kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ゴーン不法出国に続いて、アメリカがイラン・ソレイマニ司令官を爆殺。安倍晋三はゴルフと映画

 大晦日に発覚したカルロス・ゴーンの不法出国に続いて、正月3日にはアメリカが大統領・トランプの命令によってイラン・イスラム革命防衛隊のソレイマニ(スレイマニ)司令官をイラクのバクダッドで爆殺するという仰天の暴挙を実行した。

 ゴーン出国にもソレイマニ爆殺にも安倍晋三がコメントを出せず、ひたすらゴルフや映画にかまけていたことは、安倍が裸の王様である周知の事実を踏まえればあまりにも当然だが、野党もアメリカ非難のコメントをいち早く出したのは共産党(志位委員長)だけというお粗末さで、ダメさ加減にかけては枝野幸男玉木雄一郎山本太郎もみな安倍と五十歩百歩ではないか。田中角栄や、ましてや中曽根康弘など肯定的に言及したくは全くないが、それでも1973年の第4次中東戦争を受けての田中や中曽根らの動きさえ、現在のこの国の与野党政治家たちには望むべくもなさそうだ。

 ゴーンに関していえば、今後記者会見でゴーンが口を開くにつれ、この国の「人質司法」の問題が国際的非難に晒される可能性があるし、それに対しても安倍晋三が打つ手は何もないことは明らかだ。一昨年(2018年)にゴーンが逮捕された時に陰謀論者たちが流布した「スピン陰謀論」は論外だが、しかしながら日産経営陣らに泣きつかれた経産省の官僚たちが安倍晋三の威光をバックに東京地検に強い圧力をかけてのゴーン逮捕劇だった合理的疑いを否定する材料は何もない。経産省が、城山三郎が『官僚たちの夏』(1975)に描かれた、通産省と呼ばれていた当時から今も変わらぬ民族主義的な体質を持っており、だからこそ安倍晋三との相性が良いのだろうとは多くの人が想像するところだろう。逮捕は無理筋だったとの指摘もある。おまけに、ゴーンの勾留が異例の長期に及ぶにつれ、「人質司法」の悪弊が論じられることも多くなった。

 しかし、それらとは別に、ゴーンが日産で行った冷酷非情なリストラを忘れてはならない。「人質司法」にせよ、ことさらにゴーンの時にだけ問題にされるのは筋が通らない。また、以前にも妙ちきりんな変装をやったことがある、アルセーヌ・ルパンだかルパン三世だか巌窟王だかを思わせないでもないゴーンの脱出劇に快哉を叫ぶ向きがあることに対しては、強くその軽挙妄動を非難したい。こんな脱出劇は、ゴーンのような資本家階級の中でも特別に特権が強い階級がある者にしか実現できない。今回ゴーンの脱出に協力したパイロット4人と運航会社の幹部社員1人がトルコの捜査当局に逮捕されたが、うち運航会社の幹部は「引き受けないと家族に被害が及ぶ」との強い脅迫を受けた*1という。ゴーン一味から脅迫されなければ、彼らが法を犯して逮捕されることなどなかった。やはりゴーンはどこまでも大悪党でしかない。ゴーン及びその一味と、安倍晋三経産省・検察・警察等とは、きっちり両成敗しなければならないのだ。

 アメリカによるソレイマニ爆殺についても、過去にソレイマニに間接的に殺された人たちが多数いたために、ソレイマニの死を喜ぶツイートがあふれ返っている事実があることをもって、トランプ(アメリカ)を擁護しようとする人たちもいるが、彼らも同様に論外だ。

 ことに現在の日本では、トランプに圧力をかけられるであろう安倍晋三が、トランプに言われるがままに全面的にアメリカに追随するリスクがきわめて高いと思われるだけになおさらだ。どんなに生前のソレイマニが悪逆非道であろうが、過去に例を見ないとされるトランプの暴挙を許してはならない。

 最後に、トランプが4年前の大統領選の頃に、日本の陰謀論系反安倍・反自民論者たちの間に、「ヒラリーやオバマは戦争屋だが、トランプは戦争を止めようとする人間だ」とするトランプ擁護論が大流行したことを思い出しておきたい。下記は、当時ネットの一部の人たちの間で人気が高かった『マスコミに載らない海外記事』というブログが、レーガン時代に財務長官補佐を勤めたポール・クレイグ・ロバーツの記事の翻訳文を掲載した2016年8月のブログ記事だ。

 

eigokiji.cocolog-nifty.com

 

 以下引用する。

 

(前略)ひと握りの支配集団は、彼がロシアとの戦争を否定し、NATOの目的に疑問を投じ、アメリカ人の雇用の海外移転に反対し、アメリカ合州国を、まとまりの欠けた多文化組織へと変えつつある野放しの移民に反対しているがゆえに、トランプを憎悪しているのだ。巨大な政治力持ったひと握りの支配集団は、アメリカ合州国バベルの塔に変えようとしている。まとまりのない多様性の中では、ひと握りの支配集団の力が指数関数的に増大する。

言い換えれば、トランプは、アメリカのため、アメリカ人のためを思っているのだ。

ひと握りの支配集団と、連中のたいこもちが、トランプを憎悪するのはこれが理由だ。

ヒラリーに投票する大間抜けなアメリカ人は、戦争と自分自身の貧困化に投票しているのだ。

トランプに投票しても、同じ結果になる可能性もある。しかしトランプの場合は、それが確実かどうかは分からない。ヒラリーの場合、我々はまず確実にそうと分かっている。(後略)

 

出典:http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-9a55.html

 

 ここでロバーツは狡猾にも、「トランプに投票しても、同じ結果になる可能性もある」などと逃げを打っている。しかしその逃げは、上記引用文中の最初の2つの段落を免罪するには至らない。要するに、ロバーツは大嘘を書いたのだ。

 上記ロバーツと同様の意見を開陳していたのが、日本の陰謀論者・植草一秀だった。そういえば植草が山本太郎の経済政策のブレーンだとかいう話はその後どうなったのだろうか。人脈的に考えて、関係が切れているとは到底思えないのだが、もしそうだとすると山本元号党に過大な期待を寄せることは禁物だと、今年も繰り返し訴えなければならない。

 それでなくとも、「右」も「左」も「人治主義」から全く脱却できていないどころか、人治主義が問題だという問題意識すら持てていないことが、現在の日本の政治をめぐる状況の最大の問題点だ。それは何も山本元号党の支持者に限らず、自民・公明・維新・N国・立憲民主・国民民主・社民・共産その他どの政党の支持者にも当てはまる。政治家、特に政党の党首ともなれば、政党や政治家によってその強弱は違えども、大なり小なり権力者なのであって、その権力とは一定の距離を置くことが一般人には求められるのだ。それは、特定の政党や政治勢力の支持者であることとは何も矛盾しない。何も党員だから、党の支持者だからといって、政党の党首や執行部と自分自身の考えを一致させる必要など全然ないのだし、もし一致させようとする同調圧力があるなら、断固としてそれをはねのけよう努力しなければならない。