京都以外の選挙区から選出された衆院議員であるのは当たり前かもしれない、と調べ終わってから思ったけれども。

 しかしそのネット検索の過程で、小堤東氏は2017年衆院選には東京11区(板橋区の一部。残りは12区)から立候補していたことを知った。小堤氏もまた、東京11区から15区に転区させられたと思ったら、その15区からの立候補を二度も取り下げさせられる目に遭ったのだった。

 小選挙区制がある限り、前述の井戸氏や小堤氏のような例があとを絶たない。

 やはり小選挙区制は廃止すべきだと改めて思った。