kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

立花隆死去

 立花隆が4月30日に亡くなっていた。訃報は今朝(6/23)報じられた。

 私は氏の本をそれほど読んでいない。2009年以降の12年半では、文春文庫の『天皇と東大』全4冊を2013年に読み、岩田陽子との共著『立花隆の「宇宙教室」 - 「正しく思考する技術」を磨く』(実業之日本社)を2016年に読んだ。後者はほとんど記憶に残っていないが、『天皇と東大』は面白かった。ブログでも何度も取り上げた。

 この本の単行本初出は2005年だが、その2年後に立花は東京大学出版会から『南原繁の言葉 - 8月15日・憲法・学問の自由』を刊行した。この本も買って読んだが、読書記録をつけ始める前だった*1

 

 

 それと同じ頃だが、月刊『現代』2006年10月号に「緊急寄稿 安倍晋三に告ぐ「改憲政権」への宣戦布告」を発表し、同誌の翌2007年7月号から『私の護憲論』を連載した。当時、立花は保守の立場からの護憲論を展開するとともに、第1次安倍内閣の妥当に燃えていた。当時の立花にとっては日本国憲法が大きな関心事だったようだ。しかし、2007年末に膀胱癌の手術を受けた以降は徐々に憲法や政治に関する発言が減っていった。覚えているのは、民主党への政権交代直前の2009年4月1日付だったと記憶するが、朝日新聞のオピニオン面で立花が大々的に小沢一郎を批判したことだ。それをブログ記事*2で取り上げたら、小沢寄りの方からお叱りのコメントをいただいたことを覚えている。しかし、第2次以降の安倍内閣に対しては、立花が先頭に立って安倍晋三を批判する機会はなかったように思う。

 立花は2016年に『武満徹・音楽創造への旅』(文藝春秋)で吉田秀和賞を受賞したとのことだが、これはとんでもなく分厚いハードカバーの本だったので敬遠して手を出していない。作曲家・武満徹(1930-1996)へのロング・インタビューを、武満の没後20年のタイミングに合わせて出版したものだ(発行日として銘打たれた2月20日は武満の命日)。大きな本屋に行けば、立花の追悼コーナーに並ぶかもしれない。

 武満徹が亡くなった1996年は、某人にとっては司馬遼太郎丸山眞男が亡くなった年かもしれないが、私にとっては武満徹遠藤周作藤子・F・不二雄が亡くなった年だ。武満と司馬は2月に、他の3人は8月から9月にかけて亡くなった。吉田秀和は2012年に98歳で大往生した。吉田は武満の1.5倍ほども長生きした。

 立花隆の寿命は、武満徹吉田秀和の中間くらいだった。日本人男性の平均寿命は、今ネットで調べたら2019年の調査で81.41歳とのことだから*3、立花はそれに半年ほど満たずに亡くなった。8年前に読んだ『天皇と東大』以後は、前記の軽い共著1冊しか読まなかったが、書店に追悼コーナーが設置されるだろうから何冊か読んでみようか。

*1:おそらく2007年夏頃だったと記憶する。

*2:弊ブログではなく、当時メインブログとしていた「きまぐれな日々」だったと思う。

*3:https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/oldage/2.html