kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

旧ソ連か大政翼賛会か、自民党総裁選で安倍晋三が無投票再選

自民党総裁選における安倍投票の無投票再選について、批判派からは北朝鮮や中国になぞらえる意見が多出しているが、現在の北朝鮮や中国よりももっと(私にとって)ピッタリくるのは、旧ソ連(それもスターリン時代)とのアナロジーである。あるいは戦前日本の大政翼賛会か、さもなくばナチスドイツにたとえるべきであろう。

昨日(9/8)、職場で日経新聞をめくっていると、安倍晋三支援派が野田聖子の動きを「反党行為」だと言って非難していたらしいことを知った。全体主義そのものだな、結局は「文化芸術懇話会」の連中の思い通りになったな、と思ったのだった。「政治と芸術 全体主義の教訓」(7/12朝日・前田直人記者) - kojitakenの日記(2015年8月2日)に書いた通り、朝日新聞の前田直人編集委員は、安倍晋三の無投票再選を目指して自民党の極右議員どもが立ち上げ、「マスコミを懲らしめる」という、大西英男だったかの妄論で世論の批判を浴びた「文化芸術懇話会」について、その名称じから「政治権力が気にくわない芸術を『難解』『退廃』と排撃。意に沿う芸術家の表現力を権威の宣伝に使」ったスターリニズムやナチズムを連想して「ゾッとし」た。

あの当時は世論も憤激し、安倍内閣の支持率も下がったが、軍事介入宣言を「積極的平和主義」と言い換えた「安倍談話」を「談話は無難な言葉を使っているから批判は難しい」などと擁護した「リベラル」はその怒りも忘れてしまったのだろう。日本には同様の人間があまたいたと見えて、安倍内閣の支持率はV字回復し、遅れてきたスターリニストたちの思い通りの安倍無投票再選という最悪の結果を招いてしまった。折しも突然現れて日本を襲ってくる台風18号による暴風雨は、日本の前途を暗示するかのようだ。

朝日新聞(9/9)の1面にも、下記の記事が出ていた。

 首相を支え、政策を進めたいという党内の理屈があることはわかる。しかし、首相への異論を許すまいと、ここまで対立候補を抑え込もうとした総裁選は記憶にない。党の勉強会で、自民党議員から「マスコミを懲らしめる」という発言の素地になっていないか。

朝日新聞 2015年9月9日付1面掲載 政治部次長・西山公隆記者署名記事より)


冒頭の一文は完全に余分だし、全体的にもに書きっぷりが甘過ぎるが、自民党の勉強会(=「文化芸術懇話会」)に言及した感覚だけは買えるので引用した。

安倍晋三が再選された8日、労働者派遣法改正案が参院厚生労働委員会で急いで可決された。今日(9日)参院本会議で可決後、明日(10日)衆議院に戻して*1可決成立すると報じられている。

この派遣法改正について、昨日の日経によると、いわゆる「アベノミクス*2」の「成長戦略」のうち、「岩盤規制改革」の「柱」ということらしい。で、同じ日経に物価上昇率の推移のグラフが出ていたが、消費税増税率引き上げ後徐々に下がっており、デフレに逆戻りしつつあるといえる。そこにもってきて格差を固定化する「アベノミクスの成長戦略」とやらを発動された日には、本格的なデフレ時代の再来となっても不思議はない。「リフレ派」のかなりの部分は、「金融緩和が何よりも優先する。それができるのは安倍晋三だけだ」として、安倍晋三を無条件で支持しているようだが、私には狂気の沙汰としか思えない。いくら金融緩和をやったところで、それにブレーキをかける緊縮財政政策や格差を固定化する労働政策なんかをやらかした日には、いつまで経ってもデフレ脱却など夢のまた夢であろう。

このところ毎日のように書くが、お先真っ暗の闇の濃さがますます増していく。

*1:安保法案の審議が長引いた影響で、法律の施行を9月1日から9月30日に変更する修正がなされたため、衆議院での再可決が必要になった。

*2:ここではこの言葉を意識的に使用している。