kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

×××新選組は「本当に困っている人たちのための政党」ではなく「プチブル政党」ではないか

 ×××新選組の支持層の中心はどこかという話。

 ツイッター政治おじいちゃんお化け氏のツイートより。

 

 

 

 

 消費税廃止が「富裕層が最も得する」政策だとは私も考えない。富裕層が得をするのは資産や証券等に関する有利な税制だろう。

 ただ、上記はいろきさんのツイートに私が反応したのは「兵庫とかでは富裕層や割と高収入な家庭の多い芦屋や西宮でまぁまぁ人気があった気がする」というくだりだ。

 芦屋や西宮というと京都生まれの村上春樹が生後間もなくから高校卒業まで過ごした土地だが、大阪生まれの私も小中高は神戸市東部*1を含む阪神間の複数の箇所に住んだ*2

 あのあたりで得票率の高い政党は日本維新の会新選組だ。新選組は東京では中央線沿線で得票率が高く、私が現在住む東京東部では目立って低い。東京東部では新選組共産党公明党の牙城をどうしても崩せずにいるよなあ、とずっと思っている。

 他県では、例えば神奈川県の鎌倉市新選組の得票率が高かったはずだ。東急田園都市線沿線なども新選組との相性が良さそうに思われるがどうだろうか。

 以上の「割と高収入な家庭の多い」地方、阪神間や中央線沿線のような朝日新聞のシェアが特に高い地域で新選組が特に強いという心証を私も持っている。

 しかし、阪神間にしても中央線にしても、芦屋の六麓荘や西宮の苦楽園のように富裕層が特に多いと思われる地域もあるけれども、富裕層というよりは中間層中位から上位の家庭が多い地域ではないかと思う*3

 言ってみればかつての日本の「分厚い中間層」があり、その中で特に自らの力を恃む人たちが維新に流れ、どちらかといえば中間層下位の所得の人たちが新選組というより山本太郎に惹かれるではなかろうか。これは以前からずっと思っていることだ。

 とはいえ、中間層の中位あるいは上位でも、特に阪神間では言葉に明らかな関西訛りのある山本太郎の言葉に共感する人たちが少なくないのではないか。実際、新選組に大口の寄付をする人たちが目立つ。

 繰り返すが、消費税が廃止されても資産や証券等が頼りの富裕層には大したメリットがないことは明らかだ。もっとも得をするのは中間層、特にその中での中位から下位にかけて*4ではないかと思われる。

 ツイッター政治おじいちゃんお化け氏がしばしば指摘する通り、消費税廃止は本当に困っている人々にはそれほどのメリットはない。

 結局、×××新選組の最大の支持層は(月並みな結論かもしれないが)いわゆる「プチブル」ではないかと思われる。

 

kotobank.jp

 

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プチブルジョア」の意味・わかりやすい解説

 

プチブルジョア
petit-bourgeois

 

ブルジョア階級とプロレタリア階級の中間に存在し,中間的あるいはブルジョア的意識を有した階層プチブルと略称し,中産階級,中間層,小市民層とも呼ばれる。ほぼ3つの形態に分けることができる。 (1) 旧中産階級と呼ばれる層。農村の自営農,中小経営者などで,彼らは資本主義の発展とともに衰退していく部分であり,小所有者意識が旺盛で自己を労働者と区別する。 (2) ホワイトカラー,官公吏,技術者,芸術家など。資本主義の発展とともに増大する部分であり,労働者でありながらブルジョア的意識を有し不断に動揺する傾向を有する。 (3) プロレタリア階級の上層部分。これは資本主義の帝国主義段階にあって,植民地の収奪独占利潤の獲得を基礎として,資本によって買収された部分である。彼らは労使関係を非和解的対立関係ととらえず,労使協調を信ずる傾向を有する。プチブルジョアは社会変革の際には,中立的立場に立ったり,プロレタリア階級の側に立ったりもする。

 

出典:プチブルジョアとは? 意味や使い方 - コトバンク

 

 新選組支持者には一方で長周新聞に代表される権威主義極左である毛沢東主義者系の人たちもいるようだから、「プチブル政党」と決めつけると彼らの怒りを買うかもしれない。しかし彼らは支持層のほんの一部に過ぎず、中核はやはりプチブルではないかと思われる。実際新選組はかつて民主党に投票していた人たちからもっとも多くの票を奪った。

*1:神戸で一番東の東灘区は、文化に関して神戸市中心部や西部よりも西宮や芦屋などの阪神間に近く、方言も神戸弁より大阪弁に近い。広島県東部(備後)の文化や方言が広島(安芸)よりも岡山(備前)や倉敷(備中)に近いのと似たようなものではないかと勝手に思っている。

*2:しかも村上春樹ともども関西出身のくせにヤクルトスワローズを応援している。

*3:一方で阪神間や神戸には被差別部落が多い。しかも村上春樹や私の家のようなよそ者にはそのタブーをなかなか教えてくれなかったりする。このことについては、以前村上のエッセイを引用した記事を弊ブログで公開したことがある。

*4:あるいはせいぜい低所得層上位の人たちまで。