kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「コオロギ事業に6兆円」昆虫食めぐり“血税が使われている”と拡散した情報は誤り。(簱智広太, 2023年3月2日付BuzzFeed)

 最近弊ブログの常連コメンテーターになった陰謀論者のカーマインスパイダーさんからブログ運営者である私がいたって興味薄の件に関して下記のコメントをいただいた。いつものように記事の主題とは全く関係ない。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 カーマインスパイダー

また怒られることを承知でスレチすみません。

リベラル派による共産党バッシングの裏でコオロギ食え、を電通パソナ日本政府マスメディアが強行していて、機内食に出した航空会社、大手製パン会社、が叩かれて開き直ってるようです。
私の見間違いでなければ徳島県(ちな、こたつぬこ氏が後藤田正純を応援してますね)も高校生にコオロギ食わせて叩かれてるような?

この背景にはSDGsといったあやしいものがあるようで。

Kojitakenさんはコオロギ食えをどう思ってます?

コオロギ食えを、

自公維新は全面肯定
国民民主党は肯定的
NHK党は不明
立憲民主党はダンマリ

共産党は反対みたいですね
れ〇わ、参政党は大反対

私は・・・賛成するわけないです。

揚げ足とったり揶揄してるわけじゃないんで、宜しかったら見解をお願いします。
古き良き時代の良心的左派の方の意見が聞きたいのです。

よろしくお願いします。

 

 どう思うかと聞かれても関心がほとんどなく、ただ共産党が昆虫食に反対してるなんて話は聞いたこともなかったので、下記の返事をした。

 

 kojitaken

カーマインスパイダーさん>

コオロギ食うって甲信地方では普通のイナゴ食いとどこが違うんですかね。

私は「古き良き左派」だなどとは自己規定していませんが、昔の「古き良き左派」たちに人気があった信州(伊那谷)出身の本多勝一は、イナゴはおいしいので人気があったと書いていました。

私がその件に何の興味もないので知らないだけかもしれませんが、共産党がコオロギ食に反対しているなんて話は聞いたこともないのでソースを示していただけると幸いです。どうせ「共産党新選組も支持する」立場のツイッタラーあたりの呟きなんかじゃないかと勝手に想像してますけど。

その新選組だの参政党だのといった右派ポピュリズム政党の支持者だか信者だかがしゃかりきになって反対しているのだとしたら、騒ぐ方がどうかしているとしか思えません。

コオロギ食い自体は日本の国力低下を象徴するような話かもしれないとも思いますが、少なくともしゃかりきになって叩くのは馬鹿げた行為でしょう。

 

 しかし諦めないカーマインスパイダーさんは、これまたコオロギ食いとは全く関係ない別の記事へのコメントにもコオロギ食いの食いの件をからませてきた。以下に引用するコメントでは記事に関する部分を省略したが、コメントの大部分はそこではなくコオロギ食いに費やされている。省略した部分はわずか2行だった。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 カーマインスパイダー

(前略)ところでいろいろと調べていくうちに気付いたのですが、例のコオロギ食えですが、通称コオロギ議連のフードテック議連に杉田水脈やら塩村あやかが入ってるんですね。
こりゃあSDGsと相まってリベラル派は触れたくないようですね。
伝統左翼の方達はコオロギ食えに反対してるようですが、こたつぬこ氏らのようなリベラル派は総じてダンマリのようで。
世に倦む何ちゃらの人は反対を表明したようです。

因みにコオロギ食えに賛成かと思われたネトウヨオピニオンリーダーの百田某や有本某は意外にも反対のようで
気分的には嬉しくないです

因みにプリン体ですが、成人男性で300〜400mgが摂取量の目安だそうですが、コオロギ100gあたり3,000mgオーバーだそうで。
牛豚鶏肉が多く見積もって100〜150mgらしいですから、コオロギは異常ですよね。
若い男性でも痛風確実ですよ。

普通に考えてSDGsは利権ですよね、外国人資本家の。

 

 「コオロギ食いに反対する伝統左翼」も私は見た記憶が全くなかったし、百田尚樹ネトウヨがコオロギ食いに反対するのは当然だろ、なんでそれが意外なんだろうかと素朴にと思ったので「百田尚樹らがコオロギ食いに大反対だそうですが、それは彼らの従来の傾向と合致しています。彼らとしては当たり前の主張ですよ」との返事をした。この直感が正しかったことがわかったというのが本記事の核心部だ。

 不屈のカーマインスパイダーさんのコメントを続ける。

 

 カーマインスパイダー

(前略)コオロギ食え、は安倍晋三の置き土産って話をどこかでみました。
フード何ちゃら議連の絡みだったかも。
まあSDGsに関しては与野党仲良くリベラル派主導で進める、はっきりいって日本人を貶める政策としか思えません。
議連見ると旧民主党系多いですよね。
だから旧来の伝統左翼の人がコオロギ食え、に拒否反応を示すのかも。

機を見るに敏なポピュリスト山〇太郎が、仕込みなのかなんなのか知りませんが街頭記者会見でコオロギ食え、に大反対を叫んでますね。
自身が嘗て出演したウルルン滞在記だかなんだかでの未開の地の部族を訪問した時の虫喰いを引き合いに出してましたね。

 

 上記コメントにある「日本人を貶める政策」というフレーズが思いっきりネトウヨっぽくて、遠慮なく書くと、これがカーマインスパイダーさんの地金なんじゃないかなあと私は疑っているのだが(弊ブログはコメントを下さる方への迎合などしないのである)、せっかくコメント欄に来てくださっているのだからと、面倒だけれどもネット検索で調べてみることにした。

 まず、コオロギ色批判の発祥だが、予想通りネトウヨ筋だったようだ。下記はAbema TIMES記事のへのリンク。

 

news.yahoo.co.jp

 

 以下に記事の冒頭部分を引用する。

 

何が原因? 過熱する「コオロギ食」論争にEXIT兼近「野菜や肉嫌いと同じ」

3/4(土) 11:25配信

 

 先月中旬ごろから、ネットを中心に「食用コオロギ」への批判が過熱している。公立高校の「コオロギ給食」が話題になり、保守系ネットメディアが批判キャンペーンを行うなど、様々な原因が考えられる中、事態は約1年前にイベントで「食用コオロギ」を試食した河野太郎デジタル大臣にも“飛び火”している。

 

 さらに「コオロギ入りパン」の製パン会社(※約3年前から製造)や、「コオロギ入り機内食」を提供する航空会社(※半年前から提供)までも批判が寄せられるなど、論争の的になっている。(後略)

 

(ABEMA TIMESより)

 

URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/7584a5fe0584e191fda028969546efb6a299f350

 

 ネトウヨ陰謀論はつきものであって、カーマインスパイダーさんがネトウヨ的だと私が感じるのもおそらく陰謀論を好む氏の傾向からだろうが、「コオロギ食い事業に公金6兆円が投じられている」などとする荒唐無稽な陰謀論まであるらしい。これをBuzzFeedの下記記事は「誤り」と断定している。

 

www.buzzfeed.com

 

「コオロギ事業に6兆円」昆虫食めぐり“血税が使われている”と拡散した情報は誤り。実際の予算額は?

 

「コオロギ事業に補助金が出ていた。予算に6兆円以上の血税が使われていました」というツイートは数千いいねを集めるなど広く拡散したが、これは誤りだ。

by Kota Hatachi

籏智 広太 BuzzFeed News Reporter, Japan

 

食料問題の将来的な解決策のひとつとして世界的に広がりを見せている昆虫食をめぐり、「コオロギ事業に6兆円」の予算が税金から投じられているとする情報が拡散している。

 

これは誤った情報だ。

 

元になっているのは「SDGs関連予算」とされ、「SDGsアクションプラン2021」(予算総額6.5兆円)の数字が一人歩きしているとみられるが、そもそもこのプランに「コオロギ事業」「昆虫食」と明示されているものはない。

また、農林水産省で実際に昆虫食などに関わっている事業の予算規模も6兆円からはほど遠く、同省の担当者は拡散している情報を否定した。

BuzzFeed Newsはファクトチェックを実施した。

 

「コオロギ食に6兆円」という情報は、2月15日ごろからSNS上に広がっているもの。数十万インプレッションを集めているツイートも少なくない。

 

「コオロギ事業に補助金が出ていた。予算に6兆円以上の血税が使われていました」という2月23日のツイートは数千いいねを集めるなど広く拡散したが、その後アカウントごと削除されている。

 

また、「コオロギに関わるSDGs関連予算6.3兆円」と記された画像もあわせて広がっている(下記*1)。

 

「コオロギやめて防衛費にまわせよ」「アホかよこの国」などと広がりを見せているが、前述の通り、これは誤った情報だ。

 

そもそも農林水産関係予算は2兆2千億円ほど(2022年度)であり、拡散している金額は荒唐無稽なものと言える。

 

また、「SDGs予算6.3兆円」という数字は、SNS上で「減らせるものがかなりありそう」「ムダを精査してみた」などという文脈で昨年12月末から広がっているもの。

 

しかし、元となる数値のソースは示されていない。

 

存在しない「コオロギ事業」

 

では、この数字はどこから来たものなのか。

 

国がまとめている「SDGsアクションプラン2021」にある予算総額は6.5兆円。広がっている額面に近い数字であることがわかる。

 

SDGs」は、持続可能な開発目標の略語。気候変動のみならず、貧困、健康・福祉、ジェンダー平等、エネルギーなど17の目標と169のターゲットがある。

 

国の「アクションプラン」は、このSDGsの重点事項とした項目に関わる各省庁のさまざまな事業を取りまとめ、「日本政府としてこれくらいの規模感で取り組んでいる」と提示したものであり、単一の予算として計上されているものではない。

 

プラン内のもので500億円以上、計上されているものをまとめると以下の通り(掲載順)で、総額の83%を占める。

 

教育費関連だけでも2兆5千億円近くを占めており、エネルギー資源や農業、災害対策、治山や森林整備などに充てられていることがわかる。農業農村整備事業のように、国際的にSDGsが注目されるようになる前から政府が支出してきた費目も珍しくない。

 

なお、「アクションプラン2021」の予算一覧のなかに、「昆虫食」「コオロギ事業」を明示した項目は見当たらない。これは、「アクションプラン2020」(総額1.7兆円)「アクションプラン2022」(総額7.2兆円)でも同様だ。

 

 

実際の予算規模は…?

 

一方、「アクションプラン2022」にも記載されている農水省の「新事業創出・食品産業課題解決調査・実証等事業」(2億300万円)の予算関連の資料では、昆虫活用について触れている部分がある。

 

担当課によると、技術による新事業創出を支援する「フードテックビジネス実証事業」に関わる部分で、予算は22、23年度ともに3千万円。

 

「アクションプラン」には含まれていないが、21年度補正予算では昆虫食ビジネスの実証が支援対象になったケースが1社あるという。ただし、これも「コオロギ事業」ではない。

 

また、こちらも「アクションプラン」には含まれていないが、農水省の「ムーンショット型農林水産研究開発事業」では、「食品残渣等を利用した昆虫の食料化と飼料化」についてのプロジェクトに取り組んでいる。

 

この開発事業ではそのほかにも作物デザインや土壌微生物、細胞培養、牛からのメタン製造などさまざまなプロジェクトに取り組んでおり、事業の予算は22、23年度ともに1億6千万円。ただし、研究費総額は2019年から5年で80億円となってている。

 

農水省の担当者によると、昆虫食や昆虫ビジネスは主に農水省が管轄となっており、そのなかでも上記の2つの事業が中心になっている。いずれも、「6兆円」という金額からは程遠い規模で、担当者も拡散している情報を「事実ではない」と否定した。

 

こうしたことから「コオロギ事業に6兆円」「コオロギに関わるSDGs関連予算6.3兆円」という言説はいずれも誤りであると言えるだろう。

 

昆虫食をめぐっては最近、さまざまな陰謀論や誤情報が拡散している。注意が必要だ。

 

BuzzFeed 2023年3月2日)

 

URL:https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/korogini6megurigawareteirutositaharinoha

 

 一読して素晴らしい記事だと思った。ファクトチェックのお手本のような記事であり、著者の簱智広太記者には脱帽するしかない。簱智氏の経歴をネット検索してもよくわからなかったが、あるいは元朝日新聞記者の方なのだろうか。本記事で書きたかったことはもちろん、私が知りたかったことまで十分に説明しつくされている。非常に質の高い記事だ。

 ところで残念ながらネット検索の過程でここで批判しないわけにはいかないリベラル人士たちによるいくつかの発信にも接した。たとえば、老舗のリベラルブログ『村野瀬玲奈の秘書課広報室』に下記記事が掲載されていた。

 

muranoserena.blog91.fc2.com

 

 上記リンクの記事本文もさることながら、記事中からリンクされたツイートが問題山積だ。

 まず些細なツイートから槍玉に挙げる

 

 

 なんと短絡的な、と呆れたが、上記ツイートが172万回も参照され、3万件以上の「いいね」がついている。村野瀬氏といい太田氏といい、これまで私の視野には入ってこなかったがものの「昆虫食に反対するリベラル」たちは確かにいるらしい。

 なお土日の私の朝食は基本的にPASCOの食パンであり、それも首都圏在住者たちには不人気で西日本在住者たちの間で人気があるらしい4枚切りをもう20年ほども食べ続けているし、この習慣は今後も変えない。もちろん今日も食べた。敷島製パンの本社は「東でも西でもない」名古屋らしいことを今回知った。

 なお村野瀬氏や太田氏については今回初めて知ったが、この件で清水潔氏が昆虫食を批判してリベラルたちに叩かれていることは知っていた。清水氏については、残念ながら他のさまざまな件を含めて「馬脚を現した」感を持っていたところだった。ここでは清水氏を批判した下記記事をリンクしておく。

 

torepanfoot.com

 

 しかしPASCO無印良品叩きや清水潔の問題どころではないツイートへのリンクが村野瀬氏のブログ記事には張られていた。それが下記だ。

 

 

 問題なのは、上記ツイートに貼られた画像だ。これが風評被害を引き起こした。

 

 

 画像を貼りつけた「ブログ主」は謝罪と訂正を行なったと書いているのだが‥‥

 

 

 

 

 私がこの件を知ったのはつい一昨日(3/3)だった。一昨日には下記ツイートが指摘した通りの状態になっていた。

 

 

 私は当然ながら「みずたま」氏の「ブログ」とやらを参照しようと思ってネット検索をかけたのだが、全くみつからなかったのだ。「みずたま」氏の「ブログ」記事のURLが記載されたとおぼしき下記ツイート中のリンクからたどろうとしたができなかった。

 

 

 URLを下記に抽出するのでご確認いただきたい。

 

 どうやら記事は丸ごと削除されてしまったらしい。

 現在ネットで流行の「昆虫食叩き」などこの程度のものなのだ。リベラル人士たちの大半が反応しないのは当然かつ賢明だし、共産党系の人たちもカーマインスパイダー氏の思い込みに反して全く反応していない人たちが大部分だろう。ただ「共産党新選組も応援する」スタンスの人たちの間に例外があるかもしれない程度だ。こんな陰謀論になびいてしまう人たちの方が軽率だとしかいいようがない。

 最後に、昆虫食叩きの陰謀論を批判する記事を紹介しておく。

 

cinemandrake.com

 

 上記リンクの記事を以下につまみ食いする。

 

  • 「“昆虫食”陰謀論」はカナダに限らず、今、世界中で拡大しており、2020年代になってからその陰謀論が急激に成長の兆しを見せています
  • 昆虫食に関する陰謀論は、いわゆるグレート・リセット(The Great Reset)」と呼ばれる概念の一部を構成しています。(中略)この「グレート・リセット」を主張するのは、もっぱら極右(もしくはオルタナ右翼、いわゆる「Qアノン」と呼ばれているようなドナルド・トランプを支持する人たちです。(中略)この「グレート・リセット陰謀論の中に「世界のエリートは自分たちだけが美味しいステーキを独占し、それ以外の者たちには虫を食事として押し付ける気だ」という考えがあるわけです。
  • ちょっと興味深いのは、欧米では主に極右系のコミュニティの間で爆発的に増大しているのに対し、日本国内ではどちらかと言えはQアノンを批判してきた…左派のような人たちの間でも「“昆虫食”陰謀論」が観察できるということです。日本での陰謀論の中身はだいたい欧米と同じで「政府が強引に私たちに昆虫食を押し付けようとしている!」という類のものです。(中略)日本は保守的な自民党政権が長らく政権を維持しているので、その政権を支持していない左派やリベラルを中心とする人たちが「“昆虫食”陰謀論」に飛びついて政府を批判している…という感じなのでしょう。「“昆虫食”陰謀論」の急激な高まりは2020年代に入ってからなので、それがQアノンと連動している事実を知らない人も日本にはまだ多いのかもしれません。
  • 政治的立場に限らず、「型」にハマってさえしまえば、誰でも陰謀論にのめり込んでしまうリスクがあります。「自分はこの政治的価値観だから平気」「自分は政治に興味ないし、大丈夫」…そんな考えでは陰謀論がいつの間にかあなたの体を這いずり回っていることにも気づかなくなってしまいます。

 

 リベラルや左派が安易に「昆虫食陰謀論」に飛びつく傾向に対して、それがいかに危険かということを指摘して警鐘を鳴らした好記事だ。

 実は以前にも似たような事例だった。それが2000年代後半のリベラル・左派系ブログやそのコメント欄などでもオザシン(小沢一郎信者)たちを中心に人気を博した「地球温暖化陰謀論」だった。あんなのはアメリカでは共和党右派とその支持者にしか浸透しておらず、日本で「地球温暖化陰謀論」を煽っていたのはノビー(池田信夫)だったし、そのノビーでさえ後年にはこの陰謀論から撤退した。それなのにオザシンや一部がその流れをくむヤマシン(山本太郎信者)の間では今も「地球温暖化陰謀論」の根っこが残っているように思われる。

 「昆虫食陰謀論」もその同類だ。

*1:画像の引用を省略した=引用者註。