kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

×××新選組のトンデモ陰謀論政党化にもっとも重い責任があるのは山本を誑かしたブレーンではなく山本太郎自身

 山本太郎及び彼の党(組)とウクライナ戦争について、下記記事にコメントをいただいた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 Jiyuuniiwasate

>>「アメリカがウクライナに武器供与するのを止めれば戦争はロシアの勝利で終わる」

これはまさに、従来の「ロシア分割」論と軌を一にしているが、気になるのはこれが山本太郎本来の主張かということ。
何度も指摘しているが、山本にしろ大石晃子をはじめとするれ新にしろ、ブレーンなり組織なりがついているはず。
で、そういった連中が戦略を立てたうえで、山本に言わせているのだろう。
もちろん、山本もすべて了承済みですっかり乗り気なのは映像を見てよくわかるが。
で、一番重要なのは、ロシア分割なり米の武器供与なり、こういった主張を喜ぶ勢力が、
恐らく日本国内に一定数存在するということだ。
例えば、想田和弘とかその典型例だろう。
山本は、明らかにこういう勢力を喜ばせるために、
意識的にデモンストレーションをやっている。
ブログ主が山本を批判すること自体は無論正しいが、
本質的に叩くべきなのは、こういう山本的な偶像を希求し称賛する少なからぬ勢力だ。

 

 山本と新選組がブレーンを抱えていてその受け売りをしているに違いないことは自明ですが、山本も党もブレーンが誰だか明らかにしていません。それについて、少し前(5月12日)に公開した記事で新選組の党運営の不透明さを批判しています。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 なお、×××の大きな特徴として、ブレーンが誰かもはっきりしないことが挙げられる。斎藤まさしはとっくに離れてしまったのか今も強い影響力を持っているのか。植草一秀との関係はどうなのか。あるいは最近よく聞く伊勢崎賢治との関係は、などなど。かつては「日本経済復活の会」という極右民族主義兼反「グローバリズム」系の集団との関係が強かったようだが、現在ではサイトの更新が滞るなどしている。

 しかしこれらの背景は、カリスマ指導者・山本太郎の強い威光に隠れてしまっており、外部からは窺い知ることができない。不透明もいいところなのである。実際には山本に与える影響力が強い少数者による寡頭制で党(組)が運営されていると見られるが、これは反民主主義的であるとともに反リベラル的な党運営であると断じるほかない。

 

出典:https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2022/05/12/081008

 

 「ロシア分割を企む者」とか「バイデンが戦争を続けたいのだ」などといった反米原理主義的陰謀論を山本に吹き込んだ者に大きな問題があることはいうまでもありませんが、その人士より山本の方がはるかに責任が重いことは当然です。組織においては上に行けば行くほど重い責任を負わなければならないのが本来の姿なのですから。ところがこの国では昭和天皇が戦争責任を取らなかったことに端的に見られる通り、組織の上の者が責任をとらないのが通例です。政治に関する一般人の意見発信も同じで、つい先日も「政治家よりも『信者』の方が悪い」という意見に異論を唱えたばかりです。それと同じで、山本にトンデモ陰謀論を吹き込んだ誰だかわからないブレーンよりも山本の方が責任が重いと、声を大にして弊ブログは叫びます。山本が独裁制の政党を作ったのが悪いのです。もちろんそんな政党に加わったり支持したりする人たちはあまりにも思慮に欠けるとしか私には思えませんけど。

 それで独裁制の問題点になりますが、独裁制とはいっても実際には寡頭制であって、王様だか天皇だかが(そういやあの政党の名前には元号が入ってますよね)気に入った言説が採用されます。私の見るところ山本は反米ナショナリストですから「敵の敵は味方」の論理によって親プーチンの心情を持っています。予断ですが安倍晋三は反中ナショナリストなので、中国を牽制したい動機からプーチンと組もうとしました。結果的に山本太郎安倍晋三は同じ立場に立ったわけですが、別々の敵味方論理によってたまたまそうなっただけです。

 新選組のようなカリスマ党首が君臨する小政党が存在する場合、ブレーンになって独裁党首に影響力を及ぼすようになると、自分の意見を簡単に世にアピールできることになります。これはそういう野心家にとっては論争相手を説得する面倒な手順が省けますから魅力的極まりないに違いありませんが、われわれ一般の人々にとってみたら実に迷惑な話です。議論が全くなされていない怪しげな言説が独裁党首の街宣で垂れ流されてしまうからです。それを退治できれば良いのですが、大勢の人々にアピールするのに成功すると悲惨な結果を招くことは、ナチスドイツの例を歴史が教えてくれています。

 以上から、現時点でもっとも強く非難されるべきは山本太郎を誑かす陰謀論者ではなく山本太郎自身であり、彼に責任を取らせるべく世論が圧力をかけるべきであるというのが私の意見です。

 まあしかし信者も信者ですけどね。3年前だったか、弊ブログにコメントしたさるMMTerの方が「山本太郎さんは賢いから間違えない」と堂々と書いてきたのを見た時には頭痛がしました。そんな態度で学問*1に接しようとしていることが信じられませんでした。およそまともな学徒の姿勢とは思われません。でも歴史的にも同様の「大学者」は結構いましたけどね。たとえば向坂逸郎は「ソ連は間違わない」と言ったことがあるとのことです。今の山本太郎一派と相通じるところがありますね。

*1:MMTだってもともとは検討する価値のある学説だったに違いないと私は考えている。日本の一部で隆盛しているらしいそれがどのようになっているかはともかく。再三書いてきた通り、MMTに関しては「誰それは賢いから間違わない」と平然と語るような「信者」の悪影響がなくなるまでの間は近づかないことに決めている。