昨日の記事にも書いたが、山本太郎が消費税減税勉強会の講師に高橋洋一を呼んだことについては、石垣のりこ氏が下記ツイートで呟いたような高橋の政治思想上の問題点(=極右)よりも、彼が強烈な新自由主義者であることの方がよほど重大だ。山本太郎のウリはなんといっても経済政策だからだ。
馬淵澄夫さん山本太郎さん主催の消費税減税研究会。初回の講師は、高橋洋一氏とのこと。これから始まるという時に大変残念ですが、当初言明したように私は、レイシズムとファシズムには一切加担しません。よって、レイシズムとファシズムに加担するような人物を講師に呼ぶ研究会には参加できません。
— 石垣のりこ (@norinotes) 2019年11月28日
しかし高橋が極度のネオリベだという視点から山本太郎を批判した支持者ないしシンパの論者は極めて少ない。管見では、現在は共産党支持ながら山本太郎にも好意的に注目しているというさとうしゅういち氏くらいのものだ。以下に引用する。
以下引用する。
消費税減税勉強会の講師の高橋洋一さんはリフレ以外は凄まじい新自由主義グローバリストです。資本自由化、貿易自由化が高橋さんの金科玉条である。
その新自由主義グローバリストの高橋さんを、反新自由主義グローバリストで頑張ってきた勢力が、勉強会の講師とはいえ、に呼ぶことはやはり強い批判があるのは覚悟しないといけませんね。
自分自身も「幅広く連携」の勢い余って、全く方向が違う人と深い付き合いのようなイメージを与えてしまう、「さとうに失望した」という言葉をいただくなどの苦い経験があります。他人事ではない。そういう罠は誰にでもある。
お互い、気を付けていければいいと思います。
山本太郎は、本当ならこのような批判にこそ冷静に耳を傾けなければならないはずなのに、実際に彼がやらかしたのはさらなる「暴走」だった。
山本太郎さん『先ほどある国会議員からメール頂いた。立憲民主党があまりにもひどい。闘うフリして闘わない道を探し続けてる。思惑一致してますよ、官邸と』と国会の中からのチクリが入ってます。
— いち市民の声 (@shimin_koe) 2019年11月29日
(2019.11.29 名古屋駅前) pic.twitter.com/jR5c8MLPTi
あちゃあ、こりゃダメだ。こんなことを言ったらコアな「信者」しかついていかない。そう思った。
なぜなら、今夏の参院選で山本太郎の政党は、2014年衆院選では共産党に投票し、2017年衆院選では立憲民主党に投票したような、反安倍・反自民系無党派層の票を多く得たとみられているが、この発言を含めてしばしば山本太郎が繰り広げる立民批判は、せっかく参院選で投票してくれた人の少なくない割合を離反させる効果しか持たないと思われるからだ。
これは戦略としても最悪だし、ましてや最近の山本太郎の動きは、山本元号党自体が「ゆ党」と呼ばれる自民党の補完勢力ではないかと云々されることが増えている。たとえば下記ツイートがその例だ。
これまで #山本太郎 氏については野党政治家とみていましたが、#売国野郎 発言といい、今回の発言といい、野党がここぞという論戦をしている時に背後から銃撃する態度を鑑みると、山本氏については #維新 や #N国 同様 「 #ゆ党 」の政治家とみるべきかなと評価を変えつつあります。#れいわ新選組 https://t.co/dzUG4Bcr5w
— まことんー40代ロスジェネ独身男が政治や社会を考える@正社員アルバイター (@makotonch) 2019年11月29日
まあツイート主氏は田中信一郎氏のツイートを引用していることから立民シンパ系の人かもしれないが、しかしながら山本太郎が接近している人に保守の人士たちがやたら目立つことも事実だ。今回、それに「極端なネオリベ」である高橋洋一が加わった。
日頃から山本太郎に好意的な三春充希氏も、山本太郎を心配するツイートを発した。
山本太郎、今回の消費税減税研究会のことについて説明しないのかな。丁寧に対応しないと、党の勢いにとって大打撃となる可能性もあると思うけれど。
— 三春充希(はる)⭐みらい選挙プロジェクト (@miraisyakai) 2019年11月29日
しかし、このツイートに対する反応も、「ヤマシン(山本太郎信者)」や、「信者」とまではいえないにしても支持する政治家への批判など畏れ多くてできないといわんばかりの支持者たちによる山本太郎擁護ばかりが目立つ。
何度も書く通り、山本太郎自身が「私を疑って下さい」と言っているのにそれに応えない。山本太郎も人間だから「易きに流れる」こともある。匿名にしている国会議員(おそらく小沢一郎シンパの国民民主党議員の誰かだろう)から垂れ込みをもらった、などと街宣で口走ったのも、そのように「易きに流れ」た瞬間だったに違いないが、それでも批判せずひたすら山本太郎を擁護する。
これでは自らが支持する政治家をダメにする一方なのだ。何度も同じことを書くようだが、いっこうに改まらないのだからこちらも何度でも繰り返す。
ダメになる個人や組織というのは、複数の選択肢があった場合、往々にして魅入られたように悪い選択肢を選んでどんどん泥沼にはまってしまうものだが、山本太郎の場合も、早くもその兆しが表れている。