人口が急減し、経済も縮小する今後の日本は、放っておけば「椅子取りゲーム」の社会になる。こういう社会ではまず権勢を持った人たちが椅子を確保するから、椅子を確保できなかった人々との格差は拡大する一方だ。
このような社会で一番選んではならないのが日本維新の会のような過激な新自由主義政党であるという確信を私は持っている。だから維新を擁護する言説は一切受けつけない。
私の印象に強烈に残っているのは、2021年の衆院選で当時日本維新の会代表だった松井一郎が「まだ改革が足りない!」と小泉純一郎と同じ言葉を吐き捨てるように言っていたことで、「えっ、今時まだそんなこと言ってるのかよ」と思ったのだが、選挙ではその維新が大躍進して、同じ選挙に負けて引責辞任した枝野幸男に代わって立民代表になった泉健太が維新にすり寄り始めたのを見て頭がクラクラした。その状態は今なお続いている。
泉は衆参4補選に全敗し、地方議会選でも増えたか減ったかわからない結果*1だったが、昨年の参院選大惨敗で「提案型野党路線が敗因」と党に総括されてそれを「受け入れ」ながら辞任しなかった泉がこの程度の敗戦で自ら辞めるはずもない。幹事長の岡田克也も早速泉自民を否定した。そもそも泉は代表になるまでの権力工作で真っ先に岡田克也を押さえており、それが泉の権力維持の大きな要因になっている。泉は一般有権者を含む党外へのアピールを大いに苦手にする反面、党内の権力工作を十八番(おはこ)にしている人だと私は認識している。だから立民党内では「泉下ろし」の動きは起きそうにないようだ。泉は極端な「内弁慶」の人なのである。もっとも厄介なタイプだ。
維新の話に戻ると、下記ツイートが維新の本質をずばり言い当てていると思う。
維新の会って今どき風な見た目してるけど中身は超時代遅れなんだね
— /なで肩\ (@penguingata) 2023年4月25日
本当にその通りだ。私には、維新とは日本の没落を加速させようとしている政治勢力にしか見えない。
この認識、ものすごく正しいと思います。
— ねむり猫〈まゆり@非国民です@あきらめない〉 (@ynogi3) 2023年4月25日
新しい酒を古い革袋に入れるなという言葉があるけど、古い酒を新しげな革袋に入れて出される方が始末におえない。 https://t.co/ko3C6aC1LW
上記ツイートを発信したねむり猫氏のリツイートで下記ツイートを知った。
こういう構成だと評論家3人だと思うじゃん?ところが右下は維新の新議員。こういうところに維新自身による宣伝を載せてしまう朝日のセンス。 pic.twitter.com/9U6eAMQri1
— ryot (@ryot1204) 2023年4月25日
その川崎市の「維新の新議員」のオピニオンを「プレゼント」しているのがこたつぬこ(木下ちがや)氏だ。
有料記事がプレゼントされました!
— こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ (@sangituyama) 2023年4月25日
「既存政党は選択肢になかった」 25歳女性市議が語る維新のリアル:朝日新聞デジタル
僕のフォロワーの方は無料で読めます。反維新の人ほど読んでほしい、川崎市の維新の新人市議さんの話。https://t.co/HTAoeZxihH #維新 #統一地方選挙2023
私はとうとう朝日新聞デジタルを有料登録したのでプレゼントしていただかなくても読めるが、一読して思い浮かんだのは「地獄への道は善意で舗装されている」という諺だった。
結局上記記事を読んでも、維新のどこが良いのかさっぱりわからなかった。一番わからないのはいったん党勢を大きく落とした維新が反転攻勢を成功させた理由だが、これは2019年後半頃から始まっているようだ。一番大きなインパクトがあったと思われるのは2020年の新型コロナ第1波の頃に吉村洋文が悪目立ちしたことだが、それに関してコメントをいただいているので以下に紹介する。
上記リンクのうち「維新15勝 自民0勝」と題された記事*2のみ目を通したが*3、特に谷井記者は維新をPRする記者でもなさそうだというのが私の感触だ。この記者はむしろ自民党びいきなのではないかとも思った。
しかし、その谷井記者がさらっと「新型コロナ対応で全国的な注目を与えた吉村(知事)」云々と言ったらしいことには考えさせられる。
その後の「イソジン」だの、衆院選のあったまさにその年である2021年春に大阪で医療崩壊が起き、大阪府で多数の死亡者を出したことなどすっかり忘れ去られているかのようだ。「維新15勝 自民0勝」の記事にもイソジンと第4波医療崩壊の件は何も書かれていない。
結局「最初の一撃」で作られた惰性力が支配的な要因だったのか。それなら2013年前半に世に好印象を与えたの安倍政権の経済政策(それを指すカタカナ6文字は弊ブログの使用禁止用語である)と同じなのか。あれも成功したのは最初のごく短期間だけで、あとはデメリットばかりが目立った。しかし某阪大の物理学の大先生などはいまだにあれにしがみついている。
あとは呪文よろしく宣伝を繰り返していけば、朝日のオピニオン面で中北浩爾氏がいうように維新は政界における阪神タイガースの座を確保できる。統一地方選の投票日にもそうだったように、阪神は名古屋では中日ドラゴンズに負けることが多いが、あの名古屋の地域政党も維新の縮小版みたいなものだ。同じ日に読売に負けたヤクルトは阪神が中日に負けてくれたおかげでに阪神に引き離されずに済んだのだが、昨夜も首位DeNAに負けて3位に落ちた。まあそれはどうでも良い話だが、維新の人気の秘密は「一撃で既成事実を作り上げ、あとは惰性力でそれに乗っかる」以外の要素をいまだに見いだせない。
上記のような印象操作以外に維新が支持される理由なんてあるんだろうか。私には全くわからない。
今、NHKニュースウォッチ9をつけっぱなしにしているのですが、その始まりの頃に、なんだこいつ?とイラっとする記者が出てきました。維新の躍進についての話題の中で、維新に詳しい人枠なのか、NHKの大阪の記者が出てきて、躍進の背景を話したのですが、さらっと、「新型コロナ対応で全国的に注目を集めた吉村…」(←一瞬聞いただけなので、正確ではありません)とまるで肯定的な話であるかのように話したのです。表情や態度にも違和感があったので、なんだこいつ?と思ってググったら、ちょっと胡散臭そう(あるいは下世話そう)で、薄っぺらそうな記事がずらっと出てきました。
以下、グーグル検索「NHK 大阪 谷井美穂子」の1ページ目に出てくる記事タイトルとリンクです。(はじめは「NHK 大阪 谷井」で検索した後、名前も分かったので、名前まで入れて検索しました。)
私、35歳 友だち減ってない?
2021年6月25日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210625/k10013099591000.html
維新15勝 自民0勝の衝撃
2021年11月17日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/72091.html
気づいたら私、プロレスラーの番記者になってました・・・
2022年05月31日
https://www.nhk.or.jp/d-navi/note/article/20220531.html
「つらくても相談なんてできないよ」13歳 いじめられていた僕の叫び
2022.06.28
https://www3.nhk.or.jp/news/special/lifechat/post_109.html
この春、あなたもどうですか。
「選挙漫遊」のすすめ
2023年2月9日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/95449.html
外遊は、遊びではない
2019年5月15日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/17485.html
(署名は 政治部記者 根本幸太郎、関口裕也、谷井実穂子)
教え魔かもしれない
2021年4月7日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210407/k10012959031000.html
(署名は ネットワーク報道部記者 谷井実穂子 秋元宏美 國仲真一郎)
リンクを貼っておきながら、自分自身は、今時間がない中、読む気が出なくて、斜め読みもほとんどしていません。いじめについての記事だけは読まなくてはと思い、全体に目を通しましたが、胡散臭くはありませんが、少し薄っぺらいかなとは感じました。
さて、大阪に詳しい読者の方で、この記者に何か印象のある方はいらっしゃるでしょうか?