昨日(5/21)、「改正医療法」が成立した。まずNHKの御用ニュースを引用する。
勤務医らの働き方改革推進 改正医療法 参院本会議で可決・成立
2021年5月21日 13時17分
長時間労働が深刻化している勤務医などの働き方改革を進めるため、医療機関に医師の健康確保措置を義務づけることなどを盛り込んだ改正医療法が、21日の参議院本会議で、自民・公明両党などの賛成多数で可決、成立しました。
改正医療法は、病院の勤務医などの長時間労働が深刻化しているとの指摘を受けて、医療機関に対し、救急医療などを担う医師に仕事と仕事の間に一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル」や医師による面接指導といった健康確保措置を義務づけるとしています。
また、新型コロナウイルスの感染拡大により、医療提供体制がひっ迫したことも踏まえ、都道府県が策定する医療計画に、新たに感染症対策を追加し、医療人材や病床の確保策などを盛り込むよう求めています。
改正医療法は、21日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党のほか、日本維新の会や国民民主党などの賛成多数で可決、成立しました。
医師の長時間労働をめぐって、政府は、時間外労働の年間の上限を、令和6年度から、一般の勤務医では、年間960時間、救急医療などを担う医師では、年間1860時間まで抑制する方針も示していて、医師の働き方改革を推進したい考えです。
(NHKニュースより)
出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210521/k10013043671000.html
弊ブログのNGワード*1が含まれる上記ニュースでは、何やらよさげなことばかりがうたわれているが、この法案、いやもう成立してしまったので「法律」になるが、これには大きな問題があった。以下、一昨日の共同通信より。
医療法改正案、21日に成立へ
2021/5/20 19:39 (JST) 5/20 19:55 (JST)updated
与野党は20日の参院議院運営委員会理事会で、21日の本会議で医療法などの改正案を採決する日程に合意した。与党などの賛成多数で可決、成立する見通し。改正案には、病院再編による病床削減を後押しする内容が盛り込まれた。少子高齢化や新興感染症に対応する狙いだ。ただ、新型コロナウイルス感染拡大で、医療体制は逼迫。再編が非常時の病床不足を招くとの懸念が根強い。
改正案は、病床を減らした医療機関に対し、患者を受け入れられないことに伴う減収を一時的に補填する補助金の交付制度をつくる。
(共同通信より)
出典:https://this.kiji.is/768060886811279360?c=39546741839462401
これが、しばしば「消費税を財源として病床を削減する」であるとして、共産党が「病床削減推進法案」と呼んで反対していた法案だ。下記「しんぶん赤旗」の記事にある通り、委員会採決で立憲民主党も反対した。
「病床削減法案」を可決
倉林議員反対討論 医療提供 脆弱さらに
参院厚労委
「病床削減推進法案」が20日の参院厚生労働委員会で自民、公明、維新、国民民主各党の賛成多数で可決されました。日本共産党と立憲民主党は反対しました。共産党の倉林明子議員は反対討論で、コロナ禍で日本の医療提供体制の脆弱(ぜいじゃく)さが明らかになったとして、病床削減を進めるのは「断じて許されない」と強調しました。
倉林氏は、消費税を財源に病床削減への補助金を法定化する同案を批判。医療の逼迫(ひっぱく)で入院できず施設や自宅で亡くなるコロナ患者が相次ぐ一方、今年度予算で削減される病床は単純計算で1万床規模にのぼるとして、補助金と厚労省による公立・公的病院再編統合リストの撤回こそ必要だと主張しました。
また、同案が医師の時間外労働を「過労死ライン」の2倍の年1860時間まで容認しているとして、「現状の医師の異常な働き方を合法化し、過労死の増加につながる。到底容認できない」と批判。「過重労働は絶対的な医師不足によるものだ。労働時間の上限規制はせめて他の職種と同水準とすべきだ」と強調し、医師が人間らしく働ける本当の「働き方改革」を求めました。
倉林氏は、同案で推進する医師から他の医療従事者への「タスクシフト」(業務移管)に対しても、絶対的な人手不足を放置したままリスクの高い医療行為の業務移管を進めれば「医療の質・安全性を脅かしかねない」と指摘し、医師・看護師の大幅増員こそ必要だと力説しました。
(しんぶん赤旗 2021年5月21日)
出典:https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-05-21/2021052101_03_1.html
最初に引用したNHKのニュースと読み比べると興味深い。もちろん私にとっては共産党の主張の方がはるかに説得力がある。病床削減はもうずっと続く自民党政権の新自由主義政策だが、自民党以上に過激な新自由主義をとる地方政党である大阪維新の会から首長が出ている大阪府・大阪市で新型コロナ第4波による医療崩壊が現に起きている。また時間外労働の上限である1860時間というのがいかに異常な数字であるかは、働く者であれば直ちに理解できるだろう。
立民・田島麻衣子参院議員の反対討論予定稿のリンクも下記に示しておく。ちょっといちゃもんをつけると、予定稿の末尾に弊ブログのNGワード*2が含まれているのが気分が悪かった。
社民党は委員会には議員を出していないが、もちろん本会議では反対した*3。しかし国民民主党は日本維新の会ともども賛成しやがった。とんでもない政党だ。
そのとんでもない政党の衆院選岐阜2区候補予定者であるらしい元吉本興業社員の大谷由里子が、下記のツイートを発した。
なんでこうなるの?誰がやってるのか知りたい‼️ https://t.co/NRdCtkSw2F
— 大谷由里子@国民民主党 (@YurikoOtani) 2021年5月21日
さすがは元やすきよのマネージャー。こんな件でも笑いをとろうというのだろうか。
上記ツイートへの反応。
おたくの党首にご確認ください。
— HamHam (@Hmstsk) 2021年5月21日
そうだな。大谷由里子は玉木に聞くしかない。