kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「維新の会」にあって自民・立憲にない「2つの戦略」…「見棄てられた庶民」の心を掴んで放さない決定的理由(御田寺圭)なるトンデモ記事の虚妄を撃つ

 昨夜(5/17)news23を見ていたら、小川彩佳が維新の梅村みずほを批判していた。ツイートに記録している人がいたので以下に示す。

 

 

 

 上記のようにあまりにも当然のコメントであるにもかかわらず、こういうコメントをテレビで視聴したのはずいぶん久しぶりだなと思った。最近は恥ずかしげもなく維新を持ち上げる言説ばかりが目立つ。

 私の大嫌いなNHK和久田麻由子桑子真帆はもちろん、元NHK有働由美子にも小川彩佳同様の発言ができるだろうか。スポーツニュースのイメージしかない安藤萌々には望むべくもないだろうなと思う。安藤はヤクルトの石川雅規を応援しているらしいことから個人的には好感を持っているが、大越健介には逆らえなさそうだ。村上宗隆を大々的に応援するnews23の山本恵里伽も良いが、この人が応援すると村上が打てなくなってヤクルトが負け始めるジンクスがある。まあ読売戦2勝6敗のヤクルトの話はあまりしたくないのでこのくらいにするが、視聴率が3%程度らしいnews23で発せられた小川彩佳の当たり前のコメントが「蟷螂の斧」にしかならない現状はあまりにもおかし過ぎる。男女を問わず40代以下のキャスターたちで他に小川と同様のコメントができそうな人としては、元NHK膳場貴子くらいしか私には思い浮かばない。

 弊ブログへのコメントより。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 匿名意見

梅村の発言は言語道断で、腐臭がする。

こういうのを当選させた人は、いまどんな気持ちでいるのだろう。

自分のなかに引き返すべきと思う部分が少しでもあるなら、直ぐに引き返した方がいい。

田村やたかまつなどは、流行りの言葉を使うならリベラル言論界隈に送り込まれたトロイの木馬でしょう。

少なくとも僕はいちども信用したことはないし、最近では敵愾心を抱いている。たかまつなな、主権者教育を語るなら梅村を徹底的に批判しろ。嘘でもって人間の尊厳を傷つける行為を黙って見過ごすやつには、そもそも教育にたずさわる資格なんてないだろう。

こたつぬことかも、これまでの自分の行いをちゃんと総括しろ。こういう発言が出てきてしまう流れを積極的に支持していたとまではいえないが、「上手い戦略を考えることができる僕」、という自己アピールを通じて少なくとも土壌は提供していた。

こういうのは、上手いとか、流れとかに阿っちゃいけないんだよ。「ふざけるな」とだけ言って徹底的に叩けばいい。

 

 たかまつななを初めて見たのはnews23だったが、ある時調べてみるとそれは2020年で小川彩佳が産休の時だった。しかし小川もたかまつと同類である成田悠輔を呼んだ放送で成田を持ち上げていたらしい。成田が「やらかす」前にこたつぬこ氏も成田を持ち上げていた。

 たかまつには2020年に最初に見た時から胡散臭い印象を持ったが、思い出せばそれは2014年に初めて三浦瑠麗の文春新書を本屋で手に取った時(もちろん買ったりなどはしていない)に受けた印象と似ていたかもしれない。あの本は帯の惹句には三浦があたかも「右も左も批判する」リベラルの学者であるかのように謳われていたが、三浦の本質が体制擁護派にしてリベラル・左派叩きが彼女の本領に違いないことは私には一目瞭然だった。ただ、弊ブログが初めて批判したのはそれよりも少し遅れて、翌2015年に三浦が朝日新聞のオピニオン面に登場した時だった。

 上記ブログ記事についたブコメより。

 

論外発言の維新・梅村みずほの「憧れの人」はあの長谷川豊(呆) - kojitakenの日記

田村淳、たかまつなな乙武洋匡ら、政治に一家言あるような体で野党へ難癖付けてくる連中、自民や維新の本当に激ヤバい政治発言について言及は殆ど皆無。彼等は陣営が偏っているし、弱い側しか叩かない。

2023/05/17 02:33

b.hatena.ne.jp

 

論外発言の維新・梅村みずほの「憧れの人」はあの長谷川豊(呆) - kojitakenの日記

「あまりにも論外」なので初見時は反応できなかった。他人が触れた発言に反応する形でようやっと言及できたが、元が元だけに内容のあるコメントにはできなかった。

2023/05/16 14:23

b.hatena.ne.jp

 

 後者のブコメには苦笑させられた。確かに、なんでわざわざこんな奴を批判しなきゃならないんだよ、めんどくさいなあと思いつつ重い腰を上げて書いた記事だから、全く気合が入っていない。「元が元だけに内容のあるコメントにはできなかった」のはその通りだ。

 しかし上記記事には、今から一時的に承認して今晩にでも非承認に戻そうかと思うが、下記のコメントがついていたのである。

 

 Lil

ん?このツイ主やツイの賛同者はアホではないか?
というかウイグルとか「右翼に利する」と考える人権には冷淡であり、二重基準が事実なのは認めてるんじゃん。数年前に読んだ記名寄稿記事が見当たらないが、こういうタイプではない左派日本人がウイグル人支援活動に他の左派らを誘ったら、仲間に叩かれるからと協力してくれなかったと告発していたが、左翼は日共本体が中国国家批判はしても支持者や投票者はウイグルなど右派と同意見になるとして冷淡や熱量無いの丸わかりな態度ではないか。
内と外で内と判断したモノを守るのか右派なんだから、私は乙武などが政治発言する非ノンポリであっても右翼とは思わんが、「人権」「人権」騒ぎ、上と下で下につくはずで「人権派」であることがひっすな左翼が黙っていることが、右派が特定の人権擁護しかしないことよりも強く批判されるのは当然なのに何故誰も指摘しないのか。
右派など非左派が特定の人権しか擁護しないのは普通のことなのに本当に日本の左翼は層の知性の低さと高齢化で滅ぶ運命なのだな。右派批判に人権選択論とか愚か過ぎる。

 

 Lil

右派以外の非左派ノンポリ日本人も、外国人が少ない頃なら実害全く知らないから活動家の拡散器マスコミの扇動へ流されて「可哀想、政府は酷い」と内心は尊王西側安保賛成と右派寄りな癖に騙されていたが、今は非同化外国人のデメリットを知っているから、この分野では一応扇動されない。
だから、不自然なほど入管改正法案へのみ世論調査取らないんやん。政権支持率より法案支持率のが高く、岸田批判層でも圧倒的賛成多数なのバレルから。難民受け入れも陸続き欧米の認可率と比較で低いとか、アホなんよ、左翼やマスコミ。ボートピープルウクライナ人はまだしも、日本への「難民(笑)」とか飛行機で来る連中99%超えなのに。向こうもシャンパン左翼層は安全な住宅地域に住み弊害おわず、一般人が難民の弊害おわされるから北欧でさえも反同化外国人政党が伸びてる訳で。

 

 こたつぬこ氏は今頃になって下記のツイートを発している。

 

 

 

 そんなもん維新の本質に決まってるじゃないか。梅村みずほの発言から直ちに思い出されるのは橋下徹だよ。梅村にせよ梅村が心酔する長谷川豊にせよ橋下の正統な後継者たちですよ。だからしょっちゅうああいう発言が噴出する。

 なお余計なことをひとこと書いておくと、某元号新選組支持層からも今後マイノリティ差別の問題が噴出しかねないと私はみている。その予兆を感じさせたのが宮武嶺氏のブログのコメント欄における二、三の言説だ。これにも警戒しておきたい。個人的にはあれはマッチョ的な傾向が強い山本太郎を教祖として崇め奉る心性に由来すると思っている。古くはオザシンたちにもその傾向があった。何度も書くが、11年前に小沢一郎が「私の考えは橋下市長と同じだ」と口癖のように言っていたことを想起されたい。

 政党支持率の推移を見ると、現在の維新の支持率上昇傾向は2019年に始まっているが、2020年からその伸びが顕著になった。端緒になったのは新型コロナ流行に伴う吉村洋文のテレビへの露出度激増だ。最終的には大阪府はコロナ対応で国内最悪の結果を残したが、最終的に世間一般に残ったのは、これは私には信じ難いことなのだが「コロナ対応に奮戦した吉村知事」のイメージだった。

 それを端的に表しているのが、一昨日(5/16)Yahoo! JAPANに配信された下記現代ビジネスの記事だった。

 

news.yahoo.co.jp

 

gendai.media

 

 上記2つのリンク先は同じ記事だが、別々にはてなブックマークがついているので両方リンクした。この記事の駄文を書いたのは御田寺圭という人物だ。初めて目にする名前だが、現代ビジネスにプロフィールが出ている。

 

gendai.media

 

 上記記事から引用する。

 

維新の持つ「物語性」こそが、維新の計り知れない「根強い支持」の源泉となっている。

たとえば2020年からの新型コロナウイルス感染拡大の時期においては、大阪府の吉村洋文知事のコロナ対策が府民には大きく支持されていた。覚えている人も多いだろうが、東京圏の人びとの意見が大きく反映されがちなツイッターでは「イソジン吉村」「感染爆発させている大阪民国はバカ」などといった嘲笑的な声が相次いで寄せられていた。ところがそのとき、当の大阪では「吉村さんは一生懸命に頑張っているのに、東京(政府)やメディアが吉村さんの足を引っ張ってばかりで気の毒だ」という認識がひろく共有され、吉村氏のコロナ対策や彼を支持する人の割合は78割にものぼっていたのだ。関東圏在住の人びとからすれば信じられないかもしれないが、けっして冗談で言っているわけではない。

 

URL: https://gendai.media/articles/-/110179

 

 冗談じゃない。

 「東京(政府)やメディアが吉村さんの足を引っ張ってばかり」と書かれているが、当時総理大臣だった安倍晋三がいつ「吉村さんの足を引っ張った」というのか。まずこの点を御田寺に問いたい。また、当時在京メディアが吉村の足を引っ張った事実もない。私が今でも腹立たしく思い出すのは、TBSの「サンデージャポン」で吉村と「結婚したいー」という「街の声」を取り上げていたことだ。もちろん吉村は既婚者である。

 

 以下引用を続ける。

 

現在の維新は「市民感覚を大切にする人 vs. 市民感覚を無視したり冷笑したりする人」という対立軸を打ち出し、大阪のみならず全国各地に版図を拡大した。「市民が本当に願っていること」よりも、中央政府の代弁者としての態度を優先してしまう(そうしないと公認を外されてしまうので、かれらにもやむを得ない事情があるのだが)自民党地方議員に対して、「私たちは皆さんのことを見棄てません!」というメッセージ性を打ち出す維新の物語に心を惹かれる人が続出した。ゆえに自民党議席を失った。よってこれは厳密には「保守政党同士で票を割ってしまった」ということではない。

 

維新はこれまで「市民感覚(労働者の味方)」の看板を掲げていた左派・リベラル派がその看板を捨て、都市部インテリ層に親和的なラディカルな左派思想(いわゆる “Woke” と呼ばれる先鋭的な思想)に傾倒し、むしろ「市民感覚」を馬鹿にするようになったのを見逃さなかった。「市民感覚を大切にする我々 vs. 私たちを冷笑するインテリ層」という対立軸を打ち出すことにも成功した。結果として、これまで左派・リベラル派を「庶民の味方だから」という理由で支持していたが、現在はその思想的先鋭化についていけず心離れしてしまった「うっすら左派」的なスタンスの人びとさえも、維新支持に鞍替えさせてしまったのだ。

 

ようするに現在の維新は「市民感覚」をまるで省みない「政治的エリート(自民党)」と、それを冷笑する「知的文化的エリート(立憲民主党共産党)」に対して不満を持つ名もなき人びとの受け皿とみなされているのである。

 

URL: https://gendai.media/articles/-/110179

 

 当然ながら、この御田寺の馬鹿げた記事は批判されている。

 

 

 

 

 

 「維新の研究」をやっていた菅直人までもが「維新支持者が低所得層」だと書いていたとのことだから、維新のイメージ戦略は大成功を収めているのだろう。

 御田寺の記事にも、これが嘘であることを指摘するブコメがある。

 

「維新の会」にあって自民・立憲にない「2つの戦略」…「見棄てられた庶民」の心を掴んで放さない決定的理由(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

バーカ <a href="https://www.yomiuri.co.jp/column/opinionpoll/20220616-OYT8T50032/" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://www.yomiuri.co.jp/column/opinionpoll/20220616-OYT8T50032/

2023/05/17 11:47

b.hatena.ne.jp

 

www.yomiuri.co.jp

 

 以下引用する。

 

立民こそ低年収層が支え

 

 世帯年収区分ごとの政党支持率をみると
「200万円未満」      自民33%、維新11%、立民8%、無党派層35%など
「200万~400万円未満」 自民34%、維新10%、立民8%、無党派層38%など
「400万~600万円未満」 自民33%、維新10%、公明6%、無党派層39%など
「600万~800万円未満」 自民37%、維新 8%、立民6%、無党派層42%など
「800万~1000万円未満」自民35%、維新12%、立民4%、無党派層46%など
「1000万円以上」     自民38%、維新15%、立民4%、無党派層39%など
だった。

 

 自民支持層や無党派層は、年収の高低による特徴がみられなかった。

 

 次に、回答者全体の6%にあたる立民支持層に絞って、世帯年収区分ごとに分けてみた。回答者全体の年収区分の分布との違いが興味深い。

 

「200万円未満」      21%(全体は17%)
「200万~400万円未満」 39%(同31%)
「400万~600万円未満」 16%(同19%)
「600万~800万円未満」 11%(同12%)
「800万~1000万円未満」 4%(同8%)
「1000万円以上」      5%(同8%)
(「答えない」4%)

 

 回答者全体と比較すると、立民支持層は「200万円未満」「200万~400万円未満」の層が分厚くなっており、年収が高い層は全体よりも少ないことが分かる。つまり、立民こそが年収の低い層に支えられた政党といえる。菅直人・元首相が、維新に対して使った「低所得者層支持」の仮説は、自らが所属する立民の特徴を言い当てていたようだ。

 

(読売新聞オンライン 2022年6月16日)

 

URL: https://www.yomiuri.co.jp/column/opinionpoll/20220616-OYT8T50032/

 

 上記は昨年の参院選が行われる前の月の敵方・読売新聞の記事だ。読売は菅直人の誤認を指摘することに主眼があったのかもしれないが、敵方によるこの指摘はこちら側にとっても大きな参考材料になる。

 維新に富裕層の支持者が多いことは、東京東部に住む私には常識だ。すぐ隣にある都心3区(千代田、港、中央)は維新の牙城だが、隅田川を挟んだ東側になると途端に維新は弱くなり、代わって公明と共産が強くなる。立民や某新選組などは東京東部では非常に弱くて中央線沿線で強いが、これは立民や新選組高所得者層に支持される政党だからではなく、もっぱらロワーミドル(下層中産階級)に支持される政党だからだ。余談を書くと、少し前に読書ブログで取り上げたチャールズ・ディケンズ(1812-1870)は19世紀イギリスの中流階級の底辺近くの出身で、彼の小説は富裕層にはマルクス資本論と同一に見られて危険視されたが、日本の古い左翼である中野好夫(1903-1985)には「(1967年時点での)日本の保守政治家みたいで、社会史の視眼に欠ける」と批判された。

 だからリベラル・左派の間にもしばしば見られる「中央線リベラル」なる言説は非常に有害だ。『赤と黒』を書いたフランスのスタンダール(1783-1842)のようなアッパーミドル出身の体制批判者*1が「中央線リベラル」に一定数いるのは事実だろうが、立民(や新選組)の支持層の中心は彼らではなくロワーミドルなのだ。なお新選組は立民よりさらに下の階層からの支持が強い*2ことは三春充希氏がデータに基づいて指摘する通りだから、一時期ツイッター政治おじいちゃん氏が言っていた「富裕層に支えられた」との言説は完全な誤りだ(氏も私に指摘されたためかすぐに認識を改めた)。しかしその新選組も東京東部ではいたって弱い。大雑把にいえば非正規労働者層と零細自営業者層とでは性格が異なるということなのだろう。

 問題は前述のロワーミドルが中心的に支える立民の代表・泉健太参院選敗北後に維新へのすり寄り路線を選択したあげく、その9か月後に路線の再転換を余儀なくされたことであり、上記読売の記事は維新すり寄り路線が正しくなかったことの傍証になるものだ。泉については代表辞任が相当だと思うが、彼はその選択をしなかった。

 

 「人口当たりコロナ死者数で大阪がダントツなんてインターネットの一部で知られてるだけでメディアはまず報道しない」というのもそうで、これは弊ブログよりずっとアクセス数が多い宮武嶺さんのブログで何度もアピールしているのにその事実が広まらない。梅村みずほを批判したnews23でも吉村洋文のコロナ対応を批判したのは見たことがない。それどころか2020年にはMBS発で吉村が「緊急事態宣言の効果を検証する」と大見えを切ったのを垂れ流していた。さすがの星浩もしかめっ面をしながら何やらむにゃむにゃ言っていたことは覚えているが、星に維新の本質を突く批判など最初から期待できようはずもなかった。

 しかし、人口あたりのコロナ死亡数で大阪府が日本最悪レベルだったことは紛れもない事実で、特に2021年の第4波では大阪で医療崩壊が起きた。これはさすがにメディアも報じたが、それから半年も経つか経たないかのうちに行われた衆院選では維新が躍進した。

 この現象を説明するのに「嘘も百回繰り返せば真実になる」という、ゲッベルスだかヒトラーだかの言葉以外の機構を思いつくことは私にはできない。

 時間になったので今日はここまで。

*1:スタンダールは弁護士の息子だが、王党派の父親を激しく憎んでいたという。

*2:具体的には大企業や官公庁に勤める派遣労働者などがイメージされる。