kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

泉健太も志位和夫も小池晃もひどいが、宏池会の岸田文雄や葉梨康弘のひどさは「底なし」だ

 立民の泉健太も共産の志位和夫小池晃もひどいけれども、総理大臣にして自民党総裁である岸田文雄のひどさは彼らにも増して「底なし」だ。私は岸田のみならず宏池会の病理だと考えているが、その典型例が法務大臣を首になった葉梨康弘だろう。葉梨の志の低さは想像を絶している。時間がなくてこの件が書けずにいたことが痛恨なのだが、欧州の先進国(もはや現在の日本はその範疇に入らない)では世論の反対を押し切って政治主導で死刑廃止が進められた。たとえばイギリスでは労働党政権が主導した。マーガレット・サッチャーは死刑復活を企図して死刑復活法案が二度出されたがいずれも大差で否決されたとのこと。保守党の中にも死刑反対論者が少なくなかったためだろうか。

 こういうイギリスの歴史と引き比べて、葉梨の「死刑はんこ」発言の低劣さはどうだ。岸田文雄はその葉梨の更迭に逡巡して傷口を広げ、内閣支持率はまた下がった。私はこのところ宏池会に対する嫌悪を年々強めていて、今や清和会と同じくらい大嫌いにまでなったが、葉梨と岸田の妄動はその嫌悪感をいや増した。

 共産党が零細新選組系のケムトレイル陰謀論者に相乗りしようとしている件には、東大工学部物理工学科ではそんなトンデモを是とする(あるいは「了とする」)考え方を教えていたのだろうかと志位和夫に呆れ果てたが、自民党内ではもっとも理性的であるかのような幻想が今も一部の人に持たれている宏池会に対しても似たような感想だ。志位も岸田や葉梨も、ともに知的水準の劣化がはなはだしい。だからとんでもなく非常識なことを平気でやろうとする。

 故安倍晋三がブチ上げ、岸田文雄が今やろうとしている軍事費倍増政策などその最たるものだ。

 私の少年時代の三木武夫政権時代(1974〜76年)に「防衛費の対GNP比1%枠」の議論がさんざんなされていた。当時から1%の枠をめぐる攻防が与野党でずっと行われてきて現在に至るが、安倍晋三に代表される右翼政治家たちは、これを一気に2%に持っていくことを考えた。これは人口が年々減少して国力が落ちている現在の日本にとってはあまりにも非常識な政策だとしか私には思えない。軍事費を増やした分だけ社会保障が切り詰められたり、あるいは軍事費倍増の財源として増税所得税法人税、消費税)が行われるなどのことが容易に思い浮かぶ*1

 私には軍事費倍増政策自体が「トンデモ」であって白紙撤回すべきだとしか思えないのだが、政権批判者の間にさえ軍事費増額を所与のもの、つまり解決すべき問題の前提としてしまう思考が蔓延しているようだ。たとえば下記ツイートがその一例。

 

 

 えーっ、軍事費倍額なるトンデモ政策に対する批判を「財政規律」の問題なる新自由主義的思考でしかとらえられないのかよ、と呆れた。なぜ「防衛費を増額するにしても」なる枕詞をつけてしまうのか。

 政権批判派がこんな調子だから、岸田が平然と極右にすり寄るのだろうか。宏池会というブランドだけで「ハト派」と見てくれるおめでたい人たちが少なくないことは岸田にとって幸運なのか、それとも不幸なのか。

 しかしながら、正直言って岸田政権に一日も早く潰れてほしいとまでは私は思わない。なぜなら、岸田に代わる総理大臣が過激な新自由主義者河野太郎だったり極右の高市早苗だったりしたら、「岸田の方がまだマシだった」と思うことになるのは避けられないからだ。

 現在の日本の政治状況に対しては、絶望しか感じない。

*1:故安倍を崇拝する右翼(極右)の多くは軍事費の倍増を赤字国債で賄えと言っており、軍事費倍増の財源を税に求めるのは「ザイム真理教」だと言っている。このあたりは零細新選組などの主張と鏡像関係にある。いや、新選組の中にも右翼(極右)の要素があるけれど。