国内の新型コロナウイルス感染症週間新規陽性者数25,586人、死亡者数227人 (2021/4/10-16) 〜第4波陽性者数の指数関数的増加が継続し、死亡者数も反転増加。第3次緊急事態宣言発出は必至、東京五輪開催は絶望的

　菅義偉が訪米前にはとうとう「第4波」を認めなかったから、今回は昨年3月以来の新型コロナウイルスの国内陽性者数及び同死亡者数の7日間移動平均をリニアプロットしたグラフをまず掲載する。データはNHKの集計による*1。

f:id:kojitaken:20210417074902p:plain — 国内のCOVID-19新規陽性者数及び死亡者数 (2020/3-2021/4, 7日間移動平均線形=NHK)

　グラフから一目でわかる通り、現在は第4波により新規陽性者が急増しており、新規陽性者数の7日間移動平均値が第3波のピーク時の半分を超えた。また死亡者数の7日間移動平均も4月7日に1日だけ20人を割ったあと上昇に転じ、早くも第1波のピーク時を超えた。死亡者数が反転増加を始めてから間もないのにグラフが急峻なV字を描いているのは不気味で、既にイギリスで報じられた通りのN501Y変異株の強毒性を示唆している*2。

　この様子では、マンボウとやらでは対策が不十分であることは明らかで、遠くない先に第3次の緊急事態宣言が発出される可能性がある。というより発出は必至だろう*3。この場合には、先だっての第2次緊急事態宣言の時のような弱い制限では効果が弱いだろうから、もっと強い制限が課せられる可能性がある。また、大阪府に続いて東京都でも医療崩壊の危機に瀕することが予想されるから、五輪担当大臣であられるらしい丸川珠代が能天気に宣っているような「五輪選手に対する毎日の変異株検査」の実施など到底不可能だろう。丸川はなぜそんな馬鹿なことを言ったのだろうか。英訳すると "emergency" の文字が入る緊急事態宣言下での五輪開催などどう考えても不可能であり、ことに新型コロナに関しては日本よりはるかに安全なアジア諸国などでは、現在のような危険極まりない東京に選手を送り込みたくない国の方が多いのではないか。東京五輪の中止が決定される日がいよいよ近づいてきた。

　下記に、毎週載せている昨年3月以降の7日間平均値の対数グラフと昨年10月以降の週間値の線形グラフを示す。

f:id:kojitaken:20210417081814p:plain — 国内のCOVID-19新規陽性者数及び死亡者数 (2020/3-2021/4, 7日間移動平均対数=NHK)

f:id:kojitaken:20210417083439p:plain — 日本国内のCOVID-19の週間新規陽性者数と週間死亡者数 (2020/10/3-2021/4/16, NHK)

　4月10日（土）から4月16日（金）までの1週間の新規陽性者数は25,586人（前週比28.4%増）、死亡者数は227人（同52.3%増）だった。先週は前週比の新規陽性者数と比べて28.6%の増加だった*4から、今週は増加率が先週とほとんど変わらなかった。つまり指数関数的増加が続いている。1月の緊急事態宣言発出後もっとも新規陽性者が少なかった2/20(土)から2/26(金)の1週間と比較すると、新規陽性者数は3.58倍になった。また第3波でもっとも新規陽性者が多かった1/9(土)から1/15(金)の1週間と比較すると、新規陽性者数は59.2%であり、第3波の半分を大きく超えた。

　死亡者は2週間ぶりに増えたがいきなりの急増だった。先週の記事では、前の週の微増はイレギュラーなものだったのではないかと書いたが、むしろ先週の急減の方がイレギュラーだったかもしれない。死亡者数を新規陽性者数で割った値は0.89%で、前週の0.75%を上回って7週ぶりに増加に転じた。第4波による死亡者が増え始めたといえる。但し現時点ではまだ昨年1月以降の全期間での致死率1.82%（第3波は1.98%*5）を大きく下回っている。この数値が低いうちはまだ感染の波の初期なので、現在は引き続き第4波の初期にあるとみられる。