新型コロナ第6波は、1/13の新規陽性者数が1万9千近く、死亡者4人。新規陽性者数7日間移動平均値の前週比6.32倍(倍加時間2.63日)になった。倍加時間はピーク時(1/9, 10)の2.11日から2.63日に延びた。
東京都などではまだ「2日で倍」のペースで新規陽性者数が増えているが、沖縄県ではもうそんな増え方はしていない。イギリスなどでは減り始めている*1。
Good to see Omicron U-turns@OurWorldInData pic.twitter.com/x5Txx4YP2N
— Eric Topol (@EricTopol) 2022年1月12日
ただ、新規陽性者数のピーク値がどれくらいになるかはわからない。過去に吉村洋文や黒岩祐治といった軽薄な首長らがが飛びつこうとした「K値」なるインチキ理論があって予測を外し続けたことは記憶に新しい。あれで有名な原子核物理学者だかが晩節を汚したという話もあったように思う。そういえば彼らの尻馬に乗った京大の万年准教授・宮沢孝幸は今どうしているだろうかと思ってネット検索をかけてみたら、相変わらず大阪のテレビ番組で辛坊治郎とつるんでいるようだ。在阪民放局というより罪犯民放局と呼ぶべきではないかと言いたくなる。ただ、宮沢のツイートをざっと眺めた限り、もはや「K値」の話はしていない。当たり前か。宮沢のツイートに漂っているのは「引かれ者の小唄」みたいな雰囲気だ。京大に西浦博がやってきたのは2020年8月だったか。それから1年半、宮沢の京大での残り時間は少なくなってきたに違いなかろうが、失意の研究生活晩年になるのだろうか。
ところで、下記記事を見ていると「デルタ株の致死率は1%で、オミクロン株はその半分」などと書かれている。
コメントの主は埼玉医科大学の岡秀昭教授だ。以下引用する。
――重症化率は低いとの報告もある。
「低いといってもデルタ株の半分程度、インフルエンザよりははるかに強い。一般的な風邪の致死率は0.01%で、インフルエンザが0.1%、デルタ株では最大で1%くらいあります。その半分ということは、何もしなければ1000人のうち5人が亡くなる計算。感染力が5倍なので、結果的に第5波よりも多くの重症患者が出て医療ひっ迫が起こるのではということです」
新型コロナ初期の頃、新型コロナの致死率は0.55%くらいとかいう話があったように記憶するが、岡教授が当初の新型コロナの致死率がどれくらいに見積もっているかは記事には書かれていない。でも「デルタ株の半分でインフルエンザの5倍」であればそれなりに強い。
それよりも注目したのは、ネトウヨが大合唱し、安倍晋三もその尻馬に乗って煽っている*2、新型コロナの「第5類への格下げ」に関する岡教授のコメントだ。
――岸田首相は指定感染症法上の区分について、現在の「2類相当」からインフルエンザと同じ「5類」への引き下げに現時点では否定的な考えを示した。
「これはまったくの正論で、法的位置付けを引き下げたところで今と状況は変わりません。現在コロナ患者を見ていない病院は、法的に見られないのでなく見るだけの設備、能力がないところ。2類相当から5類にすれば街のクリニックで診察できてすべての問題が解決するという人がいますが、それはコロナをただの風邪だと思っている人の意見。将来的には引き下げるとしても、未知の変異株が流行している今ではない。オミクロンによる第6波を乗り切って、新しい変異株が出ないようならそのときに検討すればいいこと」
昨夜のnews23*3でも、5類引き下げを主張する医師のコメントに続いて首相・岸田文雄のインタビューを流していたが、そこでも岸田は現時点での5類への引き下げはしないと明言していた。こういう点だけは安倍や菅よりも岸田の方が確実にマシだといえる。
過去の感染の波でも、第2波は弱毒株によるもので、しかも夏だったので緊急事態宣言なしで収束に至ったが、それに味をしめた菅義偉が第3波を軽視して「GOTOキャンペーン」に固執するなどの妄動に走ったために第3波の感染をとんでもなく拡大した。また、大阪の吉村洋文は、その第3波の前半*4でたまたま規制を強いられていたことで第3波の後半*5が首都圏などと比較して軽く済んだために、強毒株だったアルファ株による第4波を甘く見て大阪の医療崩壊を引き起こし、府下に多数の死亡者を出した。
こういう前例を思い出しても、オミクロン株がたまたまデルタ株より毒性が弱いからすぐ「5類への引き下げ」に走るのは軽挙妄動でしかないと思われる。長期的にはウイルスは弱毒化するにしても、そこに至る過程においては、アルファ株のような強毒株が今後も出てくる可能性がある。これは確率の問題であって、過去10年間の勝率がセ・リーグで一番低いヤクルトが2度優勝したりもするのである(話が違うか)。
昨日は「希望の党」再結成かも、というふざけたニュースもあったが、過去に「小池百合子と民進党との連携にちょっとワクワクした」という方のブログにさえ取り上げられていないし、その他のネットでの反応も鈍いので今日は取り上げないでおく。