統一地方選前半の首長選及び道府県議選で目立ったのは維新の一人勝ちと共産の一人負けだった。共産の一人負けはほぼ事前に予想されていた通りだった。ここでは以前にも弊ブログで取り上げたことがあるJ-CASTニュースの工藤博司氏の論評を紹介する。
統一地方選「ひとり負け」の共産党、除名騒動が影響か 次期衆院選に「大ダメージ」の可能性
2023年04月10日15時43分
2023年4月9日に投開票された統一地方選の前半戦では、41道府県議選の改選定数2260議席のうち自民党が1153議席を確保した。前回19年の1158議席は下回ったものの、過半数は維持した。日本維新の会が大幅に議席を伸ばす一方で、立憲、公明は微増。そんな中で「ひとり負け」の様相を呈しているのが共産党だ。議席の4分の1近くを失い、所属議員がいない「空白県」も多数生まれた。
共産党では2月から3月にかけて、党首公選制を書籍で主張したベテラン党員2人が「分派」活動を行ったとして、党規約で最も重い除名処分を相次いで受けている。この対応には批判も多く、統一地方選に影響するとの見方が出ていた。
1つだった「空白県」が5つに増える
共産党は41道府県議会で99議席を持っていたが、改選後は75議席に。およそ4分の1を失った。41道府県の内訳をみると、千葉や愛知など8県で議席を増やした。愛知は県議会に共産党議員がいない唯一の「空白県」だったが、解消された。ただ、19道府県で議席を減らした。このうち、新潟、福井、静岡、福岡、熊本の5県からは1人も当選することができず、空白県に転落した。最も多い12人がいた京都は9人の当選にとどまった。除名された松竹伸幸氏(68)と鈴木元氏(78)が所属していた「震源地」でもある。残る14県では横ばいだった。
機関紙「しんぶん赤旗」は4月10日の紙面で、「愛知で議席空白を克服」の大見出しで選挙結果を伝えた。2番手の見出しには「道府県議選 大阪・吹田 議席守る」。3番手の見出しで「福岡、熊本など新たに空白」と、退潮ぶりを伝えた。
松竹氏は4月10日午前に更新したブログで、大きく二つの敗因を指摘している。ひとつが、これまでどおり党勢拡大にリソースを投下したために「地域住民の気分とか何を求めているかを探り、それに見合った政策や宣伝という点で不十分な結果」になった、という点だ。
もうひとつが、除名問題をメディアが批判したことについて、共産党側が「反共は戦争の前夜」というフレーズを使って反発し、統一地方選で争点化しようとしたことだ。「反共」批判は次第にトーンダウンしたものの、それでも有権者の間には「共産党に対する違和感が沈殿」してしまったとみる。
共産党は21年の衆院選で唯一の小選挙区の議席を守る一方で、比例は11議席から9議席に後退している。衆院議員の大半は比例票で議席を得ている構図で、統一地方選の余波で衆院選の比例票が減れば議席数に直結する。除名された鈴木氏は3月17日に開いた記者会見で、統一地方選の結果によっては、衆院選で「大ダメージを受けることになる」と警告している。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
私なんかは国政政党としての共産党に対しては年初来の2党員除名騒動に象徴される権威主義的あるいは事大主義的な体質が我慢ならないために全く支持しないが、統一地方選からは2年ずれている都議選では
高齢者の聞こえのバリアフリーのために補聴器購入費補助の条例提案をおこない、運動と連携し江東区では現物支給と現金支給を実現しました
とアピールする共産党の畔上三和子都議*1に毎回投票する人間だ。これは私自身が耳鳴りと難聴に日々苦しんでいるためというある意味手前勝手な感情によるところが大きいが、こういう活動は立民をはじめとする他の野党には期待できない。とりわけ記事の後半で取り上げる維新は論外だ。私と同様に、共産党中央はろくでもないけれども地域に根づいた活動は評価するというスタンスの方は少なくなかろうと推察する。
しかしそんな地方選でも共産党は負けた。これは相当深刻な状況だと思う。ひたすら組織防衛の意見を繰り出し続けるネットの共産党支持者たちの発信は私の心には全く響かない。いつになったら志位執行部は責任をとるのだろうか。
今回の統一地方選前半戦ではNHK+で出口調査結果などを見ていたが、唖然としたのは大阪府での各党の支持率だった。大阪では維新の支持率が実に47%に達しており、自民党は15%、立民に至ってはわずか3%だった(共産4%、公明7%)。立民は今回の統一地方選前半戦で近畿地方での結果がとりわけ悲惨で、立民支持者の中では共感するところの多い兵庫県在住のぷろもはん氏などはツイートで悲鳴をあげている。
#立憲ボイス@CDP2017@izmkenta
— ぷろもはん🕊🌈💙💛 (@promoterno26) 2023年4月9日
まさか、現有議席ほぼ確保できたからよかったという結論ではないですよね?
貴重な相崎さんの議席が取れず、ほぼ現職しか出せず、伸ばせないのわかってた闘い
維新が大阪市議選で初の過半数獲得 次期衆院選で公明と対峙か(毎日新聞) https://t.co/lyGXRIweWy
関西、特に大阪兵庫が維新にぶんどられて、とうとう大阪市議会も過半数取られ、兵庫県議会も自民の会派割り振りによっては、少数与党から脱却となる…
— ぷろもはん🕊🌈💙💛 (@promoterno26) 2023年4月9日
この惨状、立憲の責任かなりありますよ。
これまで国会内共闘にはぐっと奥歯噛み締めながら我慢してきたが…
その副作用が全て関西に来てる
知事選で維新にしてやられた奈良県でも、NHKによると維新の政党支持率が26%に達して自民の33%に迫るとともに、立民5%、共産4%などに大きく水を開けた*2。東京では既に昨年の参院選で維新の比例得票率が立民を上回ったが、今回の地方選では神奈川県議選や札幌市議選など都市部で維新の脅威が本格的に増してきた。
維新と立憲が組んでるというイメージで、関西ではもう選挙闘えない状況まで追い込まれてること
— ぷろもはん🕊🌈💙💛 (@promoterno26) 2023年4月9日
いつになったら理解してもらえるのですか?
幹部の人達来るたびにこの惨状伝えてるのに…
このままでは伸びるどころか潰れます
前回衆議院から言ってる関西の維新対策
真剣に考えてください
地元のみんなは必死です。国政の好き勝手な言動…特に泉さんや安住さんが維新と会食やリップサービスするたびに
— ぷろもはん🕊🌈💙💛 (@promoterno26) 2023年4月9日
俺達の訴えてることが伝わらなくなる
いい加減に真剣に考えてほしい
最後にひとこと厳しい言葉吐かせてください
ふざけるな!#立憲ボイス
しかし立民支持層にも共産支持層同様の権威主義者ないし事大主義者が少なくなく、ぷろもはん氏のツイートにもいちゃもんをつけているようだ。
ごめん、地元の実情言うだけで執行部批判するなという人にはつきあいきれない…
— ぷろもはん🕊🌈💙💛 (@promoterno26) 2023年4月9日
どれだけ不寛容なんだ…
どれだけ思いやりないんや…
泉健太のお膝元・京都でも立民の泉一派の候補が維新に食われた模様。
泉健太、全力で維新にすり寄る裏で自分の地元で自派候補を落として維新当選させてるのは流石に草不可避。
— イナモトリュウシ ∃xist@Peace and justice for all (@yksplash_ina) 2023年4月9日
立民は昨年の参院選で一人負けした。しかし今回の統一地方選前半戦では年初からの除名騒動で自滅した共産に一人負け役が移った。それに安堵している能天気な立民支持層には呆れるしかない。たとえば下記ツイートが好例だ。
今回の選挙結果、個人的にはかなり明るく受け止めている
— きょんきょん (@Kyonkyon_senkyo) 2023年4月10日
データとして全く参考にならなかった2022年参院選と違って、今回は勝ったところも負けたところも全てが検討する価値がある
勝敗の要因を一つ一つ洗うことで課題が明確に見える
政治は流動化しているけれどその中での有権者の傾向も見えてきた
この手の人たちにお墨付きを与えているのが「限界系」連呼で知られるこたつぬこ(木下ちがや)氏のツイートだ。
道府県議選は、維新躍進、立憲健闘、自民やや後退、共産大敗ですね。 https://t.co/J6St8LH2aN
— こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ (@sangituyama) 2023年4月10日
上記ツイート中にある「立民健闘」とは、ぷろもはん氏ら関西の熱心な立民支持者たちの神経を逆撫でする言葉に違いあるまい。
宮武嶺氏も泉の退陣を要求している。
しかし私は辞任すべきは泉だけではないと思う。共産党の志位・小池執行部も立民の泉ともども退陣すべきだろう。