kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「河野太郎が最悪」である理由

 3日前に公開した下記記事に「自民党総裁候補で最悪は河野太郎」と書いたところ、ご批判のコメントをいただいた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 カンダタ

なんで、自民党の候補の中で最悪とか、今更言うんですか?自民党は皆最悪でしょう。本当にこんなことが話題になること自体汚らわしいと思います。反吐が出そうです。

 

 そう言いたくなるお気持ちはよくわかる。私も、河野太郎が名乗りを上げる前には自民党総裁選のことなど書きたくもなかった。だが、河野が出てきた以上書かざるを得ない。その理由をこれからご説明する。

 まず、今の日本にとって最大の脅威は何かというと、やはり新型コロナウイルス感染症だろう。また、今の日本の政界でこの国に住む人々を脅かす政界の脅威は、私見では下記の3つだ。

 第1が新自由主義勢力の脅威。菅義偉がこれに属し、菅のブレーンには竹中平蔵がいる。河野太郎もこの勢力に属する。

 第2が極右の脅威。その親玉が安倍晋三だ。

 第3は第1、第2の両方と被るが、自民党の中でもごく少数による寡頭政治の脅威。ほんの少し前までは二階俊博もその一人だったが、二階はついに安倍晋三麻生太郎によって失脚寸前にまで追い込まれた。2012年から2020年まで続いた悪夢の安倍政権は首相・安倍、官房長官・菅、自民党幹事長・二階のトライアングルによって壟断され、この寡頭政治が日本の政治をズタズタにするとともに、世界に占める日本の位置づけを大きく下げた。だから自民党政治自体を可及的速やかに終わらせなければならないというのが私の立場だ。

 私はたとえば、下記くろかわしげる(黒川滋)氏の意見には大反対である。

 

 

 何を言うか。日本国民にとって一番リスクが高いのは、このまま自民党政治が続くことではないか。これが私の意見だ。

 これが大前提だが、それでは前記の3つの脅威のうち、現時点で一番の脅威は何か。それは新自由主義の脅威だというのが私の確信するところだ。なぜなら、新型コロナウイルス感染症対策を進めるうえでもっとも大きな障害になるのがネオリベ政策だからだ。

 だからこそ、昨年の自民党総裁選で、もっとも新自由主義色の強い菅義偉が、対立候補岸田文雄石破茂と比較しても、新型コロナ対策に関しては最悪だと言い続けた。現に菅はGoToキャンペーンと東京五輪開催に突き進んだあげく、今年8月に56万人もの新規陽性者を出して自滅した。

 今回は石破茂が出馬せず河野太郎の応援に回る公算が強まったという。その直前には、二階派は石破か野田聖子のどちらかを推すだろうとか、両方は無理だからどちらかで、おそらく石破だろうと言われていたが、石破が降りれば河野太郎岸田文雄の一騎打ちになると言われている。私は後述のようにそうはならず、多くの自民党議員や自民党員、それどころか日本国民のかなりの割合が河野太郎へと雪崩を打つと予想しているけれども。

 その話をする前に、特にネットでかまびすしい高市早苗に触れておかなければならないだろう。某「リベラル」ないし都会保守のブログを見ていると、「高市氏を大敗させて、安倍、麻生氏も失墜させてしまいたい」と書いてあったが、何も力み返らずともそうなるに決まっている。いや、安倍は「失墜」までには至らないだろうが、党内における安倍のプレゼンスが大きく低下することは間違いない。

 というのは、高市にはごく一部の界隈を除いて人気が全くないからである。今回の自民党総裁選については、普段はあまり引用したくないのだが、「世に倦む日日」氏の見方に共感するところが(珍しく)多いので、あえて氏のツイートを引用する。

 

 

 

 その通りだと思う。おそらく、高市早苗を本当に総理総裁にしたいとまでは安倍も思っておらず、決選投票では自らが音頭をとった高市の推薦人らを含む党内極右勢力を岸田文雄支持に回すつもりで、それでも最初は極右勢力を伸ばしたいという意図があったのだろう。

 しかし、アナクロ高市では衆院選に勝てないのである。あの稲田朋美が極右色を薄めつつあるのは、世論の変化や世界の潮流に対応しての行動だ。ところが高市は山谷某らとともに昔から全然変わらないままで、だから安倍に推されたりするのだが、完全に時代から取り残されている。安倍晋三は自らが浦島太郎であることを全く自覚していないのだ。

 今回ここまで私が高市早苗にほとんど触れずにきたのは、高市など最初から泡沫に決まっていて脅威になりようがないと考えていたからだ。この考えは今も変わらない。

 現在の最大の脅威は、高市のような古色蒼然の極右ではなくネオリベだ。もう少し「世に倦む日日」氏のツイートを引用する。

 

 

 石破茂には確かに地方の支持があるが、岸田文雄は疑問だ。だが、私が「最悪」と評した河野太郎と「次悪」と評した岸田文雄の比較であれば、岸田をとるしかない。なお石破もコロナに関しては小林よしのりや宮沢孝幸と意気投合するていたらくだから、河野よりはマシであるにしても岸田より悪い。

 

 

 モーニングショーは全く見ていないので知らないが、玉川が河野推しなのか。少なくない「リベラル」層の人間が河野に甘いのはそのあたりにも一因があるのかもしれない。私は一度、news23河野太郎を番組に呼ぶ予告編を見て(本編は見なかった)、小川彩佳がお追従の笑みを浮かべているので嫌になった(好感度が一気に劇下がりしてしまった)。このように、テレビ朝日もTBSも河野にはやたら甘い。この事実を軽く見てはならない。衰えたとはいえ、テレビの影響力はネットとは段違いだからだ。

 

 

 河野は無能であるばかりではなく、コロナ対応においても極悪のネオリベ性を剥き出しにしていた。このあたりについてはkazukazu88氏のツイートが参考になる。

 

 

 ここで「ネオナチと関係」と書かれているのが高市早苗を指し、「高リスク者とエッセンシャルワーカー飛ばしてワクチン使って大企業と癒着」と書かれているのが河野太郎を指す。実際、ワクチン担当大臣だった河野がやったのは、高リスク者とエッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちに対するワクチンをすっ飛ばして「職域接種」を推進したことだった。私はkazukazu88氏のツイートをずっと読んでいるが、イギリス在住の氏は、こんなことをやるのは世界でも日本だけだと指摘し続けていた。こんなのは竹中平蔵の意に沿った極悪ネオリベ政策以外の何物でもない。

 

 

 溝手顕正が落選に追い込まれても安倍晋三の靴を舐め続けた岸田文雄など虫酸が走るが、それでも安倍晋三菅義偉高市早苗河野太郎らよりは岸田の方がマシだろうと言われれば、その通りだというほかない。比較する対象が論外だからではあるが。

 何より河野太郎を特に警戒すべき最大の理由は、ネットの「リベラル」勢力の中でも河野への忌避感が比較的に薄く、世間一般においてはテレビ朝日やTBSも大いに好意的な河野に対する好感度がそれなりにあることだ。

 衆院選を直前に控えた自民党議員たち、ことに当選回数の浅い「安倍チルドレン」とかいう連中にとっては、自らが選挙に勝てるかどうかが一番大事だ。だから、いくら自分たちを当選に導いてくれた安倍晋三が推そうが、おいそれと高市早苗なんかは担げないのである。こんなことは当たり前ではないか。

 以下にいくつか挙げるリベラル系の人たちのツイートは、あまりにも甘いと私は思う。

 

 

 岸田文雄枝野幸男なら「一定程度の議論」ができるかもしれないが、Twitterでのブロックしまくりで悪名高い河野太郎に「一定程度の議論」ができるとは、私には全く思えない。下記ツイートをご覧いただきたい。

 

 

 また下記のツイートも全くいただけない。

 

 

 いや、現在もっとも深刻な問題はコロナですよ。コロナに対して、完全に菅・竹中路線に沿った極悪ネオリベ政策を河野太郎なんかを認めて良いのか。このことがリベラル人士たちに問われていると私は強く思いますよ。

 

 さらに、下記の堀新氏のツイートに至っては脱力してしまう。

 

 

 そんな「指令」なんかが出てるはずないでしょうが! いったい何考えてるんだ、あんたは!!!(激怒)

 私はただ、これ以上新自由主義政策を続けてもらいたくないだけですよ。それでなくても、昨年来のコロナによるしわ寄せは私自身の生活にも大きく影響していて、もういいかげん疲弊しまくってるんですよ。だから私にとって「反ネオリベ」は切実な問題なわけです。たとえ一時期だけであっても、河野首相なんか全く容認できませんよ。

 

 最後に自民党総裁選と衆院選だが、どう考えても「衆院選自民党が一番勝てる」候補は河野太郎だし、昨日伝えられた石破茂河野太郎に乗る話が実現すると、河野が一躍有利になる。というのは、昨年の自民党総裁選での地方票は、菅義偉89票、石破茂42票、岸田文雄10票だった(下記リンクを参照)。

 

www.nhk.or.jp

 

 河野太郎にどのくらい地方票の集票力があるのかは知らないが、石破の票が乗っかると大きい。あるいは、その前に流れていた二階派は石破支援へと動いていたという情報を考え合わせると、二階は河野を当選させる方向に舵を切ったのではないかとも思わせる。

 そうなると、何が何でも自分が当選したい自民党衆院議員たちは、たとえ安倍晋三らボスたちが最初の投票では高市早苗、決選投票では岸田文雄という思惑を持っていたとしても、それには従わずに河野太郎へと一気になびく可能性が高いのではないか。

 私が念頭に置いているのは、あの不人気を極めた森喜朗のあと、橋本龍太郎が再登板する可能性が高いだろうとの大方の予想を裏切って、小泉純一郎が総裁選に当選した2001年春のことだ。「文春砲」にパワハラが叩かれるなど、一定程度には悪名が浸透している河野では、さすがに小泉純一郎と同じように大ブームを巻き起こして国政選挙(2001年参院選)で圧勝するところまではいかないかもしれないが、衆院選自民党が普通の勝利を収めるくらいの計算は立ちそうだ。

 何より重要なのは、テレビ朝日やTBSが甘い顔をする河野太郎の正体は「高リスク者とエッセンシャルワーカー飛ばしてワクチン使って大企業と癒着」する、極悪のネオリベ政治家であることだ。これが問題の核心だ。

 それでなくてもGoToだの東京五輪だのと言った菅義偉ネオリベコロナ対応によって感染が大きく広がり、そのしわ寄せを食いまくっているのに、この上まだ菅・竹中路線を継承する河野太郎政権なんかが出現するかもしれないと思うと、たまらなく暗い気持ちになる。

 だから私は「河野太郎だけはやめてくれ」と強く願う次第。