なんか統一地方選後半戦で立民の地方選での議席が増えた増えたと喜んでいる人たちが少なくないようだが、その理由は下記ツイートに書かれている通りだろう。
統一地方選で立憲の議席が増加したのは、民主党・民進党系の地方議員が旧国民民主党から旧立憲へ流れたこと、旧国民民主党が引き継いでいた民主党・民進党の地方組織の底力によるところは大きい。もちろん、社民党から党員や地方議員が立憲へ合流した影響もあるね。
— Felicidad (@73R_Surf) 2023年4月24日
立民執行部については下記平野啓一郎氏のツイートが妥当な評価だと思う。
立憲の今の執行部では、もう持たないと思う。これまで懸命に支持してきたリベラル層を、あんなのばかり相手にしてたら党勢拡大が出来ないと、凡そ支持される見込みのない保守層に媚びまくって、当然の如く、そっちからもまるで相手にされていないのだから。維新にすり寄って足蹴にされるなんて、恥だろ…
— 平野啓一郎 (@hiranok) 2023年4月23日
しかしこの平野氏、2021年衆院選を受けて率先して枝野代表交代論を主張したとの理由で叩かれている。
平野さんは21年衆院選の結果を受けて真っ先に代表交代論を論じられて、その結果誕生したのが泉執行部ですが、何度代表を取り替えればお気に召されますでしょうか。 https://t.co/ttw5l6ovQL
— nks (@Yuki37167516) 2023年4月24日
懸命に支持してきたリベラル層ってのは一時の風に期待する左派のことではなく、12年以降代表がコロコロ変わったり離合集散を繰り返しても、決して投票行動を変えなかった僕みたいな人間のこと言うんじゃないでしょうか()
— nks (@Yuki37167516) 2023年4月24日
平野さんが野党を懸命に支持してきたと自負されるのなら、各党の政策をご自分の読者やフォロワーに訴えられては如何でしょう。
— nks (@Yuki37167516) 2023年4月24日
まるで野党が勝てないのは政策が無いからだという、この10年繰り返されたアベノミクスシンパのカーボンコピーです。。https://t.co/cltNQuvW00
それで上記最後のツイートを泉健太支持者のnaoko氏がリツイートし、それが私の目に入ったわけだ。
しかし、この最後のツイートは、それだけを見た場合には筋が通っているとは言い難い。なぜなら、批判された平野氏の下記ツイートも、それだけを見ればごく常識的なツイートだからだ。
日本が凋落し続けているのは、自公政権の現状認識と政策がまったく非現実的だからであり、日本をよくするためにはそれとは違うヴィジョンをこそ野党は示さなければならない。
— 平野啓一郎 (@hiranok) 2023年4月24日
「日本が凋落し続けているのは、自公政権の現状認識と政策がまったく非現実的だから」というのは本当にその通りだし、それを受けて「日本をよくするためにはそれとは違うヴィジョンをこそ野党は示さなければならない」というのもその通りだろう。そのツイートに対して、
との難癖をつけるのは、私には単なる言いがかりにしか見えない。今回記事を書くためにスレッドをたどって、一昨年に枝野交代を叫んだお前が何言ってるんだと言いたかったんだなとやっとわかった次第だ。
弊ブログにも、今朝まで承認していなかったが下記のコメントをよこしてきた人間がいる。一時的に公開し、帰宅後にまた未承認に戻すつもりだ*1
水筒
平野氏を批判したnksという人も、きっと上記「水筒」氏と同じような思考にとらわれているんだろうなと思った。それを一言で評すると、組織防衛本能の表れだろう。水筒氏は立民、共産、新選組いずれかの支持者である可能性が高いと思うし、nks氏やnaoko氏は立民支持者だ。だから自らの支持政党が攻撃されているとして身構える。しかし私はもともと立民を過渡的な性格を持つ政党だととらえているので、同党には日本の未来、それは課題山積の困難な社会であることは絶対に間違いないが、その未来に適合した政党になってもらいたいと思っている。しかし泉健太では私が望ましいと思う方向とは逆方向に向かってしまうから、泉を徹底的に批判する次第。共産党に対しても、同党が過渡的な政党とは言えないことを除けば同じことを思っている。未来に適合した左翼政党になってもらいたい。しかし立民の泉執行部と同様、現在の志位執行部ではそれは無理だ。だから両党の執行部を批判し続けている。
統一地方選後のツイートを見ていると、いったんは立民の党内政局化が必至と見ているかに見られたこたつぬこ(木下ちがや)氏が早くも方針を元に戻しているかにみえる。
私自身は、維新の政策や政治手法、メディアとの関係に危うさを感じています。しかし圧倒的多数に支持されているのは、彼らの政策や主張に魅力と説得力があるからで、その現実は認めるべきです。
— こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ (@sangituyama) 2023年4月24日
松本創さんがいうから、説得力がある https://t.co/3k5CD2CpEi
松本創さんは、誰よりも維新に食い込んで、誰よりも維新を理解したから、これを書けるんですよ。 https://t.co/FjiUNyrM0B
— こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ (@sangituyama) 2023年4月24日
西岡研介さん(@biriksk)の #コメントプラス
— こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ (@sangituyama) 2023年4月24日
【視点】「維新」を支持する、しないにかかわらず、いや、むしろ「反維新」の人たちに読んでいただきたいインタビュー。
西岡さんのコメントも、ぜひ読んでほしい。
松本さん、西岡さん、さすがです。
インタビュ... https://t.co/3k5CD2CpEi #
そこまでおっしゃるので読みましたよ。そのために、なかなか踏ん切りがつかなかった朝日新聞デジタルの有料契約(スタンダードコース)もしました*2。
でも松本創氏には説得されませんでした。
以下に朝日新聞デジタル記事の無料部分を引用する。
維新が支持される理由と「細マッチョ」、対抗するカギは「生活目線」
聞き手 シニアエディター・尾沢智史 2023年4月24日 15時00分
今回の統一地方選でも関西圏を中心に各地で勢力を伸ばした日本維新の会。維新を批判的にウォッチし続けてきたノンフィクション作家の松本創さんが考える「それでも維新が支持される理由」とは。維新に対抗するための戦略は何か。
◇
統一地方選で維新が躍進したのは、基本的には従来の活動の延長線上にあったと思います。大阪でやってきたことが実績となり、それが評価されて、関西を中心に全国に広まっていっている。
「普通の人」が支持する現実
私は今回の選挙の直後に、「普通の人びとが維新を支持しているという現実」を見るべきだとツイッターに投稿しました。この2年ほど、様々な維新支持者にじっくりと話を聞いてきました。私自身は維新を支持しませんが、彼らが支持する理由を聞くと、普通に理解できるんです。
1990年代後半から2000年代の大阪は、経済が低迷していました。市役所で職員の不祥事が頻発し、バブル期の過剰投資で第三セクターが次々に破綻(はたん)。大阪の現状に危機感を覚え、この街を立て直したいと思った普通の人たちが維新を支持したのです。(以降有料記事)
(朝日新聞デジタルより)
URL: https://digital.asahi.com/articles/ASR4S3QRRR4QUPQJ00B.html
普通の人が維新を支持しているというのは、大阪府では維新の政党支持率が50%近くもあるからには当然だろう。しかし大阪の街を立て直したという維新の大阪からこぼれ落ちた人たちは、維新以前の大阪よりもむしろ増えたのではないだろうか。自民党より過激な維新の新自由主義政策からしてそうとしか思えない。それは大阪府で新型コロナウイルス感染症の死亡率が全国平均と比べて突出して高いことにも表れている。なにしろ人口あたりの死亡率は全国平均の2倍以上だ。
こたつぬこ氏はかつての小沢一郎や現在の小川淳也ばりに「維新から共産まで」を包含することを考えているのではないかと推測するが、自民党に対抗する勢力に維新を巻き込むと、維新の「改革」という名の過激な新自由主義政策を取り入れないわけにはいかないから、必然的にその二大政治勢力からこぼれ落ちる人たちが出てくる。しかもその比率が年々増えていくことは絶対に間違いない。彼らは×××新選組だの参政党だのの支持に向かう。参政党などは今回の統一地方選で新選組をはるかに上回る議席を獲得した。結局、「維新から共産まで」を包含したところで、それは「拡張された保守二大政党制」でしかない。マルクスが「ルンペンプロレタリアート」を敵視した問題点が日本共産党にも引き継がれているのではないかとは、弊ブログにいただいた下記コメントの指摘だ。
houraijin
日本共産党は権威主義的であると同時に、歴史的にみても民族主義・「排外主義」(一応括弧つき)の傾向があると思います。
中ソの大国主義と闘った党というのは共産党の強烈な自負心に繋がっているようです。
昔からネットでは共産党を擁護する際に「共産党は北方領土だけでなく千島列島まで返還要求している」なんて言われてましたし、最近でも統一教会問題や中国やロシアに強い態度をとることで、支持者や党自身が「共産党こそ愛国者」みたいな言説を振りまいています。
被差別部落大衆や在日コリアン、性的マイノリティとの関係もひどいもので、「差別は無くなった論・逆差別批判」や外国籍党員を認めない、「同性愛はブルジョワの腐敗した文化」など心情的には安倍晋三や麻生太郎などの右翼権威主義者と変わらないのではないかと思うような主張を繰り広げてきました。マルクス自体が社会の辺境にいる人々を「ルンペンプロレタリアート」と呼び敵意を向けていたことも関係があるかもしれません。
もちろん共産党やその周辺の人々が人権や社会的に弱い立場の人々のために戦ってきた歴史があり、差別主義者、排外主義者と同列に置くのは適切でないと思いますが、経済政策や護憲主義の表層を剥がせば極めて日本人マジョリティ的なメンタリティが表出されるのではないかと。
1970年代の共産党の性的マイノリティに対するひどい差別的態度は現在は改められているが、現在の共産党も例の除名問題以外にも党員を疎外するなどの問題が山積で、今回の統一地方選後半でも議席を大きく減らした。それに関するコメントもいただいている。
urinarazuke
田平まゆみ氏がリツイートしていたこれか。岡田とかいう野郎、危うく当選するところだったんだな。
2023年富田林市・市会議員選挙 結果
— 湯本夏 (@natsuyumoto) 2023年4月23日
寺尾ちあき氏 2,119票 当選
前回、田平まゆみ氏1,848票
川崎よしき氏 886票
共産党票合計 2,734票の77.5% △615票
岡田ひでき氏 1,246票
同数2名によるくじ引きで落選
前回1,509票の82.4% △263票#共産党 #富田林 #市議選 https://t.co/SK8tRvmikN
「これぞまさに天罰!」とは私も同感だ。しかし志位執行部は退陣などこれっぽっちも考えていないようだ。どうしようもない。
まあ共産党執行部に対してはこたつぬこ氏も批判しまくっているのであまり書いても仕方ないだろうが、「野党共闘」が維新と結んだ場合に二大政治勢力から多くの人々がこぼれ落ちてしまう問題に対して、「野党第一党が第二党と連携しない手はない」としか言えない人たちは解答を何も示し得ていないのではないか。少なくともこれだけはいえると思う。私の意見は、維新の新自由主義政策を取り入れていては問題は絶対に解決できないのだから、維新自身が変わらない限り維新にすり寄ることはもってのほかだということだ。いわゆる「立憲野党」のなすべきことは、自民とも維新とも違う選択肢を示すことだと考える。
客観的にお前のブログをみると自民党への批判がない保守速報と変わらないネトウヨだ