少し前に、立民代表の泉健太が下記ツイートをイキって発信していた。
5月の産経FNN世論調査で、若者世代(18〜29歳)における「野党で期待する政党」調査で、維新の8.1%、国民9.1%を上回り、立憲民主党が19.9%でトップに!
— 泉健太🌎立憲民主党代表 (@izmkenta) 2023年6月5日
でも、まだまだ。
皆様、立憲民主党はもっと変わる。もっと結束し、もっと国民のために、もっと政策で戦います!https://t.co/pQm7E6nnxB
一見、18〜29歳での立民の政党支持率が20%もあるような間違った印象を与えるが、あくまでの野党のうちから選ばせた質問に過ぎない。しかも根拠となる公開された情報はすぐには検索できない。下記リンク先の産経・FNNのサイトには全年齢層については維新29.2%、立民15.7%と出ているだけだ。年齢層別の内訳はどこかに載って公開されているのかもしれないが、私は発見できなかった。
しかも先日、音楽関係のネット検索をかけていたら、他ならぬ産経新聞の下記記事がヒットした。
以下引用する。
ロックと野党と高齢化 政治部・千葉倫之
2022/11/19 08:00
先日、5年ぶりに来日した米ハードロックバンド、ガンズ・アンド・ローゼズの公演を見てきた。ギタリストのスラッシュが、くどいほどにギターソロを弾き倒す姿がいつもながら印象的で、3時間ぶっ通しのライブを心から堪能した。
とはいえ、彼らも結成から40年近い大ベテラン。ボーカルのアクセルは、この日も「心は老いたが 俺はまだ28歳」と、ある名曲の一節を歌い上げたが、実際には2月で還暦、日本なら赤いちゃんちゃんこを着る年だ。荒ぶる獅子舞のようだった往年の運動量はなく、ぽっこり飛び出た腹肉に親近感を覚えた。
バンド同様にファンも年を取るわけで、観客の大半は中年層だった。余韻に浸りつつ帰途の電車に乗ると、先客の若者がけげんな表情を浮かべていた。ドクロのTシャツや黒革ジャケットの中年集団が大挙乗り込んできたのだから無理もない。彼らの目に、われわれガンズファンの姿はどう映ったのだろうか。
そんなことを考えたのにも理由はある。筆者の担当は野党取材で、この秋、安倍晋三元首相の国葬や、安全保障関連法などに反対する集会を何度か見た。共産党や立憲民主党の幹部や議員が連帯のあいさつに駆けつけていた。
「立憲主義を壊したのは誰ですかぁ!」「安倍だぁ!」。9月に東京の代々木公園で開かれた集会では、共産の志位和夫委員長と参加者が、ロックのライブさながらの掛け合いで盛り上がっていた。
参加者はだいたい、ガンズファンの親世代くらい。テロに倒れた故人を糾弾するコールにあわせ、大勢の高齢者が拳を振り上げる様子はやはり尋常ではなく、当人たちは楽しげだが、第三者的には「ドン引き」の光景である。筆者にはそう見えた。そんな高齢化したファン層に支えられつつ、その下の世代から冷ややかに見られているのが今の左派野党である。産経新聞とフジニュースネットワーク(FNN)が今月に行った合同世論調査では、18~29歳の立民支持率は0・9%で、共産は5・3%。40代も立民1・7%、共産0・5%だった。
ガンズはアクセルの声が持つ限り、10年後だって興行を続けられるだろうし、新たなファン層も開拓できるだろう。野党はどうだろうか。
(産経ニュースより)
URL: https://www.sankei.com/article/20221119-C34AMVVTINMWROWVDFU4JNGSJI/
昨年11月の同じ産経・FNNの世論調査では、立民の18〜29歳の政党支持率は0.5%しかなかったのだ。
先月の調査は、野党の中から一番「期待できる」というよりマシだと思う政党を選ばせただけのものだ。
周知の通り、維新は30歳未満の若年層の間では不人気を極めている。国政選挙の際に行われる政党支持率を見ても、70歳以上と30歳未満で維新の政党支持率が陥没している。それは維新の毒々しい新自由主義政策が老若双方の有権者に嫌われているためだろう。
それならなぜ一番マシな野党として共産党を挙げる人が少なかったかといえば、年初来の除名・除籍劇の影響だろう。つまり、泉がいう19.9%という数字が本当なら、それは左右双方の野党の悪印象によって相対的に押し上げられただけであって、積極的な政党支持率になると、立民は昨年11月の0.5%から大きくは変わっていないとみるべきだ。
そもそもフジサンケイグループの世論調査自体が当てにならない。数年前に捏造が指摘されたこともあって、三春充希氏などは計算からフジサンケイを除外している。
また、泉についていえば、昨年の参院選前にも「対案路線は有権者に支持されているという党内世論調査の結果が出ている」などと強弁していたが、それが誤りだったことは当の参院選で立民が得票率を激減させたことで証明された。
野党第一党の党首が、冒頭にリンクしたような怪しげなデータを大々的にアピールする愚行を犯すのは本当に止めてもらいたい。目を覆いたくなる。