kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

立民支持層や無党派層より維新支持層の方が同性婚賛成が多い(2023年2月のFNN・産経世論調査)

 統一地方選後半戦もおそらく維新の厄侵は不可避だろうが、維新に関して興味深いツイートに接した。

 

 

 上記ツイートには産経新聞世論調査のグラフが貼り付けられているが、この世論調査は今年(2023年)2月に行われた。

 

www.sankei.com

 

 以下引用する。

 

LGBT法案、同性婚法制化…自民支持層の過半数が賛成

2023/2/20 19:02

 

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が18、19両日に行った合同世論調査で、LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案について尋ねたところ、慎重論が根強い自民党の支持層でも57・2%が「(国会で)成立させるべきだ」と答えた。同性婚を法律で認めることにも自民支持層の60・3%が「賛成」と回答した。年代別では、高齢層より若年層が、性別では男性より女性の方が同法案の成立や同性婚の法制化を積極的に認める傾向が強く出た。

性的少数者に関する法案を成立させるべきか聞いたところ、立憲民主党支持層の68・1%、日本維新の会支持層の74・8%、無党派層(「支持政党はない」と回答)の67・1%が「成立させるべきだ」と答えた。

法案は令和3年に超党派議員連盟が中心となってまとめたが、「性的指向および性自認を理由とする差別は許されない」との表現が不明確などとして自民内で反対論が高まり、党内了承を見送った経緯がある。

法案は立民、維新、共産党など野党のほか、与党の公明党も賛成している。ただ、内心に関わる「性自認」や、定義が不明確な「差別」の禁止など法案には課題が多い。自民支持層の32・6%は「(国会で)成立させなくてもよい」と慎重な考えを持っている。

同性婚の法制化に関しては、立民支持層の74・0%、維新支持層の86・9%、無党派層の76・3%が賛成した。反対と答えたのは自民支持層で29・3%、立民支持層で20・5%、維新支持層で10・6%、無党派層で13・5%だった。

性別では、性的少数者に関する法案を「成立させるべきだ」と答えたのは男性62・4%、女性65・7%だった。一方、同性婚の法制化に賛成したのは男性65・0%、女性76・7%と男女で差が生じた。

 

(産経ニュースより)

 

URL: https://www.sankei.com/article/20230220-PQDZSMO6ORMX5GHJ5BHHAZOCGM/

 

 立民支持層より維新支持層の方が同性婚の法制化に賛成する比率が高いのは、記事にも指摘されている「高齢層より若年層が(略)同法案の成立や同性婚の法制化を積極的に認める傾向が強く出た」ためだろう。下記ブコメが指摘する通りだ。

 

【産経・FNN合同世論調査】LGBT法案、同性婚法制化…自民支持層の過半数が賛成

えっ立民の支持者より維新・無党派層の方が同性婚支持率が高いの!?リベラリズムとは?となったけど、つまり政治思想ではなく世代で分断されたイシューということかな。若い支持者の多い維新は支持が強く出る。

2023/02/20 22:18

b.hatena.ne.jp

 

 実際には維新も「若い支持者が多い」わけではなく、10代や20代の支持率はむしろ立民をも下回るほど低いのだが、30〜50代の支持が厚い。一方、立民は共産ともども70代以上の支持率が突出して高く、30〜50代の支持では維新に大差をつけられている。このことが影響したのだろうとは誰もが思うところだろう。

 ところで、これはネトウヨにとっては都合の悪いデータでもある。というのは、ネトウヨの平均年齢もまた立民や共産の支持層に負けず劣らず高いからだ。ネトウヨの大半は50代以上だろうと私はみている。

 

【産経・FNN合同世論調査】LGBT法案、同性婚法制化…自民支持層の過半数が賛成

産経ですらこういう結果になるか。杉田や荒井みたいな連中は自民党内ですらノイジーマイノリティでしかないことが可視化されたと思う

2023/02/21 00:33

b.hatena.ne.jp

 

【産経・FNN合同世論調査】LGBT法案、同性婚法制化…自民支持層の過半数が賛成

単純に考えると、既に勝負あった。ただ実際には、反対派はこの件を最重視して投票行動を変える可能性がある一方、支持派は自民が煮え切らない態度でも他党になかなか流れないから、自民は延々逡巡。早く決断を。

2023/02/20 23:04

b.hatena.ne.jp

 

 こういう状態だから、岸田文雄解散総選挙を急ぐのだろう。次の衆院選は6月とも11月とも言われており、前回の衆院選が一昨年(2021年)10月に行われたことを思えば早過ぎるようにも思われるが、岸田の狙いは安倍晋三系列の復古的極右の勢力を殺ぐことにあるとみられ、おそらくはこれが内閣支持率上昇の最大の要因になっている。次の衆院選ブコメにも名前が挙がっている杉田水脈比例中国ブロック上位に記載されることはほとんど考えられず、次の衆院選では落選確実と見られているほか、先般の政局では高市早苗への逆風を吹かせていた。ネトウヨの多いヤフコメなどでは高市擁護論ばかりが目立つが、実際には高市が総理大臣になる目は安倍晋三の暗殺とともに消え去ったとみるほかない。

 産経記者の阿比留璢比は11年前に幻に終わった安倍晋三と維新との合流話が忘れられないようだが、その時代にはもはや戻れない。

 

www.sankei.com

 

 幸いにも上記記事は有料記事であり、登録してないければ全文は読めない。弊ブログの読者にそんなことをしようと思われる方はほとんどおられないだろう。なお私が産経の有料記事にお目にかかったのはこれが初めてかもしれない(産経の記事にはほとんどアクセスしないからね)。

 2012年には確かに橋下徹松井一郎安倍晋三をスカウトしようとしたことがある。これは歴史的事実だが、例えば高市のような安倍的な極右が今後維新と組む可能性はほとんどなく*1、維新は今後新自由主義政策に特化した政党になっていくのではないかと思われる。

 それはそれで非常に危険な傾向であって、小泉純一郎竹中平蔵の流れを維新が継承することになる。

 明日の衆参5補選でもっとも起こりそうだと思う、というより危惧しているのは、衆院和歌山1区で維新が勝ち、残り4選挙区は自民が全勝する結果だ。和歌山1区の維新勝利はまず動かないと私は予想しているが、仮に和歌山1区以外自民全勝という結果になった場合、それは立民代表・泉健太の「維新すり寄り路線」の破綻を示す以外の何物でもないから、泉は直ちに立民代表を退くべきだ。衆院千葉5区だけの1勝3敗でもダメだと思う。衆院山口2区と参院大分のいずれかを含む2勝2敗以上ならそこまでは泉退陣論を声高には言えなくなってしまうが、果たしてどうなるか。

*1:仮に宗教右派的な路線をとるならば世論との乖離が大きくなる上に世界の潮流からも取り残されてしまうなど、リスクが大き過ぎる。従って、維新の指導者たちが損得勘定によって宗教右派的な路線を選択しない可能性が非常に高いと思われる。政治家は支持層の意向に反する政策はとれないというガルブレイスの指摘が思い出される。