kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「あいちトリエンナーレ」の一件は「政治史或いは国家史にも及ぶ日本史上の転換点」になってしまうのか

 やはりこちらの件にもエントリを立てて触れておかなければなるまい。但しあまり時間がないので、引用を中心にする。

 

sumita-m.hatenadiary.com

 

「あいちトリエンナーレ」を巡ってはとんでもない事態になっている。後世の歴史家はこの日を、たんなる美術史に止まらない、政治史或いは国家史にも及ぶ日本史上の転換点として記述するかも知れない。匿名のちんぴらが実行し、政治家が煽って・追認するという仕方で行われた。とりわけ河村たかし*1の罪は重大だと思う。

 

 本当にその通りだ。河村たかしについていえば、昔から悪名高い極右レイシストにして新自由主義者だったが、「小沢信者」たちが熱烈に応援していた。私がこの「あいちトリエンナーレ」の一件について、山本太郎のコメントを是非聞きたいと思うのは、そのようないきさつがあるからだ。

 

ところで、2006年に故加藤紘一の実家が老右翼によって放火された際の稲田朋美のリアクションを思い出した。(当時の)第一次安倍晋三政権をプッシュするシンポジウムにおける稲田の発言を伝える『北海道新聞』の記事に曰く、

稲田氏は、地元福井の新聞で首相の靖国参拝を批判する加藤紘一元幹事長と対談したことを紹介。加藤氏の実家が右翼団体幹部に放火された事件について「対談記事が掲載された十五日に、先生の家が丸焼けになった」と軽い口調で話した。約三百五十人の会場は爆笑に包まれた。(Cited in http://shizunaijin.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_de5b.html https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20060930/1159643737

また、稲田はその後、李纓ドキュメンタリー映画靖国 YASYKUNI』への文化庁の助成にいちゃもんをつけている*2
さて、今回の「あいちトリエンナーレ」を巡っては、稲田朋美は無実である。申し添えておくと、過去の稲田関係の事件に言及したのは現在の稲田氏をそれによって貶めるのが目的ではなく、今回の事件の〈原型〉的なものが見出せるからだ。

 

 これについては、上記記事に私がつけた「はてなブックマーク」にコメントしたので、それを以下に引用する。

 

Turning points? - Living, Loving, Thinking, Again

"とりわけ河村たかしの罪は重大" これは本当にそう。"稲田はその後、李纓ドキュメンタリー映画靖国 YASUKUNI』への文化庁の助成にいちゃもんをつけている" 私は加藤紘一邸放火事件よりこちらを先に思い出しました。

2019/08/04 15:16

b.hatena.ne.jp

 

 李纓ドキュメンタリー映画靖国 YASUKUNI』は、当時住んでいた香川県の高松から、ゴールデンウィークの休みを利用して上京し、2008年5月3日に渋谷の映画館で見たことが懐かしく思い出される。グレツキ交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」が効果的に使われていた。

 この件といい加藤紘一邸放火事件といい、ブログ(主に『きまぐれな日々』)で稲田朋美を叩きまくってアクセス数をずいぶん稼がせてもらった。その稲田がどうやら「ポスト安倍」競争から脱落したらしいことはここ数年では珍しく良いことだったかもしれない。そういえば稲田以上にブログのアクセス数を叩き出してくれた城内実も、このところすっかり影が薄くなった。

 だが、彼らが野心を挫かれた代わりに、今回の「あいちトリエンナーレ」の一件が「政治史或いは国家史にも及ぶ日本史上の転換点として記述」されてしまってはたまったものではない。いよいよこの時代の日本の危機も正念場を迎えたというべきか。