某新選組の大西恒樹問題だが、MMT系だかどうだか知らないが「コアな信者」たちが大西擁護で固まりつつあったところに、参院議員の木村英子が強烈な反撃のパンチを繰り出した。
大西つねき氏の「命の選別」発言に対する私の声明です。
— 木村英子 (@eikokimura) 2020年7月15日
⇒https://t.co/XeijEVD5zF #命の選別 #大西つねき #木村英子
木村議員の主張は、上記ツイートから張られたリンク先をご参照いただきたい。私にはこちらがまっとうで、大西の主張は論外であるようにしか見えない。
今日(7/16)行われるという新選組の「総会」で、山本太郎は大西をとるか木村議員をとるかの二者択一を迫られることになった。
大西つねきが動画再掲してて、もうれいわ完全に統制取れてねぇな。信者が「つねきは問題提起しただけ」と擁護して、大西が調子コキ出したのか。山本太郎、これについては「大岡裁き」はねぇからな。どっち取るかだけだからな。ま、どっち取ってもお前には大ダメージは変わりないけど
— 軍畑先輩 (@ixabata) 2020年7月15日
山本太郎が街宣で「ツネキスト」云々と発言したことがあったらしいことを、どっかのツイートで見かけた。MMTerでもあるらしい大西は、新選組の経済政策を策定する中核の人間として山本の信頼が厚かったようだ。
一方、木村英子と(極右の)舩後靖彦両議院は、昨年の参院選で新選組が「当事者主義」を打ち出して躍進した時の目玉である参院議員。
両者のどちらをとっても山本太郎にとっては大きなダメージになることは避けられないだろう。
新選組は党の運営に致命的な欠陥があった。一言でいえば、カリスマ党首の独裁体制(実際には「カリスマ」を自在に操れる少数の人間がほしいままに運営できる寡占体制に過ぎなかった)によって、民主主義の原理が全く働かない党運営になっていたのだ。
このことを私はずっと指摘してきたが、「リベラル・左派」の多くは反応しなかった。それがようやく、都知事選での惨敗に引き続いて起きた「大西騒動」によって、古くからの山本シンパから痛烈な批判が起きることによって、現実を直視する人たちが増えてきたようだ。はっきり言って「遅すぎる」と思うし、この遅さはリベラル・左派界隈全般に見られる「忖度」体質の反映だとしか言いようがない。
なお、下記のこたつぬこ(木下ちがや)氏のツイートには全く同意できない。
結局、山本太郎は小沢一郎さんの下にいた方がよかった。小沢さんには批判もあるが、山本太郎は政党人として各野党の応援に奔走し、信頼を得ていた。しかしまた斎藤まさしに回帰したことで、信頼は失われて、完全に孤立した。このことは古くからの山本太郎支援者ならわかるはず。 https://t.co/S92v7TlnFb
— こたつぬこ (@sangituyama) 2020年7月15日
山本太郎は小沢一郎が2012年に犯した誤りを繰り返しているようにしか私には見えない。衆院選の選挙制度が小選挙区制を軸としている以上、反自民勢力の分裂は自民党を助けることにしかならない。「野党共闘」原理主義には私は大反対だが、衆院選が小選挙区制中心である以上、「共闘」はせざるを得ない。その際に「××主要打撃論」によって野党内の主導権争いにかまけて党の求心力を高めるやり方は百害あって一利なしだ。しかし、2012年の小沢一郎がやり、昨年から今年にかけての山本太郎がやったのは、まさにこの方法だった。2012年の小沢党は「民主党主要打撃論」、現在の新選組は「立民主要打撃論」によって党の求心力を維持してきた。「忖度」についても、長年の反小沢論者なら誰でも「ソンタクズ」という言葉が小沢一郎の取り巻きやオザシン(「小沢信者」)を揶揄する意味で用いられてきたことを指摘できるだろう。そもそも小沢一郎が党運営に成功したなど一度もないではないか。小沢の全盛期は1989年から1991年にかけての自民党幹事長時代であって、小沢とは自民党の党運営の遺産を食いつぶしてきただけの人間だ。
2012年1月に、小沢を批判する下記記事を公開したことが思い出される。
以下引用する。
小沢の政局展望もめちゃくちゃだ。
何言ってんだこの馬鹿。今の小選挙区制で民主党がほぼ全滅したら、自民党が前回総選挙の民主党並みに圧勝するに決まってるじゃないか。それとも、「みんなの党」が2003年総選挙における民主党と同程度の議席数を確保するとでも言ってるのだろうか。そうでもなければ「民主党ほぼ全滅」と「自民党過半数確保ならず」という事態は同時には起こり得ない。それとも、「維新の会」の国政進出か何かか?
ネットのブログ記事などを見ていると、いわゆる「小沢信者」のみならず、必ずしもそうではない人たちも含めて、この「小沢予言」のおかしさを誰も指摘しないが、いったいどうしてなのだろうか。
出典:https://kojitaken.hatenablog.com/entry/20120109/1326073559
上記の指摘も記事の公開当時全く相手にされず、多くの論者は小沢が根拠なしに語った「衆院選をやったら民主党はほぼ全滅だけれども、自民党も過半数を得られない」という言葉を、所与の前提であるかのように語った。小選挙区制の性質からしてそんなことはあり得ず、自民党が圧倒的に多数の議席を得る結果しか考えられないにもかかわらず。政治を語る人たちの間では「思考停止」が習い性になっているように私には見える。
現実に行われた2012年12月の衆院選で、小沢一郎の予言は完全に外れて小沢一派が乗っ取った「日本未来の党」は獲得わずか9議席の惨敗を喫した。むろん民主党も惨敗して自民党が圧勝し、安倍晋三が総理大臣に返り咲いて、圧倒的な議席数をバックにして独裁政治を始めた。ここに今に至る「崩壊の時代」が始まった。
総括が必要なのは何も山本太郎と某新選組ばかりではない。彼らの源流の一つである小沢一郎とその一派ならびに支持者や「信者」たちの総括も不可避だ。彼らは2012年に犯した誤りを未だに総括しようともしていない。