昨日(3/16)、菅義偉のお膝元である神奈川県で、新型コロナウイルスの変異株による国内初の死亡者2名が出たことが発表された。以下朝日新聞デジタルより。
コロナ変異株で国内初の死者 神奈川の50代と70代
2021年3月16日 19時47分
神奈川県は16日、新型コロナウイルスに感染した同県内の3人について、変異株への感染が確認されたと発表した。うち2人は死亡した。県によると、新型コロナに感染して死亡した人で、変異株への感染が確認されたのは国内初。
死亡した2人は県内の50代と70代の男性。50代男性は高血圧、脂肪肝などの基礎疾患があり、70代男性は基礎疾患はなかったという。
(朝日新聞デジタルより)
日本で増え始めているとみられるイギリス型の変異株は、以前から感染力が従来型の7割強いと報じられていたが、最近では毒性も倍近く強いと報じられている。その変異株の波が立ち上がろうとしているタイミングで、菅政権が1都3県に出している緊急事態宣言を解除するかどうかが注目されているが、これはよほどのことがない限り解除するだろう。よほどのことというのは、今日(3/17)の発表で新規陽性者が急増することだ。だがそれはほとんど考えられない。
というのは、今朝NHKのサイト*1からデータをダウンロードして確認した過去4日間の新規陽性者数を見ると、「微増が疑われる横バイ」だったからだ。これはこのところずっと同じで、思い出されるのは昨年秋の第2波の減衰から第3波の立ち上がりの間だ。あの当時は約7週間もそういう状態が続いたあと、宮沢孝幸*2流にいう「第3-1波」が急激に立ち上がった。
しかし政権筋は横バイどころか微増でも解除と言っていると伝えられるし、昨日は記者会見で某民放局某アナウンサー*3の父親である田村憲久厚労相が「新規感染者は十分解除できるレベル」だと明言した。以下、某放送局のサイトより。
「新規感染者数は十分に解除できるレベル」田村厚労相
16日 11時26分
1都3県の緊急事態宣言の解除をめぐり、田村厚労大臣は「新規感染者は十分に解除できるレベル」だと強調しました。
「ステージ2というものを目指すということでありましたから、新規感染者は若干いま停滞気味、若干伸びている数字もありますけど、そういう意味では十分に解除のレベルではあるんですね」(田村憲久厚労相)
田村厚労大臣は16日朝の会見でこのように述べ、1都3県で感染者が増える傾向もある現状について、感染状況の深刻さを示す指標が「ステージ2」の範囲であれば緊急事態宣言が解除できる基準を満たしているとの認識を強調しました。また、医療体制については、今週の専門家による会合などでさらに意見を聞いたうえで慎重に判断する考えを示しました。
「変異の問題というのはまず変異ウイルスの遺伝子のデータが膨大に集まらないと分かりません。残念ながらそういう体制が今ないんですね。我々、臨床の現場からすると、それが非常にもどかしく、1年前から思っていました」(インターパーク倉持呼吸器内科 倉持仁院長)
一方、16日朝の国会では、コロナ患者の診療に当たる病院の倉持院長が、変異ウイルスの拡大に懸念を示したうえで、感染者の広がりを正確に把握するため、PCR検査などの拡充を政府が主導すべきだと訴えました。
(TBS NEWSより)
横バイの時には緊急事態宣言を解除しても横バイはすぐには変わらない。変わるのは、次の波つまり第4波が急激に立ち上がるまでの期間だ。これが確実に短縮される。しかも変異株は毒性が強いという。少し前に、昨夏日本を見舞った第2波は弱毒性の変異株だったらしいとの研究結果が報じられたが、第2波の致死率は0.9〜1.0%だった。それが第3波は今のところ致死率が1.94%だ(昨年10月以降の数値)。それよりさらに致死率が高いとなると、気候が暖かくなる効果を差し引いても、第4波は3%を超える致死率になるかもしれない。
こんなタイミングで「打つ手がない」から宣言を解除するという菅義偉。下記ツイートで平河エリ氏が呟いたように、総辞職した方が良いのではないか。
打つ手が無いなら解除するくらいなら、いっそ打つ手が無いので総辞職していただいたほうがいいのではないか
— 平河エリ Eri Hirakawa | 読む国会 (@yomu_kokkai) 2021年3月14日
*1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/
*2:この人物を私は全く買っていないが、波の呼称だけは適切だと思うので彼の言い方を借りた。
*3:こういう人を報道番組に出演させるのはどうかと思う。