kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

石原慎太郎死亡

 石原慎太郎が死んだ。石原が橋下徹ヒトラーになぞらえて賛美した事実が発掘されて久々に名前を聞いたばかりだった。その時、石原もそろそろじゃないかとふと思ったのだが、その予感がさっそく当たった。

 石原は、私が文庫本を買い始めた1974年には既に作家としては人気を失っていた*1。当時の石原は衆院議員で、「青嵐会」なる結成当時に血判状が話題になった物騒な右翼議連を結成するなどしていたが、1975年に東京都知事選に立候補して美濃部亮吉に完敗した。

 本質的に小心者であって、特に印象深いのは2005年の郵政解散直後、テレビに出て小林興起を擁護しようとしたところ、小泉純一郎びいきの他の出演者の冷たい視線を受けると「うっ、ぐっ」と呻いて黙ってしまった。その程度の人間だった。

 晩年に出した田中角栄をモデルにした本は、あまりにも内容が空疎だったからあっという間に全篇を立ち読みできたが、なんでこんな本が評判をとっているのか信じられなかった。

 石原が発した数々の暴言は、思い出すだけで不愉快になるから取り上げない。

 石原は十分すぎるくらい長生きしたから、死んだからと言って別に祝杯を挙げる気にもならない。もちろん冥福など祈らない。

*1:但し、一部には石原の「文学」を評価する向きもある。