kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

玉川徹の「土日は民間しかPCR検査を実施していない」との発言は、誤りである可能性がきわめて高い

 私は何もテレビ朝日の「モーニングショー」に出演している玉川徹や岡田晴恵を全否定するものではないが(もちろん全肯定するものでもない)、玉川徹に関しては過去に世間の嫌韓の流れに棹差して自らも嫌韓ムードを煽っていた時期があったので、基本的に全幅の信頼は置けない人だと思っている。彼はある時期から逆に嫌韓を批判するようになったが、だからと言って彼が嫌韓を煽っていた時期があることを私は忘れない。

 そんな玉川徹が発したという下記の言説の信憑性は極めて疑わしい。下記の自民党都議・川松真一朗のツイートの方が信用できる。

 

 

 川松都議が所属する自民党は全く信用ならない政党だが、ことこの件に関しては私は玉川徹よりも川松真一朗の方を信用する。なぜか。

 それは先週、私自身が都のサイトから下記のデータを調べたことがあったからだ。その結果は下記記事に公開した。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 以下引用する。

 

 思いのほか医療機関の検査数が増えていた。下記に転記する。

 

    陽性者/検査数(うち都実施分)

4/16 (木)  201 / 1498 (604)

4/17 (金)  181 / 1360 (447)

4/18 (土)  107 / 803 (489)

4/19 (日)  102 / 437 (373)

4/20 (月)  123 / 1607 (379)

4/21 (火)  132 / 1125 (223)

4/22 (水)  134 / 1246 (358)

計     980 / 8076 (2873)

 

 全検査数に占める医療機関が保険適用で行った分の比率は64.4%に達していた。こんなに増えているとは思わなかった。

 

 都の下記サイトでは、金曜日にならないと前週木曜日からその週の水曜日までの、医療機関による保険適用の検査件数が公開されない。それまでの間は、都の検査分のみがサイトに表示される。

 

stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp

 

 だから私は、金曜日に民間の分の検査件数が公開されるや、直ちに民間の検査分が都内での前検査のどれくらいを占めるのかを計算したのだった。およそ3分の2だった。

 しかし、上記に示した表からわかる通り、18日(土曜日)の民間の検査数は前日の17日(金曜日)の913件から314件に減り、さらに19日(日曜日)には60件に減っている。民間検査分は、民間の検査件数は、先週日曜日はその2日前の金曜日の15分の1しかなかったのだ。もちろんこれが悪いとは私は言わない。一方、都の検査数は土日が特に少ないわけではなく、上記の期間中では一番少なかったのは21日(火曜日)だ。

 さらに、23日以降の都の検査数も都のサイトに公開されている。これには民間の分は含まれない。都のサイトから転記して下記に示す。

 

4/23 (木)  630件

4/24 (金)  416件

4/25 (土)  384件

4/26 (日)  400件

 

 一目瞭然、都の検査は土日を返上して金曜日と変わらないくらいに稼働している。一方、25日と26日の土日も民間の検査数が少なかったであろうことは、26日と27日に都で新たに確認された陽性患者数が2桁で、特に昨日の月曜日(27日)には39人という4週間ぶりの少なさだったことから推測できる。この推測が正しいかどうかは、この記事の公開から3日後の5月1日にわかる。

 どうやら東京都では、その日に発表される陽性患者数は、主に前日行われた検査の結果が反映されるのではないか。だから民間の検査数が減る土曜日の結果が出る日曜日は陽性患者数が少なくなり、日曜日の分が反映される月曜日はさらに少なくなる。そして民間の検査数が反映される火曜日には増える。現に火曜日の今日(28日)、東京都内で新たに確認された陽性患者数は、3日ぶりに100人を超えた。

 先月までは、都の検査数は土日になると少なくなったが、今月に入ると土日でも都の検査はほぼフル稼働になった。一方、今月に入ってシェアが急増した民間の検査数は土日、特に日曜日の分が少ない。だから日曜日と月曜日の陽性患者数が少なく出る。これが真相だろう。

 玉川徹が意図して嘘をついたとは思わない。おそらく古い(先月までの)情報をもとにして、土日は都の検査数が少ないと言ったのだろう。しかし、それは今月に入ってからの検査数には当てはまらない。結果として、玉川徹が言った(らしい)ことは誤りである可能性が極めて高いと思われる。

 その玉川氏の言葉を真に受けて書かれたらしい水島宏明の下記記事に至っては、恥の上塗りとしか言いようがない。

 

news.yahoo.co.jp

 

 いやしくも元ジャーナリストの大学教授なら、どうせネット向けだからと馬鹿にしてかどうかは知らないが、記事を書き飛ばしてばかりいないで、少しは裏取りの手間をかけたらどうだ。

 事実に立脚しない批判は、「リベラル」や「反権力」「反安倍」等の信用を落とすばかりで有害無益だ。

 今回の件に関しては、玉川・水島両氏は「無能な味方」の一語に尽きる。両氏の猛省を促したい。

 

[追記](2020.4.29 09:08)

 玉川徹氏は、この記事を公開した翌日(29日)の「モーニングショー」の放送で、自らの発言の誤りを認めてこれを訂正するとともに謝罪した。誤った発言をした翌日に訂正と謝罪を行ったことは評価できると思う。