新型コロナウイルスについて、最近思っていることを以下箇条書きにする。
- 新型コロナウイルスは感染力は滅茶苦茶に強いが毒性はかなり弱い。但し年齢が上がるとリスクは飛躍的に増える。
- 無症状の感染者は一般に思われているよりもはるかに多いに違いない。そういう人たち（あるいは私自身だってそうかもしれない）が出歩けば、無自覚に感染を拡大していることになる。
- だから対策はシンプルで2つ。不急不要の外出を避けることと初期段階の徹底的な検査だ。中国は武漢で最初感染隠しをしたから患者は飛躍的に増えた。しかし独裁者・習近平が危機感をもって対策をドラスティックに改め、人々の移動の制限（私権の制限だよ！）と、感染の疑いがある人は検査を受けなきゃ逮捕するという脅しをもって急速に検査を拡充したところ、もう収束に向かっている。韓国のように、不届けな宗教団体がウイルスを拡散させたという不幸なアクシデントがあった国でも、検査の徹底で早期の収束に向かっている。つまり、適切な対策が取れれば3か月程度での収束が可能なのではないか。
- 日本はどうかといえば、最初安倍晋三が五輪やりたさのために初期の習近平同様腰が引けていたのはまずかった。しかし専門家の意見を聞かずに突如打ち出した一斉休校は、プロセスは最悪だったがやったことは結果的に良かった。完全な「結果オーライ」だ。この点では私は当初の意見を改めている*1。本当はもっとリスクの高い大人も休んだほうが良いのだが、テレビで青木理が言っていたように、それをやると経済がストップしてしまってそのために死ぬ人が出てくるのでやれない。それは仕方ない。安倍政権の対応で最悪なのは未だに検査の拡充に徹底して不熱心なことだ。相変わらず東京五輪に対する安倍の妄執がすさまじいのでそうなっている。アクセルとブレーキを同時に踏んでいるしか言いようがない。しかも、東京五輪に向けて安全をアピールするために休校を解除する動きまである。
- 日本のマスメディアも安倍に忖度しすぎだ。WHOの事務局長が「検査、検査、検査」と言ってからそれが報じられるまでのタイムラグがかなりあった。私は発言の直後に報じられた英語のニュースをTwitterで取り上げた人がいたので知った。
- 日本の感染者数拡大は、表向き抑えられているかのように見えるが、検査の陽性率の高さと感染した人の死亡率の高さが、抑え込んでいるのは検査数に過ぎないことを強く示唆している。今後はいかに早く検査を拡充するかが最重要課題だ。
- 安倍に早く方向転換させるためにはIOCが早く東京五輪の中止なり延期なり（私は中止すべきだと思う）を発表した方が良いのだが、IOCにはずいぶん安倍ジャパンのマネーが行き渡っているようで、頭が痛い。
- あと経済対策は超短期に行われることが必要不可欠なので、議論されるべきは消費税の減税ではなく給付だ。消費税減税は実施までに時間がかかるし、その間買い控えが起きて消費を冷やしてしまうので逆効果だ。私自身は平時であれば消費税率はもう少し下げてその代わりにまず直接税の課税ベースを拡大する方が良いという意見をずっと以前から持ち続けているが、超短期の効果が求められる新型コロナウイルス対策としては消費税減税には大反対だ。
日本の検査で陽性率が高いことを指摘したツイートを下記に示す。
残念ながら、陽性率が高すぎます。韓国でも5%以下ですから、60〜70%の陽性率は異常値で、見逃しが多数発生しているものと想定されます。 https://t.co/TZQVVcE6Yi
— ありーちぇ😷 (@ALC_V) 2020年3月17日
WHO事務総長の発言については下記記事を参照。
以下引用する。
新型コロナ「検査検査、検査しろ」WHO事務局長「流行は止まらない」
厚生労働省によると、国内で確認された新型コロナウイルスの感染者数は、16日現在で829人、クルーズ船の乗客乗員672人を入れると1500人以上にのぼる。こうしたなか、世界保健機関（WHO）のテドロス・アダノム事務局長は16日、「誰が感染しているかわからなければパンデミック（爆発的感染）は止められない。感染が疑われる症例はすべて検査すべきだ」と呼びかけた。
これまでに国内で実施されたPCR検査は16日現在で1万3068人。チャーター便による帰国者などをのぞくと、検査実施数が多い自治体は、▽クルーズ船を含めた神奈川県で2059件（陽性者54人）、次いで患者数が最も多い▽北海道1322人（同148人）、▽愛知県1103人（同121人）、▽和歌山県1008人（同15人）、▽東京都922人（同96人）、▽千葉県817人（同31人）などと続く。
PCR検査をめぐっては、帰国者・接触者相談センターに寄せられる市民からの相談件数に反して、地方自治体ごとに実施可能な検査能力に格差があることが問題になっているほか、流行国に比べて日本国内での実施件数が少ないと指摘する声がある。
検査しかパンデミックを止められない
そうしたなか、WHOのアダノム事務局長は16日の会見で「過去1週間で中国以外の国で、感染者と死者の数が急速に増えている」と指摘したうえで、「感染の連鎖を断ち切るための最も効果的な方法は、誰が感染しているか知ること。そのためには、検査、検査、検査を行うしかない」と強調した。
事務局長はさらに「感染が疑われるすべての症例を検査し、陽性だった場合は、患者を隔離して、症状が現れる二日前までに濃厚接触した人を見つけ出し、その人たちも検査するべきだ」として、感染拡大を防ぐためには陽性が確認された患者は、症状が軽い場合でも医療施設で隔離する必要性があると述べた。
一方で、一部の国では医療施設の患者収容能力が限界に達していることも認識しているとして、そういった場合は高齢者と基礎疾患を持っている患者を優先すべきだと理解を示し、新たに60歳以上の高齢者と妊婦、子どもに対する臨床方法のガイダンスを発表した。
（Hazard Lab 2020年03月17日 10時18分）
出典：https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/3/3/33478.html
