kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

岐路に立つ山本太郎と新選組

 既に書いたように、某新選組の総会で大西恒樹の除籍が決まったことは当然だが、斎藤まさしから主導権を奪うのが田中龍作や座間宮ガレイらであっては何も良くならないだろう。田中に関しては、7年前に批判した下記の件が忘れられない。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 田中龍作が山本太郎に肩入れする前にはオザシンだったのかどうかは知らないが、2013年に彼が比例代表制をこき下ろしたことは、衆院選小選挙区制を軸とする制度に改変するのに骨を折った小沢一郎にとってはありがたいことだったに違いない。

 

 座間宮ガレイは、ブログ「ざまあみやがれい」が人気を博していたことから大嫌いだった。あのブログは小沢一派とオザシンの宣伝機関そのものだったからだ。

 また座間宮は恐ろしく評判の悪い人士でもある。

 

shiminshakai.net

 

 某新選組の党運営があまりにもめちゃくちゃだったために、田中龍作や座間宮ガレイの主張が説得力を持ってしまっただけであって、田中や座間宮とて、間違ってもほめられた人たちではない。

 同じことは山本太郎とはたともこが決裂した件についてもいえて、三宅洋平擁立にこだわった山本があまりにひどかったために、こと三宅洋平擁立問題に関しては、反ワクチンのトンデモ論者として知られるはたに軍配が上がってしまうだけだ。なお、反ワクチンに関しては、山本太郎ははたともこと訣別した今も、はたに影響を受け続けていることを指摘しておく。

 それと、気になるとともに半分くらいは野次馬的興味があるのは、党内の財務大臣格だった大西恒樹を切ったあとの新選組の経済政策はどうなるのかということだ。

 俗流(?)MMTerの池戸万作は山本太郎新選組を批判するツイートを連発している。では、彼らの師匠格かどうかは知らないが、松尾匡と大西恒樹に接点はなかったのかと思って調べてみると、大ありだった。この2人は昨年10月に大阪で対談をしている。そして、それを宣伝したのが「日本共産党(左派)」の事実上の機関紙として知られるあの「長周新聞」だった。

 

www.chosyu-journal.jp

 

 今回の一連の「大西騒動」について、松尾匡は何かコメントしたのだろうか。

 何度も書く通り、宗教的熱狂を感じさせるMMT界隈があまりにも気色悪いので私は近づかないことにしているが、その界隈からあの大西の暴言が出てきたことは、界隈自体が大きな問題を抱えていることを示しているように思われる。そしてそれは、田中龍作や座間宮ガレイによる批判でさえまっとうであるかのように感じさせる某新選組の党運営の問題と根が同じなのではないか。

 私がリフレには一定の信頼を置きながらMMTを敬遠しているのは、20年ほど前だったか、リフレの是非について論者たちが真摯な議論を繰り広げているのを素人目に眺めていたことがあるのに対し、現在日本におけるMMT派の源流の一つとなっていると思われる「日本経済復活の会」から現在の池戸万作や大西恒樹に至る人やその信奉者たちからは、教義や教祖たち(その中には大西恒樹も含まれるのだろう)への信仰や帰依とでもいうべき新興宗教的な怪しさを感じるからだ。それは論理的では全くない、直感的な印象論ではあるが*1、あの界隈の人たちは信用できない、という思いがある。実際、山本太郎がリフレに傾斜していた頃は、ヤマシンたちの大部分は経済には無関心だった(ように見えた)のが、山本がMMTへと軸足を移した途端、ヤマシンたちは「緊縮」なる言葉を呪文のように唱えて政敵や論敵に対する「レッテル貼り」に愛用するようになった。消費税を減税ないし廃止するのであれば、それに代わる税収が必要だと考えるのが当たり前だろう。山本太郎もかつては「金持ち・大企業増税」をよく言っていたのだが、山本ウォッチャーの方によれば、山本は最近はあまり、あるいはほとんど、富裕層・大企業増税を言わなくなったという。そして、「財源が足りなければ紙幣を刷れ」、これは現在のような非常時においては普通の方法だろうとは私も思うが、信者たちのツイート群を見ていると、それが非常時ばかりではなく平時にも適用されて「無税国家」が実現できるかのような幻想がかなり広まっているようだ。こんな「教義」には富裕層も大企業も万々歳だろう。こうした不健全なあり方の中から、今回の大西の暴言が出てきたことは、決して偶然ではあるまい。MMT界隈に対する私の不信感は強まる一方だ。繰り返して書くが、界隈からあんな暴言が出てくること自体、MMTなる「学派」自体が深刻な問題を抱えているように見える。理論の主唱者たちは俗流の布教者たち(池戸や大西、あるいは三橋貴明もこの範疇に入るだろうか)とは違うとの意見もあろうが、それならそれで、彼らはそのことを広くアピールする必要があるだろう。経済学は「象牙の塔にこもっていれば良い」学問ではないはずだから。

 

 「広島瀬戸内新聞ニュース」より。

 

hiroseto.exblog.jp

 

2012年12月の総選挙を2.26事件にたとえると
民主党系=立憲政友会&立憲民政党
安倍自民党=軍部統制派
維新=青年将校
という感じだったろう。
青年将校」が高橋是清政党政治家に「天誅」を加え、青年将校自身も
失脚して、東條英機ら統制派が権力を握った。

 

2020年7月現在の状況を2・26事件にたとえると
市民連合系野党=政党
自民党=元老
新選組青年将校社会大衆党
軍部統制派=小池・吉村
という感じになりかねない状況かもしれない。
わたくし・さとうしゅういちの結婚祝いにきてくださった唯一の国会議員である
山本太郎がそういう役割を担うことになってほしくない。
消費税廃止論、新自由主義反対は堅持しつつ、規約や綱領をグリーンズジャパンのレベルで良いので整備する。そして市民連合系野党とも協調すべきは協調していく。
そういう姿勢をお願いしたい。

 

出典:https://hiroseto.exblog.jp/29098959/

 

 2020年7月にはもはや安倍晋三はフェードアウトしてしまっているようだが(笑)、「新選組青年将校社会大衆党」、「軍部統制派=小池・吉村」というのは本当にそうだと思う。

 そういえば知る人ぞ知るベテランのオザシンブロガー・山岸飛鳥氏も、山本太郎新選組青年将校になぞらえていた。山岸氏は小沢一郎支持に重心を置いた山本太郎シンパだろうから、ヤマシンとはいえず、山本太郎新選組に対してはある程度冷静な目で見ることができていると思われるが、氏のように従来山本太郎に肯定的だった人からも「青年将校」という言葉が出てくる現状は、深刻の一語に尽きる。

 それほど斎藤まさし一派や極右人士が屯するMMT一派の悪影響には想像を絶するものがあったに違いない。

 この記事の最初に書いたように、新選組の党運営の主導権が、斎藤まさし一派やMMT界隈から田中龍作や座間宮ガレイのような系統の人たちに移っても、極めて深刻な問題を抱えていた政治勢力が、深刻度においては多少マシになるものの普通に批判されるべき政治勢力に変わるだけの話だ。冒頭に紹介した、2013年に田中龍作が発した比例代表制に対する悪口雑言など、今思い出しても腹が立つ。そんな人たちが強い影響力を持つ政党になったとしても、新選組がミニ政党にとどまり続けることは絶対に間違いない。それに、先に書いた通り、新選組の経済政策はどうするのかという問題がある。仮にMMTから離れて共産、社民、立民、民民、維新などのどれかに似たようなものにするのであれば、独立した政党を構える意味などないだろう。一方、MMTにとどまるのであれば今と変わらない。

 やはり山本太郎元号を冠した新選組を解党して一度政治の世界から引退し、充電する時間を持った方が良い。その上で、自分の内から沸き上がる政治への情熱があることを自覚するなら、政治の世界に戻ってくれば良い。但し、マックス・ウェーバーの説いたように、政治家には忍耐力が必要だ。政界への参入以来、性急さばかりが目立った山本太郎のこれまでのあり方には、この観点からも合格点はつけられない。これは何も山本太郎ばかりではなく、性急さを求め傾向は、政治に新自由主義が浸透し始めてから今に至るまで、多くの政治家や政治勢力に見られることだと思うけれども。すぐに自らが属する政党を壊したがる小沢一郎や、「イラ菅」と呼ばれて、「議会政治は『期限を区切った独裁』」など言い放った菅直人もそうだった。

 山本太郎は、ほんの少し前までは「ツネキスト」がどうこうと言っていながら、新選組の総会のあとだったか、「大西恒樹(の発言)を擁護する人は、本当に新選組の支持者なのか」と言い放ったという。

 

 

 この発言は大問題だろう。下記のツイートの指摘が正しいと私は思う。

 

 

 もう一件挙げておく。

 

 

*1:私はどのみち素人なので、どうしてもそうならざるを得ない。