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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

宝塚市長選は立共社が支援した山崎晴恵候補が維新公認候補に辛勝。自民の推薦候補は惨敗

 昨日行われた兵庫県宝塚市長選は危なかった。あやうく維新公認候補に攻め落とされるところだったが、現職の中川智子市長から後継指名され、立憲民主党共産党社民党の支援を受けた山崎晴恵候補が辛くも制した。以下神戸新聞より。

 

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宝塚市長選 山崎氏が初当選 維新公認候補を破る

 

 任期満了に伴う兵庫県宝塚市長選が11日、投開票され、中川智子市長から事実上の後継指名を受けた無所属の弁護士山崎晴恵氏(51)が初当選した。県内4人の女性首長数は保たれた。維新が県内初となる首長誕生を目指して8年ぶりに公認候補を立て、7月にある県知事選の前哨戦として総力を挙げたが、接戦の末に敗れた。投票率は42・65%で、前回を3・52ポイント上回った。

 宝塚市長選には4人が立候補。山崎氏は「人に優しく、福祉に手厚い市政を守る」と中川市政の継承を掲げ、「オープン宝塚」をキーワードに情報公開の徹底や新産業の創出を訴えた。立憲民主党共産党社民党の支援を受け、無党派層にも支持を広げた。

 選挙前には、7月の知事選を巡って維新の県組織「兵庫維新の会」が、前大阪府財政課長の斎藤元彦氏に立候補を要請。宝塚市長選を「兵庫攻略に向けた戦い」と位置付け、総力戦を展開した。馬場伸幸幹事長や片山虎之助共同代表、鈴木宗男参院議員ら幹部や重鎮を次々に投入。県内選出の国会議員や県議、市議らを動員した。

 維新公認の元県議門隆志氏(54)は「維新が大阪でやってきた改革を、宝塚でもさせてほしい」とアピール。市長の退職金廃止や給与2割カットを公約に市の財政立て直しを訴えたが、コロナ禍の感染予防で思うように演説会も開けず、浸透しきれなかった。

 元県議森脇保仁氏(68)=自民推薦=は市政の転換を旗印に掲げ、基盤整備の充実や「教育再生」を進めると強調。7月の知事選を見据え、井戸敏三知事や金沢和夫前副知事、金沢氏を推していた県議団の十数人が駆け付けたが、得票は伸びなかった。

 

2021/4/11 23:28 神戸新聞NEXT

 

出典:https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202104/0014232732.shtml

 

 

 宝塚市長選は、社民党出身の前市長が後継指名して立民・共産・社民が支援した山崎(やまさき)晴恵候補と、維新公認の門隆志候補、自民が推薦した森脇保仁(やすと)候補の三つ巴となったが、山崎候補が辛勝し、森脇候補は惨敗した。門候補の「善戦」は、維新の脅威が阪神間に浸透する度合いが強いことを示している。市長選が今年ではなく去年吉村洋文のブームをマスメディアが無理やり作り上げていた*1頃に行われていたなら、この維新の公認候補が勝っていたかもしれない。

 

 

 「維新候補は基礎票以上」というのは本当に脅威だ。

 立憲民主党共産党が中心となっている現在の「野党共闘」は、共産党の右傾化を招いている一方、立民支持層のうち右寄り、あるいは特に新自由主義に惹かれる人たちが一定程度維新に流れる効果を生んでいることは間違いないだろう。

 実際、率民の支持層におけるネオリベ指向は相当に強く、それは2016年の参院選東京選挙区で2人立った民進党の候補のうち、蓮舫が圧倒的に多くの票を集め、小川敏夫蓮舫の半分にも満たない得票で辛うじて最下位当選したことによく表れている。

 さらに、この選挙で小川敏夫に投票した程度には「リベラル」なはずの某ブロガーが「熊谷俊人知事(千葉県知事)を立憲民主党の党首に」などと題したブログ記事を書くなどした。こうしたネオリベ的惰性力が今なお強いにもかかわらず、立共を中心とした共闘の方がメリットが大きいというのが、枝野幸男や「野党共闘」の創始者の一人ともいえる小沢一郎の考えであって*2、維新への一定の流出はおそらく織り込み済みではあろうが、それが今回の宝塚市長選のような綱渡りを招いたわけだ。

 なお、私は維新のような剥き出しの新自由主義の弊害が昨年来のコロナ禍で浮き彫りになりつつなるなど(その典型例が全国一感染状況が悪い大阪府の惨状だ)限界がはっきりしてきており、今後は間違いなく衰退へと向かうと考えているので、立民の判断は合理的だとは思う。一方、国民民主党や某新選組は潮流を読み間違えて苦戦しているのが現状ではないか。

 問題は立民よりも「左」側のあり方であって、たとえば共産党が「左の公明党」になってはならない。また、支持層も言うべきことを言わなくなってはならない。現在は「忖度」を過剰に感じさせることが多いと思われる。気がかりなところだ。

*1:大阪のテレビ局が中心になって吉村の虚像を作り上げたが、東京キー局も無批判に乗っかっていた。

*2:但し、小沢はかつて「私の考えは橋下市長と同じだ)」と言うのが口癖だったり、2017年の「希望の党」騒動に加担したりするなど、自らもネオリベ側と一体になろうとする傾向も強い。