新型コロナウイルス感染症の国内新規陽性者数の立ち上がり方はこれまででもっとも激しい。第1波のピークは既に超え、第2波のピークも間もなく超える。NHKのデータ*1に基づく7日間移動平均値の対数グラフを以下に示す。
今回の感染拡大にもっとも大きく寄与しているのは米軍だ。こういう言い方をしてはならないとされているのは知っているが、「米軍ウイルス」という仇名が思い浮かんだ。1年前までNHKあたりまでもが「イギリス株」とか「インド株」などと平気で言っていたのだから、ここで「米軍株」と言っても罰は当たらないのではないかと勝手に考えている。
ところで、米軍による感染拡大に関して、下記のツイートを拾った。
今回の沖縄の感染拡大の最大要因は基地だ。米軍の主要な水際対策は入国前後でのPCR検査。2020/8-は徹底されていたが、それが2021/9-にひそかに中止されていたのが最大の原因。水際対策でPCR検査をしていた期間は米軍基地での感染爆発はほぼなかった。故に、水際対策でのPCR検査は有効だったといえる。
— 徳田安春(Yasuharu Tokuda, MD MPH)医師、筑波大客員教授、ハーバード大学MPH (@yasuharutokuda) 2022年1月5日
真偽は不明だが、医師にして筑波大客員教授、ハーバード大MPH(Master of Public Health, 公衆衛生学修士)の方の発信だ。信憑性は高いとの心証を持った。
まず思うのは、なぜ米軍のPCR検査が2020年8月に始まって2021年9月に終わったかということだ。
2020年8月開始というのはわかる。その頃は、真夏だというのに感染力は強いが弱毒とされる変異ウイルス(「東京株」との異名があった)による感染が急拡大していた。国内での第2波の時期に当たる。
しかし2021年9月から「ひそかに中止されていた」というのは解せない。昨年9月は第5波の減衰期ではあったが新規陽性者数はまだ非常に多く、9月30日の時点でも国内の新規陽性者数7日間移動平均値は1904人を数えていた(今年1月5日の数値は971人)。沖縄県に第4波の時からずっと出されていた緊急事態宣言が解除されたのは9月30日だが、それを機にPCR検査を止めたのだったら9月ではなく「10月1日から中止」になったのではないか。その前から既にPCR検査を止めていたのではないかと疑われる。
ここで思い浮かぶのが東京五輪だ。米軍発の感染拡大が起きれば東京五輪開催に支障が生じるから、五輪が終わるまでは検疫をきっちりやってくれとの要請が日本政府あたりからあったのではないかと勘繰りたくなる。もちろん陰謀論仮説に過ぎないが。
いずれにせよ新春早々気分の悪い話だ。気分の悪いついでに、ろくでもない奴隷根性ツイートを発する懲りない面々の馬鹿ツイを指摘したツイートを挙げておく。
観光客が要因なら、観光客の多い京都や北海道もオミクロン株の感染爆発が同じく起きるはず https://t.co/sGeqT3Lthb
— Oricquen (@oricquen) 2022年1月5日
ええ、そんな論法があるんですか
— しらたきがいなければ日本が立ちゆかない (@sirataki_kokkai) 2022年1月5日
デニーさん大分怒りを抑えている風にすら見えたのに... https://t.co/wFvoK5eNte
いやはや、開いた口が塞がらない。
[追記]
宮武嶺氏のブログによると、米軍がPCR検査を「日本政府に無断で止めた」のは2021年9月3日からとのこと。いよいよもってとんでもない話だ。
以下に関連箇所を引用する。
日本維新の会と国民民主党が参加を拒否している野党による政府官庁に対する2021年12月のヒアリングによると、何と米軍は、2021年9月3日から、日本政府に無断で勝手に、米国から日本に入る部隊に対する入国前検査をせずに入国させていたことが明らかになっています。
出典:https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/e501cc5ebe6d9f5558093b895de3972c
維新と民民は何の役にも立たない「ゆ党」ないし「よ党」ってとこだな。
なお9月3日というと、ちょうど前首相にして新型コロナの応援団長・菅義偉が辞意を表明したタイミングで中止されたことになる。この日の国内新規陽性者数7日間移動平均値は18365人。最多だった8月25日の23192人から9日後、新規陽性者数がピーク時の3割しか減っていない段階でPCR検査が打ち切られるという異常さだった。