kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

国内の新型コロナウイルス感染症週間新規陽性者数10,812人、死亡者数206人 (2021/3/20-26) 〜 第4波の拡大により新規陽性者数が急増

 日々発表される新型コロナウイルス感染症の陽性者数は、このところずっと毎週水曜日から金曜日にかけてが多い。少し前までは木曜日から土曜日までが多かったが、第3波のピーク時には1日の陽性者数が最多で8千人近くにまでなっていたことから処理能力鵜が増強され、その影響で当時と比べると陽性者が少ない現在は、以前よりは多少早く結果が出るようになっているのだろうかと想像している。

 しかし、第3波のピーク時と比較するとまだ少ないとはいっても、第4波の立ち上がりは急速に加速している。下記はNHKのデータ*1に基づいて作成したグラフ。上が昨年3月以降の7日間移動平均の対数プロットで、下が昨年10月以降の週間値の線形プロット。

 

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国内のCOVID-19新規陽性者数及び死亡者数 (2020/3-2021/3, 7日間移動平均対数=NHK)

 

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日本国内のCOVID-19の週間新規陽性者数と週間死亡者数 (2020/10/3-2021/3/26, NHK)

 

 テレビ朝日報道ステーションを見ていたら、緊急事態宣言も解除されたし、もう大丈夫だろう、などという「街の声」が紹介されていた。しかし現実には上記2つのグラフが示す通り、第4波がはっきり立ち上がっている。週間の新規陽性者数が6週ぶりに1万人を超えた。昨年の第3波でいえば11月中旬の状況のに当たる。また、前週と比較して新規陽性者数が2千人以上増えたが、こういう増え方をした時期は第3波には2回あって、最初が11月7日から13日の週で、この時には前週より一気に3,596人も増えた。この波を私の大嫌いな宮沢孝幸は「第3-1波」と呼んだ。2回目は12月20日から26日の週で、いったんピークアウトするかに見えた新規陽性者数が再び急増して、前週よりも2,270人増えたのだった。前記宮沢の呼称によれば「第3-2波」である。これがちょうど今から3か月前で、この時にはその2週後の今年1月2日から8日の週に、新規陽性者数が前週よりもなんと11,648人も増え、1月8日に緊急事態宣言が発出された。

 つまり、最悪の場合には今から2週間後に今年の年初と同じような状態になっていても不思議はないということだ。今から2週間後というと4月10日であり、昨年を思い出すと4月8日に緊急事態宣言が発出されたのだった。

 しかし前の2回と違って、今回は緊急事態宣言を終えたばかりだ。これが諸外国のように、既にワクチン接種がかなり進んでいる状態であればまだ良かったが、「後手後手の菅」の政権が本領を発揮して後手に回ったために、国内のワクチン接種は遅れに遅れている。要するに「打つ手なし」の状態での感染拡大であることが深刻なのだ。

 なお私は、今回の波は前回の「第3-1波」と同様にそれほど大きなピークにはならず、その後に「第3-2波」にも似た大きなピークに襲われるのではないかと勝手に予想している。というのは、今回の波に占める「感染力の強い新規株」の寄与は、兵庫県大阪府などではかなり大きいようだが、他の自治体ではまだそれほどではなさそうに思われるからだ。周知の通り、東京都では陽性者が変異株に感染しているかどうかの検査を、検体の1割くらいに対してしかやっていないらしいが、それでも都では日に300〜400人くらいの陽性者が出ているから、そのうち30〜40人分については変異株の有無を調べているはずだ。ところが東京都から発表される変異株感染例の数は少ない。

 以上から、現在の第4波あるいは第4-1波は従来型と変異株が混ざっていて、そのうち従来型がピークアウトしたあとに、主に変異株による、より規模の大きな第5波あるいは第4-2波に襲われるのではないかと予想される。実際にこのようなシミュレーションを発表した大学などがあって報道もされたが、それが当たるかもしれないと思い始めているわけだ。もちろん私の予想は大学の研究とは違って単なる山勘だから、この予想が外れて来月早々にも今年の年初を思い出させる感染爆発に至る可能性もある。いずれにしても間違いないのは、報ステが拾った「街の声」のように「緊急事態宣言が解除されたからもう大丈夫だろう」という希望的観測は、必ずや裏切られるに違いないことだ。

 

 320日(土)から326日(金)までの1週間の新規陽性者数は10,812人(前週比25.3%増)、死亡者数は206人(同25.4%減)だった。先週は前週比の新規陽性者数と比べて11.4%の増加だったから、今週は感染状況が先週と比べて一段と悪化した。また、1月の緊急事態宣言発出後もっとも新規陽性者が少なかった2/20()から2/26()1週間と比較すると、新規陽性者数は51.5%増加した。

 死亡者は大幅に減り、1日平均30人を下回るようになった。死亡者数を新規陽性者数で割った値は1.91%で、前週の3.20%よりさらに下がり、昨年1月以来の全期間の致死率1.94%(第3波のみでも1.95%)をわずかながら下回った。現在もまだ第3波の末期と第4波の初期とが重なり合っているが、第4波の寄与率が急速に拡大し、第3波の寄与を完全に上回る状態になったとみられる。