ヤマシン(「山本太郎信者」)の傾向として、山本太郎がリフレに入れ込んでいた頃にはなかなかそれに同調しなくて、彼らは経済問題には関心がないんだろうなとずっと思っていたところ、山本が重心をリフレからMMTに移すや否や、途端にそれに同調して「緊縮」なる用語をろくに定義もしないまま濫用するようになったことが挙げられる。その頃、この急激な変化には驚かされたものだ。
それまでも、右派の人々の中でリフレを好むのはネオリベ(新自由主義者)が多く(その代表格は高橋洋一)、積極財政政策を好むのは国粋主義右翼が多いことには気づいていた。気づいたのは10年以上前に「日本経済復活の会」を勧められた頃のことだ。この会はもちろん後者に該当する。
ヤマシンがリフレを好まないのにMMTには熱狂するあたりは、ヤマシンの属性をよく示していると思う。それは、かつて「『右』も『左』もない」をスローガンにしていた人たちと同じ属性、つまり国粋主義右翼的な傾向が強いというものだ*1。だから彼らはネオリベは敵視するものの政治思想極右はむしろ大歓迎する。そうしてあの界隈で11年前にヒーロー視されたのが城内実であり平沼赳夫だった。後者はもう引退したが、前者の名前にしてももう誰も覚えていないだろう。しかし当時はネットの一部で異様に人気が高く、その筋の倒錯人士の代表格ともいえる「喜八」(当時、関東地方の某自治体に勤める地方公務員だった)などは、ブログで「城内実さんは『9条護憲派』だ」などという妄言まで発したほどだ。
これなど、信念を持って自主憲法制定を主張していたであろう城内実にとっても失礼千万な話であって、おそらく城内氏の筋から抗議でもあったのだろう、ほどなくして「喜八」は政治に深入りするのを止めてしまった。「喜八」は現在は実名でツイートを細々と続けているが、私は原則として彼の実名には触れず、「喜八」と名乗って繰り広げていた頃の妄言を批判するために「喜八」なる当時の筆名で発せられた彼の過去の悪行をしつこく批判し続けている次第。
以上、昔話で前振りが異常に長くなったが、今話題の某新選組の大西恒樹も似たような系列の人だろうと思って当たりをつけたら、案の定だった。昨年秋のこんなツイートをみつけた。
山本太郎の周辺に日米FTAに反対の意思を明らかにしていない者が居る様です。日本会議系の極右議員の西田昌司らと戯れ合いMMT理論などを触れ回っている大西恒樹や池戸万作らがそれに当たるので警戒すべきでしょう。
— よーすけ (@yoshimichi0409) 2019年9月30日
上記のツイートはかなり不正確らしく、池戸万作から抗議を受けている。
日米FTAに反対です。 https://t.co/R9Gxz98p3f
— 池戸万作 (@mansaku_ikedo) 2019年9月30日
国粋主義右翼と思われる池戸万作が日米FTAに反対なのは当然だろう。大西恒樹がどうだかは知らないが。過去にJ.P.モルガン銀行に勤めていた大西の場合は、政治思想極右とネオリベを兼ね備えている可能性がある。
また、上記ツイートは「日本会議系の極右議員」として西田昌司の名前を挙げているが、現在では安藤裕の方が目立っていることはいうまでもない。
大西の件に関しては、平河エリ氏の一連のツイートが核心を突いていると思うので、以下に引用する。
「私は除籍にしたいので除籍を提案するが、除籍にしてしまうのは簡単すぎるし危険である」ということで、全くわかりません……。
— 平河エリ | Eri Hirakawa (@yomu_kokkai) 2020年7月10日
全然わからないけど、とりあえず代表が除名を提案し、総会で否決される流れなんだな、というのはわかりました。
— 平河エリ | Eri Hirakawa (@yomu_kokkai) 2020年7月10日
なるほど。金正恩みたいな奴だな。金正恩は妹の金与正に嫌われ役をやらせて、自分がなだめ役に回る演技をしている。山本太郎も嫌われ役を「総会で否決した」人々にやらせて、自分を「いい子ちゃん」に見せかける演技をしているのだろう。さすがは元俳優だ。しかし現実には某新選組の党規約には代表の独裁条項がある。
山本代表は総会は公開しないのが一般的、とおっしゃってますが、両院議員総会などは通常公開されます。公開しない議論は懇親会などに切り替えるのが通例です。
— 平河エリ | Eri Hirakawa (@yomu_kokkai) 2020年7月10日
結局代表は除名したいのか除名しないほうがいいと思っているのか、さっぱりわからない。
— 平河エリ | Eri Hirakawa (@yomu_kokkai) 2020年7月10日
基本的に山本太郎さんの行動原理は「反民主党」なんだと思いますよ。
— 平河エリ | Eri Hirakawa (@yomu_kokkai) 2020年7月10日
反原発からスタートして、左派がスピンアウトして立憲民主党が反原発で固まっちゃうと、原発以外の論点が必要になり、消費税にダッチロールした。
でも、反原発が消えた瞬間に極右と親和性が生まれた。シンプル。
昨年4月1日に、その時点における「次の元号」が発表されると同時に、それを冠した名前の政党を立ち上げた時に、某新選組は馬脚を現したといったところだろう。「名は体を表す」典型であって、山本太郎の独裁政党がもつ右翼的体質は党名に象徴されている*2。この政党が「野党共闘」とはっきり対立する立場に立って、「右からの政界再編」を目指す勢力になることは、その時から時間の問題だった。それが現実化したのがこれまでの流れだ。