kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

菅義偉が確実に今月行うであろう衆議院解散は「猫だまし解散」だ

 このところのテレビはすっかり菅義偉の宣伝マシンと化しているかのようだ。

 安倍内閣が続いていれば、仮に秋に解散総選挙をやっても自民党議席減は必至と見られていた。しかし、安倍の辞意表明と同時に安倍内閣支持率と自民党政党支持率がV字回復し、メディアの「次期総理にもっともふさわしい人は」という「世論調査」(というより実質的には単なる「アンケート」)で、それまで3%程度だった菅が、突如40%もの支持を獲得することになった。

 しかし、仮に菅が巷間噂される臨時国会の冒頭解散を行わなかったら、新政権発足直後にはそれなりに高い数字を記録するであろう菅内閣支持率が「秋の日はつるべ落とし」式に急落していくことは目に見えている。菅の政治は、本人も掲げている通り「安倍政治の継承」でしかないからだ。安倍政権の政治、特に新型コロナウイルス対応こそ、安倍内閣の支持率を急落させた原因だった。そして、基本的にはコロナには無策で「経済を回す」だけというのが、ことに緊急事態宣言終了後の安倍政権の政策だった。これから気温も下がっていく。解散総選挙をやらなければ菅政権の支持率はどんどん落ちていくが、遅くとも来年10月までには衆院選を行わなければならない。

 こう考えれば、臨時国会冒頭での衆院解散しかあり得ない。菅義偉の選択肢はこの一択だ。

 本当は2008年の麻生太郎政権発足時だって、麻生が取るべき選択肢は政権発足直後の解散総選挙だった。麻生が朝日新聞の曽我豪に書かせたとされる「文藝春秋」2008年10月号に発表された「論文」でも、麻生(=曽我豪)は解散総選挙を公言していた。しかしこの時には、2005年の郵政総選挙で自民党が得ていた議席が過大だったため、仮に麻生が政権発足直後の解散総選挙をやったとしても自民党が大幅に議席を減らすことは確実だった。このため、議席にしがみつきたい自民党議員らが麻生を「羽交い締め」にして、解散を行わせなかった。その結果、麻生は翌年の任期満了直前での解散に追い込まれたあげく、自民党は歴史的惨敗を喫して下野した。

 自民党はこの教訓を忘れていない。だから必ずや、菅は解散総選挙に踏み切る。相撲に喩えれば、今は「『猫だまし』で勝てる」唯一の時期だ。今月確実に行われる衆議院解散は「猫だまし解散」と名づけられるべきだろう。